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【日刊京都経済特約】接続の悩み解決します!長岡京のベンチャーが開発、SOHO向け賃貸ブースで需要開拓

1999年08月16日 00時00分更新

文● 日刊京都経済

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コンピューターなどの配線接続端子(コネクター)の開発を手がけるベンチャー企業、メディアコネクト西日本(長岡京市久貝、平塚仙次社長、電話075-957-7113)は、パソコンの周辺機器の接続に使うコネクターを一つのパネルにまとめて接続作業を大幅に簡単化するシステムを考案し、実用化した。実用第一例として、長岡京市内で小規模企業(SOHO)向けの賃貸ブースに同システムを設置し、需要の開拓に乗り出した。今後、全国で販売する。コンピューター周辺機器の接続作業は重いコンピューター本体を動かすなど手間暇がかかるのが難点だったが、同社は「新システムの採用により、ユーザー自身が気軽に情報システムを拡張できるようになり、その分業務効率が上がるはず」と話している。

長岡市に開設したSOHO向け施設
長岡市に開設したSOHO向け施設



同社が開発したシステムは、通常パソコン本体の裏側についている「パラレルポート」「シリアルポート」「キーボード端子」「マウス端子」の4つのコネクターと電源コンセントを一つのパネルに集合させたもの。狭いオフィスでは縦型(タワー型)のパソコンを机下に置いて使用する場合が多く、従来はプリンターなどの周辺機器を増設するたびに机の下に潜り込んで作業をする必要があった。同システムでは、コンピューター側の各端子から延長コードを延ばし、それを束ねて机上のパネルに集約した。このため、机に座ったまま接続し直すことができるほか、パソコンと机上の各機器を結ぶ配線が絡み合うといったことを避けることができる。コンピューターを利用するうえでの「小さな不便」を解消することを狙った商品だ。

システム名はコンピューター、オーディオ・ビジュアル(音響映像)、インフォメーション、インテリア、コネクターの頭文字を並べて「CAVIIC」と名付けている。

同社はこのシステムを家庭や小さなマンションなどで事業を手がける「SOHO」(スモール・オフィス・ホーム・オフィス)事業者に販売していく計画。全国の電器店を組織して、小ロットのニーズに対応できる販売体制をとる方針で、代理店の募集を始めた。

東京にも別法人をつくり、近く営業活動を始める。

メディアコネクトのパネルを装着したブース
メディアコネクトのパネルを装着したブース



実用化第一例としてこのほど、長岡京市の関連会社保有ビルで、同システムを採用した賃貸ブースを始めた。1ブースあたり4.2-5.9m2のブースが9つあり、各ブースごとにコネクターパネルが取り付けられている。インターネット回線などもあらかじめ設備されており、入居者がコンピューターを持ち込めばすぐに事業を始められるようにしている。賃貸料は1ブース29,000~34,000円。同社はこの賃貸ブースをショールームとして活用し、ユーザー開拓に力を入れることにしている。

主に一人で事業を行うことが多いSOHO事業者の場合、コンピューターの保守や機能拡張の作業に大きな時間を割かれる傾向があるといわれる。今後SOHO事業者は増え続けると見られており、SOHOを対象にしたオフィスサプライが新たな市場として成長していく可能性がある。

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