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アジェンダ、ViaVoice対応の音声入力式はがき作成ソフト『宛名職人2000』を発表

1999年08月16日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

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(株)アジェンダは、日本アイ・ビー・エム(株)の技術協力を受けて、音声認識に対応したはがき作成ソフト『宛名職人 2000』と家計簿ソフト『やりくり上手 2000』を開発、発表した。両ソフトともIBMの音声認識ソフト『ViaVoice98 Friendly Speak 日本語版』のうち、パソコン操作を音声で実行できる『ViaVoice98 日本語版 ナビゲーションランタイム』を標準で同梱。はがき作成ソフトと家計簿ソフトとしては初めて、キーボードを使わずに音声によるデータ入力を実現した。

『宛名職人 2000』




『宛名職人 2000』は、年賀状などはがきの宛名書きを自動的に行なえるほか、裏面をイラストや画像を使って編集できるはがき作成ソフト。宛名印刷ソフトとしては初めて音声認識に対応した。手間がかかる住所録の入力作業に音声認識を利用した点が最大のポイントだ。相手の電話番号をマイクを使って読み上げて入力すると、電話帳辞書データを検索して相手の住所と郵便番号、氏名や会社名を自動入力してくれる。辞書検索用の高速エンジンを開発したため1件当たりの入力時間は0.5秒で済むという。作成した住所録の閲覧や、アプリケーションの終了など主要な操作も音声入力で実行可能とのことだが、データの保存や宛名レイアウトの変更など、すべての作業に音声認識が対応するかは未定。

搭載した電話帳辞書は個人3200万件、法人920万件の計4120万件を収録し、個人では国内の電話加入者の7割を網羅したという。また日本人の姓名24万件を収録した辞書も搭載。裏面編集用に(株)メディアヴィジョンのフォトレタッチソフト『Kai's Photo Soap 1.0 SE-J』をバンドル。TWAIN対応でデジタルカメラで撮影した画像などを直接取り込んで編集も可能だ。またイラストと写真データ6000点とTrueTypeフォント120書体、基本レイアウト1000点も収録している。

対応OSはWindows 95/98/NT 4.0。10月8日発売で、価格は4980円。ヘッドセット型マイク同梱版と、公式ガイドブック同梱版も同時発売される。各限定2万本で、価格はそれぞれ6800円。

開発中の『宛名職人 2000』の画面
開発中の『宛名職人 2000』の画面



発表会で行なわれたデモ。早口での入力もOK。「03の、XXXXの、XXXX」と合間に「の」を入れると「03-XXXX-XXXX」とハイフンで表示する
発表会で行なわれたデモ。早口での入力もOK。「03の、XXXXの、XXXX」と合間に「の」を入れると「03-XXXX-XXXX」とハイフンで表示する



『やりくり上手 2000』

『やりくり上手 2000』は音声認識による入力に対応した家計簿ソフト。日用品や食料品といった買い物額や貯金額など、家計簿に記入するデータを音声認識機能を使って入力することができる。家庭の収入と支出を管理する通常の家計簿機能に加え、住宅ローン返済の計算機能や、現在の家計の状況から60年先の家計状況を予測する“ライフプラン機能”などを持つ。また姉妹ソフトとして、『やりくり上手 2000』の家計簿機能とローン・貯蓄計算機能だけを収録した『ぱぱっと家計ノート 2000』も同時発売する。

両ソフトとも対応OSはWindows 95/98/NT 4.0。『ぱぱっと家計ノート 2000』については、Macintosh版も開発中という。発売は11月上旬の予定で、価格は未定。

Mac用宛名印刷ソフト『宛名職人 Ver 7.0』と年賀状イラスト集『イラスト玉手箱HGたつ』

また同時にMacintosh用の宛名印刷ソフトの最新版『宛名職人 Ver.7』と年賀状イラスト集『イラスト玉手箱HGたつ』も発表した。

『宛名職人 Ver.7』は音声認識には未対応だが、『宛名職人 2000』と同様に電話番号入力による住所録作成機能を新たに搭載し、作業効率の向上が図られている。その他の機能も『宛名職人 2000』とほぼ同じ。対応OSが漢字Talk7.5.1以上、MacOS7.6以上。10月8日発売で、価格は6800円。同時にアップグレード版を10万本限定、3800円で発売する。

『イラスト玉手箱HGたつ』は、来年の辰年用にふさわしいイラスト200点と、あいさつ文など50の文例を収録した。Windows/95/98/NT 4.0とMacintosh漢字Talk7.1以上、MacOS7.6以上のハイブリッド版。10月8日発売で、価格は3980円。

販売目標は10万本

発表会では、アジェンダ社長の松井文也氏が、パソコンの普及を妨げている原因の1つとしてキーボード操作の難しさを指摘した上で「『宛名職人 2000』なら、これまでキーボードで入力していた電話帳辞書の入力の手間が、音声認識を使うことで10分の1になる」と自信を見せた。アジェンダでは音声認識搭載でキーボードに不慣れな初心者や中高年層を中心に10万本の販売を目指している。

「音声認識を採用することで入力の手間が大幅に省けた」と話す松井社長「音声認識を採用することで入力の手間が大幅に省けた」と話す松井社長



また日本IBMソフトウェア事業開発担当の岡部春樹氏は「(株)ジャストシステムの日本語入力ソフト『Voice ATOK』、ソニーコミュニケーションネットワーク(株)の電子メールソフト『PostPet』に続き、宛名印刷ソフトと家計簿ソフトに対応したことで、音声対応ソフトの家庭用ラインナップは完成した」とした上で、「今年の『ViaVoice98』の販売本数は100万本を見込んでいる。年末に向け『ViaVoice98』の良さをPCユーザーに訴えたい」と語った。

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