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【夏季特別企画 Mac対談 Vol.2】MacWorld EXPOで初めて登場した新しい技術や周辺機器

1999年08月11日 00時00分更新

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【夏季特別企画 MAC対談】Vol.1では、先日のMacWorld EXPOで初めて登場した『iBook』の話を中心に、その魅力を存分に語ってもらった。2回目は、MacWorld EXPOで初めて登場した新しい技術や周辺機器の話を中心に展開していただく。

iBookが打ち出してきたインパクトのある技術

林 「今回のiBookにしてもね、なんか予想の範疇であるようでいながらも、すごくインパクトがある技術を打ち出してきていますよね。エアポートは予想外だって言う人がきっと多いだろうしね」

千葉 「どういう展開が待っているのか、本当に非常に興味がありますよね。どっちにしても、たぶんものすごくワクワクするものを出してくるでしょうね。いままでのハードウェアの展開にしても、予想だにしないものが出てきてますからね。ところで、いま話題にあがったエアポートの技術自体は、すべてルーセントが持っているんですか?」

林 「ルーセントが持ってるのは、チップなどの開発技術だけであって、802.11という規格自体はスタンダードなものです。もし、アップル以外のメーカーが802.11を採用したノート型パソコンを出すとしたら、本当は2Mbpsの製品になるはずですよ。いまちゃんと成立しているのは、2Mbpの規格しかないわけですからね。それを、アップルは無茶なことをやって、11 Mbpsっていう、今度の秋ごろぐらいに規格として認められるものを、iBookの発表段階ですでに採用するって決めちゃったんですよ」

千葉 「でも、これ先鞭つけたってことは、ほかも追随する可能性はありますよね」

林 「そうですね。今回のMacWorld EXPOだと、ファラロンっていう会社が、たまたま802.11の製品を開発していて、『スカイライン』っていう無線LANの製品を発表したんですけど、アップルのエアポートのことをまったく知らなかったっていうことなんですね」

千葉 「はあー?」

林 「実際にファラロンのブースに行ってみたら、これもたまたまなんですが、ジョン・ルービンスタインっていうアップルのハードウェア担当のVPが来ていて、一緒に話を訊けたんです。“これからメーカどうしで整合性を合わせていく”って言ってましたけどね。ただし、今回発表したファラロンのスカイラインは、やはり2Mbpsの製品なんです。ルーセントがいま販売している製品も2Mbpsなんだけど、11 Mbpsのチップをエアポート用にすでに開発してる。たぶんファラロンも11 Mbpsのチップを今後の製品として出してくるって予想できますよね」

USBの汎用ドライバーをMSが買い取った?

千葉 「現物をまだぜんぜん見ていないんですけれども、インテリマウス・エクスプローラ。林さんが現地から送ってくれた写真ぐらいしか見たことがなんですけれど、出来はどん感じですか?」

林「ちゃんと動いていましたよ。マイクロソフトの人は、はっきりと言ってくれなかったけれど、噂によると、“アレクサンドル・レビュー・モンダルチーニ”っていうイタリアのシェアウェア作家がいて、その人が書いた“USBオーバードライブ”っていうUSBの汎用ドライバーをMSが買い取ったらしい。それにMS独自のインテリマウス・エクスプローラ用のドライバーのインターフェース部分だけを書いてるっていう話があるんですよね。本当かどうかは定かでありませんが」

千葉 「マウスの色は1色だったんですか?」

林 「いや、あれは2種類。廉価版と、たしか2種類ありましたね。銀色のマウスしか写真に撮ってこなかったけれど、あともう1つ廉価版の、ベージュ色のマウスがありました」

千葉 「あのへんのマウスってフィッシュショップに行くと、吊るしで売ってますよね。そんな感じで売り出していくんですかね、やっぱり」

林 「どうするんでしょうね。実はあれ以外にも周辺機器はいっぱいあったんですけれど、写真撮ってくるの忘れちゃった。たとえば、MSのブースでミニスクリーンを使って、『オフィス』のデモンストレーションなんかをやってるじゃないですか。それをちゃんと最後まで聞いていた人には、抽選で『サイドワインダー』が当たるんですよ」

千葉 「へえー」

林 「つまり、USBドライバーを開発したか、あるいは改良だかしたおかげで、Macでも『サイドワインダー』が動くようになったらしい。そうするとMSのUSB製品関係って、全部クロスプラットフォーム対応になってしまうわけですね。もしかしたら、秋ぐらいのタイミングなのかな、WinとMac両方のドライバーをバンドルして提供するようなことになるかもしれないですね」

千葉 「そのほうがユーザーにとってはありがたいことですよね」

林信行(はやし・のぶゆき)。フリーランスコンピュータージャーナリストで、MACPOWER・MacPeople誌アドバイザー。両誌では海外ニュースのセレクションなども手がけ、過去9年間米国で開催したすべてのMacWorld EXPOに参加している
林信行(はやし・のぶゆき)。フリーランスコンピュータージャーナリストで、MACPOWER・MacPeople誌アドバイザー。両誌では海外ニュースのセレクションなども手がけ、過去9年間米国で開催したすべてのMacWorld EXPOに参加している



iMacのブレイクによってMacの周辺機器が売れ出した

千葉 「でも、これだけ周辺機器が売れているパソコンって、あまりないですよね。大宮のソフマップによく顔を出すんですけどね、そこは1階にいわゆるPCコーナーがダーンとでっかくあって、地下にMachintoshのコーナーが埋められてるんですけど(笑)、いつも常連さんが来ている。そこで、店員さんにいろいろな話を聞くと、iMacを買っていった人の半数ぐらいは、いわゆるケーブル類とか、電源とか、タップ類とか、全部を同じ色でそろえて買っていくっていう話なんですね。こんなに周辺機器やサプライが売れてるのは珍しい現象だって言ってました」

林 「本当にiMacの登場はパソコン業界全体にとっても、すごくいいニュースだった。パソコン不振って言われていたのが一気に回復したわけだしね」

千葉 「ですよね」

林 「うちはWindowsオンリーのメーカーだからって、いまだにドライバーを書いてないような周辺機器メーカーとかは、どうなってしまったかはわからないけれど(笑)、ほかの多数のメーカーがiMac用にUSB製品のドライバーを書いたということが、一気に市場を大きくした原因というか、大成功の要因になった。米国でもNECのスキャナーがジョブスの基調講演で紹介されたりしていたしね」

千葉 「イメーションなんかもね、けっこうプリンターが下火になっちゃって、もうだめなんじゃないかっていってたのが、すごく早くスーパーディスク出してきて、株が上がったじゃないですか。あれも、そういう決断でしょうね。今度、MSと提携してなんかやるっていう話ですよ」

いまいち元気がないMacソフト。盛り上がりに期待

林 「次はやっぱりソフトですよね。iMacの登場でMacOSのユーザーが増えてきていて、勢いのある市場になってきたにもかかわらず、ソフトのほうは、なかなか盛り上がらないですね。米国のほうは、今回のMac EXPOで、けっこう新作ソフトが売れていたんです。いままで、ぼくがMac用ソフトで足りないなと思ってたのはPIMソフトとか、昔の名作のソフト。米国はとにかく、どうも日本のソフト開発はまだ勢いがないですよね」

千葉 「そうですよね。PIMといえばパームのオーガナイザー、もともとクラリスのマネージャーだったやつ。なんかスケルトンを出すって話があるの知っています? もう発表になったと思うんですよ。まだ、パームのサイトにも載っていないんですよね。これをちょっとぜひ見たいなと。たぶんMac用に作っているわけでしょ。ひょっとしたらパームオーガナイザーにシンクロするものがMac用に書かれている可能性がありますよね。そのへんが楽しみだな。結局、アップルが出さないで、パームで出すっていう話になっちゃうのかもしれないですけどね」

林 「このエキスポの直前もね、パームとアップルが提携しているなんて噂がありましたよね。でも、ジョブスって、去年5月にiMacを発表したときから製品ラインを4つに絞っていて、本当にそのとき発表した戦略から外れたことは1つもやってない。今回の基調講演が終わったあと、プレスの質疑応答のところで、“いずれ余裕があったら第5の製品を作ることも開始していくかもしれないけれど、いまはまだ4つの製品にかけるだけでも十分やることがある”と言っていた。だからアップルはきっと出すことはないですね」

千葉 「それでパームが出すことになったんでしょうね。でも、4つそろって戦略のマスが埋まったんで、ぼくは次の展開を早く聞きたいと思っているんですけどね。iMac2が出る可能性があるなんて話も聞きますしね。あとPowerBookの製品ラインがどうなっていくのか、PowerMacのラインもどうなっていくのか? というのが気になるところです」

林 「iMacって四半期に1回、3ヵ月に1回ぐらいのペースで、売上げが落ちそうになるとスマートローンを始めたりと、ちょっとスピードアップしたりしていますよね。もしかしたらクリスマス商戦があるんで、iMac2を出すとしたら今年のクリスマス商戦の前、秋ごろぐらいに1回、ドバッと見てわかるような大幅な変更を行なうかもしれない。でも、Power MacG3とかPowerBookG3とか、しばらくG4ぐらいまでは、ちょっとした変更しかないんでしょうね。この4つのハードが、本格的に次世代機として変わるとしたら、きっとMacOSXが出てからということになると思います」

新しいエミュレーターのあり方を模索している『バーチャルPC』

千葉 「さっきちょっとUSBの話が出たので、それに関連する『バーチャルPC』の話をしてみたいんですが。リリースを読んだり、林さんのレポートを読んでみて、何となくわかったんだけど、Windows側のドライバーの機器でも、その……」

林 「USBにつなげるという。だから、Macに対応していないUSB機器でも使える可能性が大きいですよね。ただ、1つ問題っていうか注意しなくちゃいけない点があって、Mac環境かWindows環境のどちらか一方でしか、USB機器が使えないっていうことなんです」

千葉 「ああ、そうか」

林 「とりあえずスーパーディスクを、バーチャルPCのWindows上で使って読んだりしていると、Macのほうでは、その間は使えない。でもね、バーチャルPC3.0は本当に面白い製品に仕上がっていますよ。いままでエミュレーターって、とにかくスピードが遅かった。CPUが遅かったっていう原因もあるんだけれど、とにかくスピードを速くして少しでも本物のWindowsの速さに近づけようとしていた。本当に、追求してたのってそこだけだったんですよね。Mac環境とWindows環境の間でのファイルのやり取りをちょっと改良したりとか、そういうことはあったけれど、Windowsを動かそうとするだけの、ただのエミュレーターでしかなかったんですよ。

 ところが、今度登場するのバーチャルPCは、まったく新しいエミュレーターのあり方をけっこう模索しているようなんですね。下手したらWindowsマシンよりも使いやすいWindowsマシンが出来るんです(笑)。HDDの容量が十分あって、仮想HDD、この仮想HDDにはWindowsNTが入っている、こっちにはLinuxが入っている、こっちにはWindows98が入っている。そうしたら、いろいろな作業をそれぞれでしておいて、この状態でパッとメモリー状態を保存しておいて、瞬時に切り替えてしまう。2、3秒あれば、あっという間にブーティングできちゃいますから」

千葉 「なるほど。そんなに早く切り替わる」

林 「バーチャルPCって、もともとラムダブラーで作ったメモリー圧縮機能を使っているので、すごいメモリーの復元が速いんですよ。その技術を使っているので、パッパッってすぐに切り替わってくれる。G3搭載マシンの表示関係は、あいかわらず遅いですけども、ビジネスアプリケーションなんかなら、うまく使えますもんね。あと、もう1つ面白いのはアップルスクリプトでWindowsを操作できるようになった点がある」

千葉 「それ、リリースに書いてなくてね、ちょっとよくわからなかったんです。どういうことをやっているのですか?」

林 「アップルスクリプトの編集プログラムを起動すると、記録っていうボタンがありますよね。あれを押して、たとえばバーチャルPCで作業しているとしますよね。するとキー入力とか、全部記録されちゃうんですよ」

千葉 「バーチャルPC上の作業が記録できるってことですか」

林 「Windowsだったらほとんどの作業がキーボードで操作できますよね。たとえば、スタートメニューからカーソルキーを使ってメモ帳を起動して、そこになんかタイプするなんていう操作をアップルスクリプトで記録するんです。そこで、再生してやると、プログラム状態で作業できちゃう。ただ、最初のスピードがちょっと遅いんで、たとえばアクションゲームをやっている模様を記録して、まったく同じプレーを再現するというようなことまではできないですけれど」

千葉 「でも、通常のビジネスアプリを扱うぐらいだったら、支障がない」

林 「ないですよ」

千葉 「それ、面白いですね」

林 「実際にどういった使い方ができるかっていうのは、まだわからないですけども。いままで、ソフトウィンドウズはアップルスクリプト対応だったんですよ、でもね、本当に、ただ対応してるってだけで、基本的な命令しかなかった。だから、あれを使ってね、面白いチップスみたいなのを編み出すことを考えていたんですけど、どうやってもできなかった。だけど、今度はちょっと面白いことができるかもしれないですね」

千葉 「ひょっとしたら、新しいビジネスの展開があるかもしれないですね」

林 「本当に、さきほど言ったように、下手したら本当に新バージョンのバーチャルPCはWindowsマシンよりも便利になるかもしれないですよね。今回、バーチャルPCの開発者にインタビューして、たくさん聞きたいことがあったんですけどね、時間がなくてインタビューできなかっのが残念だった」

<hdr>IEの新バージョンとシャーロック2を連携させれば……</hdr>

千葉 「あと、マイクロソフトの製品ですよね。まあワードはいいとしても、アウトルックとIEはどんな感じでした? IEはもう出したんですか」

林 「IEは発売は秋ごろで、アウトルックはちゃんとブースを用意してデモをしていたんですよね。でもIEなんかは、1日に何回もデモをやってたらしいですね。どうしても時間がなくて見れなかったんですけど、MSの担当者の人といろいろと話してきたら、今度“タスマニアン”とかっていう新しいレンダリングエンジンを搭載するらしくて、でも詳細は教えてくれないんですよ(笑)」

千葉 「エンジンを搭載しているって、それだけですか(笑)」

林 「そうそう。それがどういうふうにされるのかは、まったくわからないけれど。プレスリリースでは、オークション系のサイトなどを扱いやすくするできるとかって書いてありましたけど」

千葉 「イマイチねらいがよくわからないですね」

林 「ただ、米国ってEメールの大ヒット以来、オークション系のサイトがすごく面白くなっていますよね。日本でも最近になってオークション系の面白さが言われているけど、オークションっていうと昔はね、すごくマニアックなコレクターズ相手の、高いものを扱うことにになっていたんだけど」

千葉 「そうですね、一部の人のためのって感じがありましたよね」

林 「最近のオークションって、1つのフリーマーケットですもんね。で、ちょっと話が戻っちゃうんですけど、シャーロック2にしても、狙いはオークション系サイトにあるんだからね」

千葉 「なるほど」

林 「ここらへんでオークション系サイトと連携ができるって、これから、今年の後半にかけてのインターネット製品の、新しいトレンドの1つとして出てくるんじゃないかな。シャーロック2の何がすごいかっていうと、ショッピングカートのアイコンがあって、そこをクリックして、自分が何がほしいかわからないけれど、デジカメでも、あるいは野球のベースボールカードがほしいとか、それをタイプすると、バーッといろいろなオークションサイトの値段一覧が出てくるんですよ。

あるいはオークションサイト以外でも、ショッピング系サイトでベイブルースならベイブルースのものがいくらで売られているとか、そういうのがバーッと出てきて選べるわけです。ジョン・レノンだったらジョン・レノン関係のグッズがあって5万円ぐらいのものだったらコレクターズアイテムなら買いだと思ったら、シャーロック2の検索結果一覧から5万円ぐらいの何が面白いっかっていう一覧が出てきて選べるんですよね」

千葉 「じゃあ、ひょっとしたら、IEの新バージョンとシャーロック2を……」

林 「もしかしたら、うまく連携させると」

千葉 「いまのバージョンもシャーロックが入っていますよね。シャーロックを起動するボタンがついている。そのさらなる展開があるかもしれないですね。ひょっとしたら、そこらへんはまだ話しあっていないってことかもしれない。アップルもそうですが、マイクロソフトも、できていないものは言わない主義じゃないですか」

林 「あとまあ、IE5に関しては、日本とかでも2月のMacEXPO東京に、ちょっとだけデモしてましたよね。フリガナとか表示できるとか」

千葉 「ありましたよね。あれは、たしかに便利ですよね。でも、確実なところが出てくるんですかね、それがちょっとわからない。あのときのデモはOSに入ってるやつでしたよね」

林 「そうなんでしょうね。もしかしたらMSのほうはMSのほうで独自に開発しているのかもしれないですよね。アップルのOS技術でフリガナとか表示したりとか、日本語解析の部分って、テキスト・エンコーディング・コンバーターとか、ランラゲージ・アナリシス・マネージャー、あそこらへんってすごい機能的に面白いものがある。開発者もどんどん使ってほしいんですけど、みんな使わないんですよ。開発者独自の、自分のところの解析エンジンみたいなものを使っている。もっと、開発者が手を出してくれると面白くなりそうなんですけどね」

千葉英寿(ちば・ひでとし)。編集者・フリーライター。大学卒業後、書店店員を経て、DTP業界紙の編集責任者として活動後、フリーランスとなる。現在、ASCII「24(アスキー)、JIJI「NEWS「Watch(インプレス)などのデジタルメディアおいて執筆中
千葉英寿(ちば・ひでとし)。編集者・フリーライター。大学卒業後、書店店員を経て、DTP業界紙の編集責任者として活動後、フリーランスとなる。現在、ASCII「24(アスキー)、JIJI「NEWS「Watch(インプレス)などのデジタルメディアおいて執筆中



マガジンハウスなどのiMac導入例

千葉 「いまのところ、iMacを企業で大量導入している例って、あんまり聞かないじゃないですか。先日、別件でマガジンハウスに行って来たんですよ。あそこにマルチメディア研究室っていう部署がありまして、要するにマグネットってサイトをやっている部署なんですね。サイトをやりつつマガジンハウスの社内のDTPのコントロールをやっているんですよ。そこはあまり広くない空間なんですけども、iMacが20台ぐらいドーッと積んである。“これ、なんですか”って聞いたら、“これ『Hanako』の編集部に入れるやつ”って。“導入するパソコンってiMacなんですか? ”って聞いたら、“基本はiMacで、どうしてもという要望があればWindows マシンも考えますけれど、iMacを全部入れてもらうことになってる、色は一応選べる”という話なんですよ。だから今度、『Hanako』の編集部は壮観らしいですよ、ダーッてiMacが並んでいるって話ですからね(笑)」

林 「企業ではなかなか入れないですよね。去年、5月にiMacが発表されてから8月に実際に発表が開始されるまでの間に、1回だけ、いわゆるISマネージャーっていう人たちの集まりがあって、そこでアップルのVB、だれだったかな? リッチマン・リーフかなんかが講演したんです。もともと小さいコンファレンスだったんですけど、その半分以上の会社がアップルが出るっていうことで参加の予約をした。

実際に予約できた会社は、フォーチュンのファイブハンドレッドに入るような会社に対してコンサルティングを行なっているような会社だった。やっぱり、ネットワークパソコンとして考えれば、iMacがあの値段というのはすごい安いんじゃないかっていうことで、注目していたらしいですね。だから、米国だとまだアクションが起きているのかいないのかわからないけれど、注目している会社は大企業でも注目していると思いますよ。特にMacOSXサーバーが出てきて、ネットクルーズができるようになってから、すごいTCO削減にも役立つっていうか、集中管理がしやすくなったじゃないですか」
  

千葉 「さっき言ったマガジンハウスのほかのネットワーク管理者が言っていたのは、本当はiMacを入れてやりたいんだけど、中にいろいろと混在させる場合に、ウィンドウズマシンに100baseのLANボードを積むのは、お金がすごいかかるって話なんですよ。なおかつ100base用のハブってまだ高いじゃないですか。だからせっかくiMacが100baseになっても、実は本当はもっと先に進んでなきゃいけないところが進んでいないがために、導入できないっていう。ウィンドウズの環境か100baseに移行したら、ハブが多少高くても買っちゃって、iMacを大量導入して、新たに見直したいなんて話をしていて。あとは会社の予算が下りるかどうかだけなんて言ってましたけどね。

林 「面白いのは玉川学園かなんかがね」

千葉 「あそこはね」

林 「パワーMacG3なんか、うらやましいぐらい大量導入してね、OSXサーバーでネットクルーズができるような環境を作ってるみたいですね」

千葉 「あの、iMacが出たときだと思うけど、リクルート・コンピューター・パブリッシングの方が見て来られて、その人にインタビューしたんですよ。その担当者に聞いたら、実は会社の中も、印刷系の会社ですから、みんなMacやるわけですよ。MacはMacなんだけど、PowerPCの古い世代のマシンなんで、やっぱりちょっとパフォーマンスに問題があると。ただ、制作部門のほうはちゃんとG3マシンを入れてきて、大丈夫なんだけど、一般の事務系の、総務系とかは遅いマシンで、場合によっては68系のマシンを使っているようなところもあると。そこで、ぜひここは一新して全部iMacで統一したいみたいななんてことを言ってたんですよ。今期は無理なんで、来期、来期難しかったらその次の期とかと言ってましたから。

ひょっとしたら、そろそろ導入の計画が立っているか、導入したかっていう話になってるんじゃないかと思うんですよね。そういう企業事例が出てくるとインパクトあるんですけどね。やっぱり、どうも雑誌やなんか見てても、OLさん、たとえば会社はWindowsでも、うちに帰ったらiMacなのよっていうケースがけっこうあるじゃないですか。そういう事例があると、やっぱりiMacは企業で扱えないのかなっていうイメージが出てきちゃうんで。そこをちょっとうまく、iMac導入のモデルケースを引っ張ってきて紹介すればいいのになーとは思いますけどね」

林 「あと、やっぱりアップルはね、いまiMacに飛びついてきた、新しく、初めて買った人たちが、どうやって彼らに次のiMacとかパワーMacG3とかを買わせるかとか、そこらへんが気になりますよね」

千葉 「確かに気になるところですね」

(Vol.3に続く)

【関連記事】【夏季特別企画 Mac対談 Vol.1】「世間のニーズを吸い取って、緻密な計画のもとに仕様を変えていっている」
http://www.ascii.co.jp/ascii24/call.cgi?file=issue/1999/
0811/topi01.html

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