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日本AMD、『AMD Athlonプロセッサ』を正式発表――650MHz版の価格は11万370円

1999年08月10日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之

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『AMD Athlonプロセッサ』のアジア・太平洋地域向けバージョン。ロゴが米国・欧州のものとは異なる 『AMD Athlonプロセッサ』のアジア・太平洋地域向けバージョン。ロゴが米国・欧州のものとは異なる



日本AMD(株)は10日、東京・新宿区のホテルで『AMD Athlon(アスロン)プロセッサ』の記者発表会を開催した。AMD Athlonのクロックラインアップは昨日の米国同様、500MHzから50MHz刻みで650MHzまでの4つ。650MHz版の1000個ロット時の価格は11万370円で、今後リテールパッケージの販売も予定している。AMD Athlon搭載のショップブランドパソコンが17日に出荷される。

AMD Athlonの各周波数製品の1000個ロット時の価格は、500MHzが3万2370円、550MHzが5万8370円、600MHzが7万9950円、650MHzが11万370円となっている。同時に発表されたAMD Athlon用チップセット『AMD-750チップセット』の価格は明らかにされなかった。

日本AMDの吉澤取締役
日本AMDの吉澤取締役



最初に挨拶した日本AMDの吉澤俊介取締役は、まず“Athlon”という名前について、「造語なのでそれ自体に意味はないが、“速い”、“競争”、“アスリート”などといったイメージを持たせたかった」「競争によって、技術も発達するし、エンドユーザーは得をする、そういうことを願ってAthlonという名前にした」と述べた。

吉澤氏は続けて、「米国の半導体市場における、売上金額ベースのシェアでは、インテル1社で50パーセントを占め、残りのモトローラ、テキサス・インスツルメンツ、IBM、ルーセント・テクノロジー、AMDの5社が束になって、やっと対抗できる状況」「この5社のうち、次世代プロセッサーを開発できる技術や工場を持つなど、インテルに対抗できる条件を備えているのはAMDしかない」、「パソコンハードウェアベンダーの上位10社のうち、9社がAMDのプロセッサーを採用しているが、ここまでになるのに大変苦労した」、「これらのパソコンベンダーが販売しているK6-2-IIIパソコンの延長にAthlon製品が入る」と、パソコン市場にかけるAMDの意気込みを見せた。

日本AMD、北アジアCPGマーケティング部リージョナル・マーケティング・マネジャーのサム・ローガン氏
日本AMD、北アジアCPGマーケティング部リージョナル・マーケティング・マネジャーのサム・ローガン氏



続いてAMD Athlonの説明をした、日本AMD、北アジアCPGマーケティング部リージョナル・マーケティング・マネジャーのサム・ローガン(Samuel Rogan)氏は、「AMDは2001年に台数ベースで3割のシェアを目指し」、「新しいブランド戦略を始める」と述べた。この新しいブランド戦略の核はもちろんAMD Athlonで、今後サーバーやワークステーション向けに『AMD Athlon Ultra』、ハイパフォーマンスパソコン向けに『AMD Athlon Professional』、バリューパソコン向けに『AMD Athlon Select』というラインアップに広げる予定であることを明らかにした。今回のAMD Athlonは(将来は)ミドルクラスパソコン向けという位置付けになる。また、それぞれのプロセッサーは、2次キャッシュ容量やマルチプロセッサーへの対応などで差別化していく予定という。

質疑応答の際、記者から、「なぜAMDはこんなにがんばっているのに赤字なのか」という質問が出たが、これには「ユーザーはプロセッサーのパフォーマンスをクロック周波数で判断しているというのが誤算だった。同じクロックでより速いプロセッサーという戦略は誤りだった」、「価格の低下が予想以上に早かった」と述べた上で、「AMD AthlonはCeleron対抗ではなく、上のクラスから攻める商品で、勝算はある」と、AthlonはK6-2やK6-IIIとは違う点を強調した。

AMD Athlon-600MHz(左)とPentium III-600MHz(右)を搭載したマシンで行なわれたデモの結果。(左の結果は204秒、右は229秒)
AMD Athlon-600MHz(左)とPentium III-600MHz(右)を搭載したマシンで行なわれたデモの結果。(左の結果は204秒、右は229秒)



発表会では、マザーボードとCPU以外を同一の条件とした2台のAMD AthlonパソコンとPentium IIIパソコンで、さまざまなベンチマークテストを連続して行なうデモンストレーションが行なわれた。動作クロック600MHz同士での比較だったが、AMD Athlonが当初から差を広げ始め、トータルの秒数ではAMD Athlon搭載パソコンが204秒、Pentium III搭載パソコンが229秒という結果であった。

また、AMD Athlon搭載製品については、大手メーカーからは今月中に発表ないし出荷されるということが発表されたが、ショップブランドなどからは600MHz版のAMD Athlon搭載機が17日から発売/出荷されることも紹介された。AMD Athlon搭載パソコン出荷予定のショップはアプライド(株)、(株)サードウェーブ(DOS/V パラダイス)、(株)フリーウェイ(TWO TOP)、九十九電気(株)、(株)ソフマップとなっている。そのほか、マイクロテック(株)と旭硝子(株)から、AMD Athlon対応のケース、マザーボード、電源、ヒートシンクがセットになった組み立てキットが同じく17日に発売予定となっている。

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