このページの本文へ

マルチメディア時代の“バウハウス”――ICC、“デジタル・バウハウス――新世紀の教育と創造のヴィジョン”展を開催

1999年08月06日 00時00分更新

文● 編集部 寺林暖

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

(株)NTT東日本が運営するミュージアム・NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)は6日、初台の東京オペラシティタワー4、5階にて、“デジタル・バウハウス――新世紀の教育と創造のヴィジョン”展を開催。会期は9月19日まで。期間中はメディアやネットワークによる情報空間の統合をテーマとした内外の教育機関の作品が展示され、シンポジウムやパフォーマンスも行なわれる。入場料は常設展示共通で一般800円、大学生と高校生が600円、中学生と小学生は400円。開演時間は午前10時から午後6時(金曜日のみ午後9時)。

展示会場入口
展示会場入口



今回の展覧会は1919年にドイツで生まれた造形芸術の学校“バウハウス”がモデル。当時のバウハウスは建築(バウ)による全芸術の統合や産業と芸術の融合を目指し、デザイン、建築で数多くの創造的成果を生み出した。“デジタル・バウハウス”は現代のメディアやネットワークによる情報空間を活用・統合し、新しい教育と創造活動の在り方を探ることが目的だという。展示は“機関紹介・作品展示”と“ICCデジタル・バウハウス”の2つ。

“機関紹介・作品展示”は、“科学技術と芸術文化の融合”をテーマに、内外の教育機関4校による作品をギャラリーで紹介している。

入り口付近ではパソコンを用いたマルチメディア作品を展示。フランスのル・フレノア国立現代芸術スタジオの”ジャン・ジャック・ルソーの時間”は、ルソーのテキストと映像をマウス操作で自由に変えることができるCD-ROMコンテンツ。日本の大阪にあるインターメディウム研究所からは、”ネットワークプラネットアンサンブル/ヨハネス・ケプラー~ハルモニカ・ムンディ(宇宙の和声)~”。ドラッグやクリック操作により、インターネットサーバー上の仮想宇宙空間内で音をかなでるというものだ。

マルチメディア作品を体験できるコーナーは人気があった
マルチメディア作品を体験できるコーナーは人気があった



ギャラリー内部は各教育機関別の展示。ドイツのケルン・メディア芸術大学は複数のプラズマ・ディスプレーによるメディアアート”セブン・フィールズ・オブ・エネルギー”のほか、”トランスヴァーサー”を出展。これはスライドから放射される光の前に立つと、スクリーンにデフォルメされた自分の映像が映し出されるというインスタレーション。

”トランスヴァーサー”でスクリーンに表示された状態
”トランスヴァーサー”でスクリーンに表示された状態



”ベター・リヴィング・スルー・リモート・アクセス”はル・フレノアからの出展だ。巨大な2つのスクリーンにそれぞれインターネットからサンプリングされた映像とテキストが映し出され、その間を大きなゴムボールがレールを伝って行き交うという作品である。

トニー・ブラウン(Tonny Brown)作”ベター・リヴィング・スルー・リモート・アクセス”
トニー・ブラウン(Tonny Brown)作”ベター・リヴィング・スルー・リモート・アクセス”



日本では、岐阜県県立の教育機関である国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)が”Period of Time”(設置されたジョイスティックを操作することで、さまざまな時間スケールの現象が体験できるシュミレーター)を出展した。ほか、インターメディウム研究所もインスタレーションを出展している。

“ICCデジタル・バウハウス”は各教育機関と連動したシンポジウム、アーティストトーク、ワークショップなどのイベント。8月6日は出展作品の作者アラン・フレシェール(Alain Fleischer)と、今回の企画を監修した美術史家の伊藤俊治氏を講師に迎えたシンポジウム、7日はル・フレノアの客員アーティストであるトニー・ブラウン(Tony Brown)氏、IAMASの関口敦仁氏参加のアーティストトークが予定されているが、その模様は後日当サイトにて詳しくお伝えする。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン