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サン、プロバイダー向けの薄型サーバーを発表――ビジネス戦略も新たに公開

1999年08月04日 00時00分更新

文● 編集部 寺林暖

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サン・マイクロシステムズ(株)は、サービスプロバイダー向けのビジネス戦略”ServiceProvider.com”についての発表を行なった。また同時に、各種サービスプロバイダー向けのサーバー製品『Netra tシリーズ』の新モデル『Netra t1 Model 105』を発表した。Netra t1 Model 105は筐体の高さを1U(約4.5cm)に抑えた薄型タイプのサーバー。UltraSPARC-IIi-360 MHzまたは同440MHzを搭載し、価格は360MHzモデルが98万8000円、440MHzモデルが185万9000円となっている。対応OSはSolaris7/2.6。発売は、今年9月中旬の予定となっている。

都内のホテルで行なわれた発表会では、同社の代表取締役社長である菅原敏明氏が、最近のインターネット業界について触れ、「ここ数年のインターネット技術はめざましく発展しており、今やアメリカでは通信量においてデータ通信が音声通信を上回っている」と語り、アプリケーションソフトウェアやネットワークサービスなどコンピューターを利用した各種サービスが、ネットワーク上で爆発的に増えている現状を指摘した。



サンはこのような“.comビジネスの拡大”に対応するべく“ServiceProvider.com”戦略を推進するという。すでに市場で重要な役割を担っているインターネットサービスプロバイダーを含めて、今後生まれていく様々な新しい情報サービスのプロバイダーを、ナビゲーション、ネットビジネス、アプリケーション、サーバー、セキュリティーの各方面から支援していく方針だという。

プロバイダー向けビジネス戦略“ServiceProvider.com

戦略

続いて、製品事業統括本部長の細井洋一氏が、サンのサービスプロバイダー向けビジネス戦略である“ServiceProvider.com”戦略について説明した。サンはその創立当初から、「“Open Systems for Open Minds”の理念で様々なユーザーに製品を利用してもらうべく、オープンスタンダードにして普及を促す姿勢を貫いており、ネットワークに特化した製品づくりには責任と自負がある」という。また、「‘99年現在、ポルシェから冷蔵庫にまで形を変えた様々なデバイスから、インターネットサービスプロバイダーにアクセスすることが可能となっている」とし、インターネット上でサービスを運営するための堅牢なシステムがこれまで以上に必要とされることを強調した。

 ・NSP(ネットワーク・サービス・プロバイダー) ・ISP(インターネット・サービス・プロバイダー) ・Portal(ポータル・サービス・プロバイダー) ・CSP(コマース・サービス・プロバイダー) ・IPP(インターネット・プレゼンス・プロバイダー) ・ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)
・NSP(ネットワーク・サービス・プロバイダー) ・ISP(インターネット・サービス・プロバイダー) ・Portal(ポータル・サービス・プロバイダー) ・CSP(コマース・サービス・プロバイダー) ・IPP(インターネット・プレゼンス・プロバイダー) ・ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)



そして山本氏は、これらサービスプロバイダーはいずれ、すべてのサービスを提供するFSP(フル・サービス・プロバイダー)へ発展していくと睨んでいると述べた。“Netra”ファミリーは、その中でインフラストラクチャーとして使われるようなハードウェアプラットフォームを狙った製品であるという。

ユーザーの声を反映したローエンド薄型サーバー

ローエンド薄型サーバー『Netra t1 Model 105』
ローエンド薄型サーバー『Netra t1 Model 105』



特製ラックに積み重ねて格納した状態
特製ラックに積み重ねて格納した状態



続いて山本氏は、ローエンド薄型サーバー『Netra t1 Model 105』の説明を行なった。山本氏によると、今回の新製品開発に際しては、サービスプロバイダーから寄せられていた“限られた面積になるべく多くのホストを設置したい”“HDDはSCSIインターフェースでホットプラグ対応のものが2台欲しい”などの声を最大限考慮したという。そのためNetra t1 Model 105は高さをEIA標準ラックの最小 調整単位である1U(1.75インチ=4.5cm)に抑えている。同モデルでは新機能として、“Lights-Out Management(LOM)”が組み込まれている。これは、シリアルポート経由の電源オン・オフを可能にするほか、自動サーバー再起動機能や内部温度の状態監視機能など、内部の状況をより正確にモニタリングできるというもの。

Netra t1 Model 105を手に持って説明する山本製品事業統括本部部長
Netra t1 Model 105を手に持って説明する山本製品事業統括本部部長



最後に山本氏は、「今回のNetra t1 Model 105以外にも、サンマイクロシステムズは2Uまたは4Uという仕様で、さらに高密度かつ管理・操作・運営すべてにおいて容易にするモデルを予定している」と語った。

最後に、常務取締役統括本部長の長井正利氏が、サンのサービスプロバイダー向け基本戦略を説明した。それによるとサンは7月1日付で、フィールド営業統括本部内に“xSP営業統括本部”を新設。あらゆるサービスプロバイダーに対しハード・ソフト・各種サポートおよびサービスの提供を積極的に行なっていくという。さらに、技術推進本部内に営業支援を行なう専属のSE部隊を設置するなど、「今回発表したNetra t1 Model 105を含めたSPARC/Solaris製品をベースとした“ServiceProvider.com”戦略により、サービスプロバイダーへのビジネス活動をより一層充実させていく」と述べ、フルサービスプロバイダー(FSP)への移行をサポートする姿勢を強調した。

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