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三菱電機がカラー版の人工網膜LSIを発表

1999年07月29日 00時00分更新

文● 浅野純一

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三菱電機(株)は28日、同社が開発した人工網膜LSIのカラー版『M64270P』を発表した。人工網膜LSIは、CMOSイメージセンサーと画像処理回路をワンチップしたシステムLSI。画像の検出とその特徴を抽出する処理を同時に行なっている人間の網膜と同じ機能を持つチップであることからこう呼ばれている。通常のCCDやCMOSイメージセンサーが画像の検出だけを行ない、特徴抽出や認識処理を外付けの画像処理プロセッサで行なっているのに対し、人工網膜LSIは前述のとおりチップ上で特徴抽出までを行なうため、回路を簡素化、小型化できるだけでなく、高速処理、単一電源(CCDなどでは複数電圧が必要)、低消費電力などのメリットがある。

発表された人工網膜LSI『M64270P』。チップ上面にはイメージセンサー面を守るガラスがある
発表された人工網膜LSI『M64270P』。チップ上面にはイメージセンサー面を守るガラスがある



ワンチップ化された画像処理機能は、画像検出やエッジ検出、解像度可変、パターンマッチング、ランダムアクセス(任意位置のズーム)など。入力した光信号に対して、それぞれに画像処理に合わせた機能選択信号を掛け合わせるアナログ的な処理で実現している。

カラー版の出力画面。画素数は少ないが認識用としては十分
カラー版の出力画面。画素数は少ないが認識用としては十分



人工網膜LSIは同社が取り組んできた光ニューロチップ研究の延長上にある製品で、CMOSイメージセンサーでとらえた光を、電気信号で制御する点で一種の光コンピューティングと呼ぶこともできる。'98年1月から32×32画素や128×128画素のチップが製品化されており、たとえば任天堂の携帯ゲーム機『ゲームボーイ』用のポケットカメラや、携帯電話のツーカーグループが発売する携帯電話で撮影、画像を送信する製品『ラポッシェ』、綜合警備保障の警備用センサー、駐車場管理システムなどに採用されている。

モノクロ版が採用されたゲームボーイ用のポケットカメラと携帯電話用カメラ
モノクロ版が採用されたゲームボーイ用のポケットカメラと携帯電話用カメラ



プレイヤーの動きを人工網膜LSIを使ったカメラで撮影、その動きを同チップ上で抽出してスポーツゲームに入力している
プレイヤーの動きを人工網膜LSIを使ったカメラで撮影、その動きを同チップ上で抽出してスポーツゲームに入力している



綜合警備保障の警備用複合センサー。従来赤外線だけで熱に反応していたセンサーに人工網膜LSIの目を持たせたもの。熱と形、動きで侵入者を検知する仕組み
綜合警備保障の警備用複合センサー。従来赤外線だけで熱に反応していたセンサーに人工網膜LSIの目を持たせたもの。熱と形、動きで侵入者を検知する仕組み



今回発表されたのは人工網膜LSIのカラー対応版『M64270P』で、画素数は160×144。カラー化によりRGB3つ分に画素が増えたわけだが、消費電力は35mWとモノクロ版並みにおさえてあるほか、色調補正やガンマ補正、8bitAD変換回路などをチップ上に集積したことで、さらにコンパクトなシステム化が可能になっている。また、SN比も60dB以上の高画質を達成している。フレームレートは毎秒15フレームだ。

会場ではモノクロ版とカラー版の人工網膜LSIの特徴を紹介するための、ゲームの入力装置に使ったデモや、実際のカラー画質を表示するデモを行なった。

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