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日本IBM、オープン・ストレージ・システム『エンタープライズ・ストーレッジ・サーバー(ESS)』を発表

1999年07月28日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之

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日本アイ・ビー・エム(株)は、SAN(Storage Area Network)に対応したオープン・ストレージ・システム『エンタープライズ・ストーレッジ・サーバー(ESS)』を発表した。HDDや磁気テープといった記憶装置のクロス・プラットフォームへの接続を可能にするほか、データの共用や記憶システムの一元管理を行なうという。価格は6199万1400円からとなっている。9月24日に出荷予定。

*SAN(Strage Area Network):複数のサーバーと複数の記憶装置の間の接続とデータの共有を目的とし、ファイバーチャネル網を基盤とした、ネットワーク化された記憶装置のコンセプト

日本IBMでは今回の製品から、オープンストレージ市場への本格的な参入を開始するとしている。ESSの価格は、従来製品である『RAMACシリーズ』(『S/390』対応のストレージシステム)と比較し、最安値で5分の1という低価格に設定した。国内の販売は日本IBMの代理店に加え、新日鉄情報通信システム(株)(ENICOM)でも販売を行なう。

日本IBMのストーレッジシステムズ製品事業部長永松励氏
日本IBMのストーレッジシステムズ製品事業部長永松励氏



今回発表されたESSは、RISC型の4-waySMPプロセッサーを2個内蔵する。業界標準のESCON、UltraSCSI、ファイバーチャネルによる接続が可能で、『S/390』、『AS/400』、『RS/6000』をはじめとした各種のUNIXサーバーシステム、Windows NTサーバーシステム、Netwareサーバーシステムをサポートする。

“FlashCopy”と呼ばれる高速データコピー機能を備えており、バックアップ時間が大幅に短縮されたという。記憶容量は420GBから11TB(テラバイト)まで16種類の構成があり、RAID5をはじめとしたハードウェアレベルでの冗長化が図られている。

ネットワーク接続された記憶装置をウェブブラウザーで遠隔地から集中管理するソフトウェア、『StorWatch』を標準装備する。オプションで、複数のESSを管理可能なソフトウェア『IBM Store Watch ESSエキスパート』(325万5000円)、磁気テープ制御装置『IBM 3590-A60』(482万8000から)も用意される。これらのオプションは9月24日に出荷予定。

また日本IBMは、今回の製品発表にあわせてSANへの対応計画も明らかにした。同社は、他社製品を含めたSAN上での稼動検証やテストを行なう“SANオープン・ストーレッジ・コンピテンス・センター”を幕張事業所内に設立したと発表した。

SANへの対応計画によると、'99年後期中に今回のESSのほかに、ファイバー・チャネル網上において記憶装置とのデータ交換を制御する“SANスイッチ”と呼ばれる製品を発表する。また、2000年中には、記憶装置からLANを経由せずにデータのバックアップを行なう“LANフリーバックアップ”、“サーバーレスバックアップ”といったバックアップ方式を、SANを利用することで可能になるようにするとしている。

日本IBM理事・システム製品事業担当の上口幸生氏
日本IBM理事・システム製品事業担当の上口幸生氏

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