(株)ジャストシステムと(株)帝人システムテクノロジーは28日、企業向けの文書管理システム分野で提携し、文書管理システム『MyCocept』を共同で開発したことを発表した。
帝人システムテクノロジーの田口敦社長(左)とジャストシステムの浮川和宣社長 |
MyCoceptは、帝人システムテクノロジーが開発したネットワーク対応の高速全文検索ファイリングシステム『MyQuick』と、ジャストシステムの概念類似情報検索システム『ConceptBase
Search1000』を融合し、検索機能を強化した文書管理システム。
MyQuickは'93年に帝人システムテクノロジーが開発した企業向けの文書管理システムで、これまでに製造業、医療機関、サービス業、金融機関など、300社以上に導入されている。企業内の文書をデータベースとして蓄積し、これを各ネットワーククライアントからウェブブラウザーで検索するというもの。
MyCoceptは、完全一致型検索と提携項目検索に加えて、自然文検索が可能になっている。自然文検索とは、任意の自然文をキーワードに、類似した概念を持つ文章を検索するというもの。文書管理については、階層構造での一覧表示が可能。データベース内の文書を要約する機能も備え、各文書には画像や動画を添付して管理することもできる。
クライアント側の検索画面については、テンプレートファイルが用意されている。このファイル上のHTMLやJAVAスクリプトを修正することで、ユーザーによるカスタマイズが可能だ。
ジャストシステムの浮川和宣社長は、「今後のジャストシステムにおいて、中核となる技術はConceptBase
Searchだと考えている。'97年に発表した時から強調しているが、この技術をどんどん他社の技術と融合し、市場を拡大することを狙っている。今回の帝人システムテクノロジーとの提携は、大きなビジネスの第1歩と認識している。応用範囲は際限がない。さらに提携を広げることも考えている」と意欲を見せた。
帝人システムテクノロジーの田口敦社長は、「すでにMyQuickは、300社、2000サイト以上に納入している。ジャストシステムとの提携により、より強力な検索機能を備えた文書管理システムが開発できたと思う」とコメントした。
MyCoceptの価格は約180万円で、8月1日に販売活動を開始する。システムはクライアント/サーバー構成で、対応するサーバーOSはWindows
NT Server 4.0(SP3以上)、UNIX(HP-UX、Solaris、AIX)。クライアント側にはInternet
Explorer 3.0以上、またはNetscape Navigator 3.0以上が必要。
両社では今後、MyCoceptを文書管理システムとしてだけでなく、基幹業務アプリケーションへの応用についても提案していく方針だ。今後1年間で100本、およそ1億5000万円の売上を見込んでいる。