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“プロデューサーズ・ギルド・オブ・ジャパン”説明会--日本のデジタルコンテンツ業界を変える

1999年07月26日 00時00分更新

文● 編集部 綿貫晃

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かながわマルチメディア産業推進協議会(KM協)は21日、7月1日に設立された“プロデューサーズ・ギルド・オブ・ジャパン”(Producer's Guild of Japan:PGJ) について会員向けにセミナーを開催した。このセミナーは、PGJの設立主旨やシステム、具体的な活動内容などについて説明するもの。講師は、PGJの代表である竹内好氏が務めた。

PGJは、プロデューサーやディレクター、プロダクションデザイナーによるデジタルコンテンツのプロデュース業務と、デジタルコンテンツに関わる業界の健全な発展に寄与することを目的として設立された、事業共同組合。

また、KM協は、神奈川県におけるマルチメディア技術を使った事業の具体化を目指し、各種の活動を産学公共同で行っている協議会。

PGJの代表である竹内好氏
PGJの代表である竹内好氏



セミナーは、PGJの基本理念と組織形態、会員制度、業務、目標の4つのテーマで進められた。

PGJの基本理念と組織形態

まず、PGJの設立の背景についてから話は始まった。PGJの代表である竹内好氏は、「日本では、まだデジタルコンテンツ制作の仕事を安心して任せられる機構やシステムがない。デジタルコンテンツ業界自体が成熟しておらず、不明瞭で不安定な部分が多い。そこで、安定した秩序ある業界の構築と、制作のルール作りのためにPGJを設立した」と述べた。

これらの背景から、5つの基本理念が挙げられた。

・作品の質と信頼性を保障するプロジェクトの実現
・プロフェッショナルなスタッフによるコンテンツ制作
・リーズナブルで客観性のある制作コストの管理
・安心して制作を任せられる人材の確保
・マルチメディアやデジタルコンテンツの仕事における秩序とルール作り

PGJの組織は5つのディビジョンから構成されており、完全に切り分けるのではなく、複数のディビジョンが共同でプロジェクトを組むこともあるという。

ディビジョンは、動画などを担当する“インタラクティブ・ディビジョン”、出版などを担当する“デジタルパブリッシング・ディビジョン”、ウェブでニュース配信などを担当する“インフォメーションネットワーク・ディビジョン”、データベースなどを担当する“データベース・アーカイブ・ディビジョン”、そして総合的なウェブサイト構築を担当する“ネットワークビジネス・ディビジョン”の5つ。

PGJの会員制度

次に、PGJの会員制度の話へと進んだ。PGJは、正会員と準会員で構成され、それぞれ入会資格が必要であるという。正会員は、業界での経験・実績・力量をもつプロデューサーやディレクター、プロダクションデザイナーで、正会員2名以上の推薦が必要。準会員には、コンテンツ制作を行なうプロダクション会員と、PGJの支援・出資を行なう賛助会員があり、プロダクション会員は法人・個人の登録が可能で、正会員2名以上の推薦が必要である。

PGJが行なう業務

PGJが行なう業務は、「依頼された物件に対してプロデュース業務を行なう」ことであり、要請があれば制作チームを編成して制作や開発も行なうという。また、プランニング業務やコンサルティング業務も要請があれば検討する。プロデュース費は、原則的に依頼物件の総制作費の13パーセントとなっている。制作費は、作業項目ごとに設定した単価に基づいて、計算を行なうという。竹内氏は制作費について、「通常、デジタルコンテンツ業界で制作費をこのように計算することはない。このシステムで、制作コストの不明瞭さを無くすことができる」とコメントした。

PGJの目標について熱く語る竹内好氏
PGJの目標について熱く語る竹内好氏



PGJの目標

最後に、PGJの目標についての話へと進んだ。竹内氏は、「PGJは、会員から仕事を集めるのが目的ではなく、利潤を追及する組織でもない。あくまでも製作者のためのニュートラルな組織であり、企業に従属しないエキスパート集団の形成と制作システムの確立を目標としている」

「PGJは優れたプロデューサーやクリエーターが活動できるビジネスの場を提供し、ハリウッドでも通用する人材を輩出する機関としての役割を担いたい。そして、世界に通用するプロデュースシステムを日本で構築したい」と熱く語った。

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