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【INTERVIEW】「インターネットで求職者が自己アピールできる場を提供したい」--求職求人広告サービスの(有)アクティブウェブ、荒滝俊政社長

1999年07月21日 00時00分更新

文● 聞き手/文:フリーライター 岡崎桂子

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インターネットを利用した転職サービスはたくさんあるが、その中でも最近注目を集めているのが、アクティブウェブの“求職広告”サービスだ。よくある求人広告と違い、求職者自身がプロフィールや希望職種などをホームページに掲載して、それを見た企業側が直接メールを送ることができる。完全に匿名のため、求職者は在職中でも気軽に転職活動が行なえ、企業側は低料金で効率的な採用活動を行なうことが可能だ。日本ではまだ珍しい“求職広告”サービスについて、(有)アクティブウェブ代表取締役・荒瀧 俊政氏に話を聞いた。

(有)アクティブウェブの荒滝俊政社長
(有)アクティブウェブの荒滝俊政社長



求職広告は、求職者と企業側のミスマッチを解消するのに有効

--このサービスを始めようと思ったきっかけは何ですか?

「私はもともと、システムエンジニアとしてソフトウェアの開発、設計を行なっていたのですが、'95年に初めてインターネットに出会い、簡単に情報収集ができることに感激しました。同時に、欲しい情報があちこちに散らばっていて一覧性がないことに気付き、『欲しい情報をワンクリックで取り出せる仕組みが作れないか』と思ったのが、このサービスを始めたきっかけです」

--どうして人材情報サービスを選んだのですか?

「'96年に、中小企業の創業率が落ちているということを中小企業白書で読んで、ショックを受けました。今のアメリカがあんなに発展しているのはベンチャービジネスのおかげですが、日本ではまだまだ遅れている。日本でベンチャービジネスが発展するにはインターネットが必要だと思い、どうすれば自分がその一翼を担えるのかと考えました。一般的に、起業には“人・モノ・カネ”が必要だと言われますが、私はその中でも“人”に注目して、企業と人材をマッチングさせる仕組みを作ろうと思ったんです」

聞き手の岡崎桂子氏。最新著『インターネットSOHO実践ガイド』(NECクリエイティブ刊)がヒットしているというSOHOの味方
聞き手の岡崎桂子氏。最新著『インターネットSOHO実践ガイド』(NECクリエイティブ刊)がヒットしているというSOHOの味方



--求人広告だけでなく、求職広告を掲載しようと思った理由は何ですか?

「今の不況は、求職者と企業側とのミスマッチが理由の1つではないでしょうか。それを避けるためには、転職活動の際に、求人側の一方的な情報だけでなく、求職者自身の情報発信が必要だと思いました」

--求職広告の仕組みについて教えてください。

「求職者は、まずホームページで希望する雇用形態(正社員、契約社員、SOHOなど)、職種、勤務地、年収、プロフィールなどを登録します。企業側は、職種や勤務地などでデータベースを検索して、気に入った相手がいれば直接メールを送って連絡を取り合うという仕組みです。求職者のプライバシーを守るために完全な匿名にしているので、本名や電話番号などは、自分から明かさないかぎり分からないようになっています」

--完全匿名だと、イタズラで登録する人がいるのでは?

「基本的に登録内容の確認は行なっていませんが、特に問題はないと思います。企業側にとって、ホームページの求職広告はあくまでも参考情報であり、それだけで採用に踏み切ることはないでしょうから。同様に、企業側の登録内容も確認はとっていませんが、企業から申込みがあると、必ずこちらから担当者に電話をかけて確認するようにしています」

「ミスマッチを避けるためには、求人側の一方的な情報だけでなく、求職者自身の情報発信が必要だと思いました」と荒瀧氏
「ミスマッチを避けるためには、求人側の一方的な情報だけでなく、求職者自身の情報発信が必要だと思いました」と荒瀧氏



人材紹介や人材派遣業ではなく、あくまでも広告サービス

--登録された求職広告は、誰でも見られるんですか?

「求職・求人広告のどちらも、誰でも無料で詳細情報を見ることができます。さらに、その相手と連絡を取ろうと思った場合は、会員登録が必要になります。会費は求職者は無料で、企業側は月会費1万円です」

--もし採用が決まった場合は、手数料を支払うのですか?

「当社はあくまでも広告サービスであって、人材紹介や人材派遣業ではないので、成功報酬はいただきません。アメリカのタブロイド紙には、求職広告がたくさん掲載されていますが、そのインターネット版だと考えて下さい。企業と個人がホームページを通じて直接連絡を取り合うというのが基本コンセプトなので、その間のやりとりについては一切関知していません」

「インターンシップや独立希望者の登録も多いようですね」と岡崎氏
「インターンシップや独立希望者の登録も多いようですね」と岡崎氏



--登録者のデータを見ると、転職希望者だけでなくインターンシップや独立希望者も多いようですね。

「当初は転職希望者を対象にしていたのですが、そのうちインターンシップ希望の大学生や、SOHO、独立・フランチャイズ希望者が増えてきたので、登録ジャンルを増やしました。海外勤務を希望する人もいるので、海外の情報も掲載しています」

--ホームページ以外にどんなサービスがありますか?

「週に3回、新着の求人・求職情報を紹介するメールマガジンを発行しています。登録はしたもののあまりホームページを見ていないという人が見てくれますし、情報の露出度が増えるので採用につながりやすくなります。希望者には別途、メールの中に求人・求職広告を入れるサービスも行なっています」

--今までにトラブルが起きたことはありますか?

「希望職種以外の企業からメールが来たというクレームを受けたことがありますが、それ以外には特にありません」

「お礼のメールをいただくと、この仕事をしていて本当によかったと思います」と語る荒瀧氏
「お礼のメールをいただくと、この仕事をしていて本当によかったと思います」と語る荒瀧氏



将来は大手のサーチエンジンで求職広告を検索できるようにしたい

--現在の登録者数はどれぐらいですか。

「通算で、求職広告は2700名、求人広告は350社を超えました。求職広告は、週に50人から70人が登録しています。そのうち何人が転職に成功したかは把握していませんが、時々、採用が決まったというお礼のメールをいただいています」

--登録者の特徴は何ですか?

「あまり細かいデータはとっていませんが、求職者の性別は男性が65パーセント、女性が35パーセントです。一番多い職業はエンジニアで、次がデザイン・出版などのマスコミ関連です。企業の業種で多いのは、ソフト会社、営業、広告関係の順です」

アクティブウェブの広報を請け負っている(有)アッシュインターナショナルの建入ひとみ代表
アクティブウェブの広報を請け負っている(有)アッシュインターナショナルの建入ひとみ代表



--求人の多い職種は?

「システムエンジニアとプログラマーです」

--これからの展望について教えてください。

「今年中に、求職者数1万人、登録企業300社を目標にしています。これからも、企業と求職者をダイレクトに結びつけるという基本コンセプトを大切にしながら、さまざまなことにトライしていくつもりです。求職広告は、今までは個人による登録が中心でしたが、これからは編集・ライター、タレントなど、グループ単位での登録を増やしたいと考えています。また、現在サーチエンジンでアクティブウェブを検索するとトップページが出てきますが、将来的には大手のサーチエンジンと提携して、求職者のデータベースをそのまま検索できるようにしたいです」

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