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NGIOフォーラムが、NGIO仕様書のバージョン1.0を公開。メーカーは来年に製品化

1999年07月21日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之

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米デルコンピュータ社、(株)日立製作所、米インテル社、日本電気(株)、独シーメンス社、米サン マイクロシステムズ社が運営する、“*NGIO(Next Generation I/O)フォーラム”は21日、“NGIO仕様書バージョン1.0”を公開したと発表した。これを受けて日立やNECは、NGIO技術を使用したサーバー製品を来年製品化すると明らかにした。

*NGIOフォーラム:Next Generation I/O Forumは、上記の6社によって今年2月に非営利の業界標準団体として設立された。設立目的は、高性能サーバー間、およびサーバーの通信、ネットワーク、ストレージ、処理サブシステムとのデータ伝送を最適化するNext Generation I/O仕様の開発と導入。現在75社が参加しているという。

右から米インテルEnterprise Server Group Platform Planning/Strategic Mktg. Directorのミッチェル・シュルツ(Mitchell T.Shults)氏、日立製作所情報・通信グループ事業企画本部製品企画部部長の和田健一氏、日本電気第二コンピュータ事業本部ワークステーション・サーバ事業部第一技術部技術マネージャの藤田哲也氏
右から米インテルEnterprise Server Group Platform Planning/Strategic Mktg. Directorのミッチェル・シュルツ(Mitchell T.Shults)氏、日立製作所情報・通信グループ事業企画本部製品企画部部長の和田健一氏、日本電気第二コンピュータ事業本部ワークステーション・サーバ事業部第一技術部技術マネージャの藤田哲也氏



NGIO仕様公開にあわせ、記者説明会が行なわれた。それによると、今回発表されたNGIO仕様書の策定作業は、インテルが中心となりグループ各社と2年前から進めてきたもの。現在、CPUの急激なスピードアップに対し、I/Oサブシステムが、サーバーシステムのボトルネックとなりつつある。NGIOを採用することで、I/Oサブシステムのスピードアップと、拡張性と信頼性の向上を実現できるという。

具体的には、現在のサーバーで主流の“共有I/Oバス方式”(CPU/メモリーとほかのサーバーやネットワーク、ストレージとのデータのやり取りを、同一のI/Oバス上で行なう方式)ではなく、“チャネル・スイッチド・ファブリックI/O方式”(コンピューター本体の外にスイッチシステムを用意し、そのスイッチを介して各種の装置とのデータのやり取りを行なう)をベースとしたシステムとするというもの。データ伝送路(チャネル)のマルチチャネル化、装置の追加などが容易に行なえるようになり、結果として、信頼性、可用性、拡張性が大きく向上するという。また、この接続のためのケーブルは、1チャネルあたり4本のワイアー接続となっており、低コストであるという。

記者説明会に出席した日立製作所の和田部長は、「(日立が)メインフレームで培った高信頼性技術と拡張性に関する技術がNGIOに生かされた」「高可用性、高信頼性を実現するNGIOを積極的に採用していく」とコメントした。日本電気の藤田氏は、「NGIOのメリットはI/Oサブシステムの性能および信頼性を向上させ、サーバーのシステム全体の処理能力を高めること」「今まではCPUがサーバー性能を測る指標にされがちであったが、今後はI/Oを含めたトータル性能で評価さされる」と述べた。

このNGIOは、特にインテルアーキテクチャー(IA)に限定されるものではないが、日立製作所、日本電気ともに、「まずはIAサーバーの上でNGIOを展開する」という。特に日本電気は「最初はWindows NTベースのIAサーバーがターゲット」であると明らかにした。このIAは来年に出てくるというIA64に限定されるものではなく、IA32も含めたもの。

NGIOと同様のサーバーI/Oの高速化を狙うものとしては、米IBM社、米コンパック社、米ヒューレット・パッカード社などが中心となって進めている“FutureIO”があるが、このNGIOとの統一については、「ユーザーの利益などもあり、統一に向けての話し合いも始めているが、I/Oの高速化に対する要求は急務であり、(統一を待たず)今すぐ製品化することが重要と考えた」(インテルのシュルツ氏)という。また、「FutureIOと比較して、1年は先行している」(日本電気の藤田氏)と、市場投入を急ぐ考えを示した。

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