日本ヒューレット・パッカード(株)と米BroadVision社、ヒューレット・パッカード・ソリューション・デリバリ(株)(HPSD)の3社は21日、記者会見を開催し、インターネットを活用した企業向け顧客管理システムの分野での提携を発表した。
左から、日本HPのエンタープライズ事業統括本部の小林祐二氏、HOSDの岡田一夫社長、米BroadVision日本支社の原大祐福祉支社長、日本HPのエンタープライズ事業統括本部長の飯塚雅樹氏 |
今回の提携は米ヒューレット・パッカード社と米BroadVision社のワールドワイドでの提携に基づくもの。BroadVisionは'93年5月の設立。インターネットを利用した顧客管理システム『BroadVision
One-To-One Enterprise』を販売している。
BroadVision One-To-One Enterpriseは、電子商取引などにおける顧客管理をサポートするソフトウェア。システムの管理、運用や、顧客からの問い合わせ、ヘルプデスクシステムなどの構築に対応する。顧客の個人情報をデータベース(DB)に蓄積してIDとパスワードで管理する。顧客からのアクセスがあると、IDからユーザーを特定する。これにより、顧客ごとに異なるメッセージの表示やサービスの提案が可能となる。顧客にとっては、企業の営業担当者と対面しているような感覚で商品やサービスの購入が可能だという。
システムの導入期間は平均3ヵ月、価格は案件ごとに異なり、6000万円程度から3億円程度になるという。すでに米American
Airlines社や米オラクル社、リクルート(株)などに導入実績があるという。
今後、日本HPはBroadVisionOne-To-One Enterpriseを、HPが掲げる次世代電子商取引サービスのコンセプト“E-service”の製品群に加え、販売、コンサルティング、サポートを提供する。また、販売体制強化のため、すでに社内にBroadVision専任のスタッフを30名設置したという。一方BroadVisionは日本支社を中心として、日本HPの販売活動をノウハウの提供という形でフォローする。HPSDは、各種ソフトウェアとBroadVision
One-To-One Enterpriseを連携させたシステムの提案や、構築サポートを提供する。
また、3社共同で、販売活動やマーケティングを行ない、ユーザーの開拓を狙うとしている。また、このほかにも、日本フィッツ(株)、(株)東洋情報システムが販売パートナーとして販売活動を行なうとしている。
日本HPの飯塚雅樹エンタープライズ事業本部長は「すでに金融、流通などを中心に10社程度と実際の導入を目指してプロジェクトが動いている。また、製造メーカーなどにもアプローチを進めている。3社で協力体制を強化して、今後3年間で350億円の売り上げを目指す」と語った。
BroadVision日本支社の原大祐副支社長は、「BroadVisionにとって日本の市場は非常に重要な位置付けだ。今回のHPとの提携で、日本市場への販売体制を強化できる。現在、アジアでは香港、シンガポールに現地法人を設置しているが、近いうちに日本法人の設立も計画している」とコメントした。