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ライブ! エクリプス実行委員会、8月11日の皆既日食をインターネットでライブ中継

1999年07月19日 00時00分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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ライブ! エクリプス実行委員会は、8月11日に欧州から中近東、南アジアにかけて起こる皆既日食のインターネットライブ中継“LIVE! ECLIPSE 99”を行なうと発表した。

“LIVE! ECLIPSE 99”ウェブサイト
“LIVE! ECLIPSE 99”ウェブサイト



同実行委員会は、英国のヘルストン、フランスのメッス、ドイツのシュツットガルト、ハンガリーのバラトン湖畔、ルーマニアのゴボラ、トルコのエラーズ、イランのイスファンの合計7ヵ所に観測チームを派遣し、8月11日の日本時間18時から21時ごろにかけて、欠けていく太陽を連続的にインターネットでライブ中継する。中継を見るには、リアルネットワークス(株)の『RealPlayer G2』または『RealPlayer 5.0』が必要。

8月11日の皆既日食は、北大西洋上で始まり、欧州、中近東諸国を横断して南アジアで日没となる。太陽と月が完全に重なる“皆既”の継続時間がいちばん長い地域は、ルーマニアのリムニク・ブルチャで、2分23秒。日本時間の18時37分頃から太陽と月が重なり始め、20時1分に皆既になる。20時4分に皆既が終わり、21時25分に太陽と月が完全に離れる。
今回の日食は、今世紀最後の皆既日食で、さらに皆既日食帯(皆既日食が見られる地域帯)が、パリ近郊やミュンヘン、ブカレストなど、人口の密集した地域を通る大変珍しいものだという。

また、インターネットライブ中継のほか、太陽のコロナの多地点撮影を行なう。太陽が月に隠れる瞬間、太陽の周りで輝くコロナを、複数の場所から同じ鏡筒/フィルムを利用して撮影し、観測場所によってコロナの形がどのように異なって見えるかを調べるというもの。全中継地点中、ヘルストン、シュツットガルト、バラトン湖畔、イスファハンの4ヵ所で観測、撮影。観測指導と解析は明星大学日食観測団の高橋典嗣氏が行ない、解析結果は学会で発表されるという。

また、五島プラネタリウム(東京都渋谷区)、科学技術館(東京都千代田区)、南紀熊野体験博“田辺シンボルパーク”(和歌山県田辺市)、みさと天文台(和歌山県海草郡)で、LIVE! ECLIPSE 99が見られるイベントが行なわれる。

ライブ! エクリプス実行委員会は、アマチュア天文家や天文学者、ネットワークエンジニア、学生など大勢の個人ボランティアが運営する非営利団体。実行委員長の尾久土正己氏は、「インターネットライブ中継としては最大規模のものだと思う。中継地点は、(先述の)7ヵ所に加えて、ドイツのミュンヘンとオーストリアのグラーツも検討中。各地の映像を専用回線や通信衛星を利用して日本のサーバーに送り、そこから配信する仕組み。ちょうど夏休み期間なので、天文ファンだけでなく、一般の人たちにも楽しんでもらいたい」としている。

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