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今秋、在京の私鉄6社が光ファイバーの接続実験――アジアインターネットセミナーから(1)

1999年07月16日 00時00分更新

文● 編集部 井上猛雄

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14日、東京・千代田区の東京會舘において、インターネット産業をリードするアジア企業を紹介する“アジアインターネット/ソフトウェアセミナー”が開催された。本稿はそれを伝える第1回。今秋、在京私鉄6社が光ファイバーの接続実験を挙行することが明らかになった。

参加企業は、インフォシス・テクノロジーズ、ウィプロ・インフォテク、タタ・インフォテク、タタ・コンサルタンシー・サービシズ、サトヤム・コンピュータ・サービシズ、パシフィック・インターネット、東京急行電鉄株式会社、チャイナ・コム、SGカウエンセキュリティーズなど各国12社。インド、シンガポール、中国、日本など国別に2回に分けて報告する。

【シンガポール編】パシフィック・インターネット

パシフィック・インターネットは、シンガポールに17万7000人、フィリピンに1万5000人、香港に3万5000人の計23万人のユーザーを有している大手のISP(インターネットサービスプロバイダー)である。同社の業務開発部長クエック・ケン・ンガック氏は、アジア地域大手のISPを目指しているという。

現在、シンガポールは国策としてインターネット事業を急ピッチで推進している。インターネットユーザーは16パーセントぐらいになっているが、昨年の10月に政府がISP事業を自由化したものの、規制が多いためにISPはまだ3社しかないという。

シンガポールの人口を考えた場合に、限られた少ないパイを奪い合うのは得策ではない。拡大していくためには、まわりのアジア地域のユーザーを取り込んでいきたいと考えている。近々にも、オーストラリア(シドニー、メルボルン)とインドに進出する予定があるらしい。

また、パシフィック・インターネットは、Eコマースにも積極的に取り組んでいる。6月に“Ehub”というポータルサイトを立ち上げたばかり。新しいビジネスモデルが確立されれば、1年後にはアジア圏で大幅な伸びを期待できるとしている。

また、シンガポールでは、XDSL(ADSL)技術を使った普通の電話回線による高速通信や、ケーブルモデムによる高速通信もさかんに進められている。シンガポールは、その地域性や人口を考えると、このような新しい実験をするのには最適な都市であるといえるだろう。これらの可能性も探っていくという。

日本語が堪能なパシフィック・インターネットのクエック・ケン・ンガック氏
日本語が堪能なパシフィック・インターネットのクエック・ケン・ンガック氏



【中国編】チャイナ・コム

チャイナ・コムは同社のポータルサイト“china.com”について講演した。「携帯電話の普及を見てもわかるとおり、中国のPCやインターネット市場は必ず急速に大きくなると確信している」と、ウェブコネクションの香港本部の代表取締役であるスティーブ氏はいう。

china.comは、姉妹サイトとしてhongkong.com、taiwan.comがあり、中国、香港、台湾の総計で40万人もの登録ユーザーがいる。これは、主にフリーメールを利用することによって獲得したユーザーである(MSNとHotmailの関係と同じようなもの)。今後、これらのユーザーを対象にして、コンテンツビジネス、コマース、コミュニティーという3つのCを発展させていく方針だという。

コンテンツとしては、天候、財務、スポーツ、エンターテインメントなど既にかなり充実しているようだが、中国・台湾・香港各国に現地編集セクションを置き、連携を図っていく。また、Eコマースについては“The BigStore.com”と手を組んで進めていく方針だという。

コンテンツが充実しているchina.com
コンテンツが充実しているchina.com



【日本編】東京急行電鉄
東京急行電鉄の野本氏は、日本のネットワーク化は米国よりも3年は遅れていると指摘した。野本氏は、光ファイバーの鉄道通信網を使って、大容量バックボーンを構築できないか模索していた。列車の運行情報などをやりとりするために、私鉄沿線に既に敷設してある光ファイバーのインフラを使えば、容易かつ安価にネットワークを構築できると考えた。'98年4月には、これを受けた首都圏の鉄道会社13社が集まり、鉄道情報ネットワーク高度利用推進協議会を設立した。

今年の10月から12月にかけて、協議会のメンバーである小田急電鉄、相模鉄道、西武鉄道、帝都高速度交通営団、東京急行電鉄、東武鉄道の6社により、敷設光ケーブルの接続実験を首都圏で行う予定だ。

これは、光ファイバー網を営団千代田線、有楽町線、半蔵門線、西武池袋線、東武東上線、東急新玉川線・田園都市線、相鉄線など総計150kmを結ぶネットワークになる予定。今回の実験は、100Mbpsのイーサネットを組むプロジェクトだが、光ケーブルを束ねて、ギガビットクラスの高速大容量通信も将来的に可能だという。

実験内容の詳細については未定だが、駅にプラズマディスプレーを設置し、インターネットはもちろん、CATV番組の放映や対戦ゲームなどもできるようにするという。

東京急行電鉄の野本氏
東京急行電鉄の野本氏

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