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NECとNECソフトウェア中国、DoPa網を利用した遠隔監視システム用ソフトを発表

1999年07月16日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之

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日本電気(株)と中国日本電気ソフトウェア(株)(NECソフトウェア中国)は、エヌ・ティ・ティ移動通信網(株)が運営するDoPa網を利用し、通信コストを抑えた、遠隔監視システム用ソフト『遠隔見聞録』と、データ通信端末に組み込むプロトコル変換ソフト『PentaPro』を発表した。価格はオープンプライスで9月1日出荷予定。

右からNECソフトウェア中国の基本システム事業部長代理今村二康氏、同SI事業部長芦田壮平氏、NEC東京第三販売本部OEM販売部長大郷芳明氏
右からNECソフトウェア中国の基本システム事業部長代理今村二康氏、同SI事業部長芦田壮平氏、NEC東京第三販売本部OEM販売部長大郷芳明氏



遠隔見聞録は、Windows 98/NT 4.0上で動作し、管理・監視対象物からのデータの集中管理を行なう。PentaProは、管理・監視対象物に組み込んで、NTTドコモが販売する、データ通信に特化した専用無線端末『Mobile Ark』と接続して、データの送受信を可能にするプロトコル変換ソフト。PentaProでは、通信プロトコルとしてUDP/IPを採用、TCP/IPを利用した場合に比べ、処理に必要なCPU性能やROM領域が小さくてすむため、通信システムハードウェアのコストダウンが可能という。

運輸業向けの遠隔見聞録利用例。GPSを使い、車両の位置を発信している
運輸業向けの遠隔見聞録利用例。GPSを使い、車両の位置を発信している



車両位置発信システムのハードウェア例。中央右側の箱の中にPentaProが組み込まれている
車両位置発信システムのハードウェア例。中央右側の箱の中にPentaProが組み込まれている



ネットワークを利用したデータ集中管理としては、ISDN網や、マイクロ波(MCA)、PHS網を使ったものが考えられる。しかし、ISDN網では配線工事が必要で、契約基本料金、通信コストなどのランニングコストが高い。マイクロ波では、通信コストはかからないが無線局の設置が高額で、メンテナンスコストがかかる。PHSでは、基本料金や通信コストが高い。といった欠点を持つ。今回の商品では、DoPa網を利用することで、配線コストが不要で、機器のコスト(約3万円)、基本料金(900円~)、1回の通信料金(128バイトで0.2円)を低く抑えられるとしている。DoPa網は通信速度が最大でも9600bpsと低速だが、想定する利用シーンから考えると十分な速度であるという。

NECでは、今回の商品の利用シーンとして、自動販売機の在庫情報管理、電気・ガス・水道などの自動検針、ビルのセキュリティー管理、車両の位置・運行管理を想定している。また、ハードウェアの構成によってはデータの収集だけでなく、発信も可能なため、自動販売機への広告情報の発信、公共機関の施設案内板へも利用できるとしている。

NECによると、すでに10数社から引き合いがあるという。ハードウェアを含めたシステムとしては、まず運輸業向けの業務アプリケーションから開発中であるとしている。実際の販売価格は、システムによって異なるとはしながらも、1000クライアントのものでおよそ200万円程度(ソフトウェアのみ)という。販売目標として、今後3年間で遠隔見聞録300本、PentaPro100万セットをあげた。

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