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日本電子出版協会、XMLに準拠した電子出版交換フォーマットのドラフト版を公開

1999年07月12日 00時00分更新

文● 編集部 井上猛雄

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日本電子出版協会は、電子出版物の交換用タグ付けフォーマット“JEPAX”のドラフト版(Ver0.7)を公開した。現在、電子書籍のフォーマットは複数存在している。“JEPAX”は、各出版社が電子書籍を配布する前段階として、文書のデジタル化に必要な交換フォーマットをオープンかつフリーな形で使用できるように策定したもの。

JEPAXは、文書の構造を記述することに力点を置いた言語――SGML言語をインターネット上で使いやすくするために作られたXML言語(eXtensible Markup Language)に準拠している。フォントや行間などのスタイルなどの定義よりも、章、段落といった文章の構造をどのように定義するかということに重点を置いているという。

構成要素には、文章全体を定義する部分“jepax”、書誌情報を記述する部分“bookinfo”、本文の前に置く目次などを記述する部分“front”、本文を記述する部分“body”、あとがきや解説などを記述する部分“back”の5つの大ブロックがある。“front”、“body”、“back”の部分には、複数のまとまった単位のブロック(div)を定義し、そこに見出し、本文、注釈といった書籍の基本的な構造を指定する(HTML言語のタグに相当する)文字列を記述していく。文字の強調、上付きや下付き、ルビなど、文章中の細かいインライン指定もできる。

サンプルのjepaxタグ付き文書
サンプルのjepaxタグ付き文書



ファイルのエンコーディングには、Unicodeを推奨している。外字についてはUnicodeにもないような文字でも指定できるように、9万字の文字がある今昔文字鏡ネットの公開jifフォントを利用する。

日本電子出版協会では、スタイルシート(XSL)のサンプルをウェブページで公開、ダウンロードできるようにする予定。これを使えば、配布フォーマットへの変換も容易になる。パソコン上のブラウザー(HTML)はもちろん、T-Time、Open eBOOK(予定)、BookJacket(予定)など、いろいろなプラットフォームでも表示できるようになる。

セミナーでは、マイクロソフトが公開しているXMLエディターβ版 “XML Notepad”や、XML対応ブラウザーになっている“インターネットエクスプローラ5.0”、インフォテリアのXML対応ブラウザーβ版“iHTML”XMLのツールのデモも行なわれた。

マイクロソフトのXMLエディターβ版 “XML Notepad”
マイクロソフトのXMLエディターβ版 “XML Notepad”



今回の電子出版標準化セミナーは、9日と12日の2回に分けて行なわれたが、いずれも50人以上の参加があり、出版業界での電子出版標準化に対する関心の高さを物語っていた。

出版関係者の関心が非常に高かった今回のセミナー
出版関係者の関心が非常に高かった今回のセミナー

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