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エプソン、ネットワーク対応高速カラーレーザープリンター『LP-8200C』などオフィス向け製品を発表

1999年07月13日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之

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セイコーエプソン(株)は、従来機比1.6倍の高速カラーレーザープリンター『エプソン インターカラー LP-8200C』、A3対応スキャナー『エプソン エスパー・スキャナ ES-6000』、プリンターとスキャナーを組み合わせてカラーコピー機のように使用できる『エプソン エスパー・ステーション コピーサーバ CS-6000N』などを発表した。価格はLP-8200Cが54万8000円、ES-6000が14万8000円、CS-6000Nが32万8000円で、7月16日から順次発売の予定。

右から、セイコーエプソン(株)専務取締役、情報画像事業本部長の木村登志男氏、エプソン販売(株)取締役社長の降旗國臣氏、セイコーエプソン(株)常務取締役、情報画像事業本部副事業本部長の花岡清二氏
右から、セイコーエプソン(株)専務取締役、情報画像事業本部長の木村登志男氏、エプソン販売(株)取締役社長の降旗國臣氏、セイコーエプソン(株)常務取締役、情報画像事業本部副事業本部長の花岡清二氏



LP-8200Cは、従来機種『LP-8000C』で採用したエプソン独自のドット制御技術“C-PGI(Color Photo & Graphics Improvement)”に加え、“C-RIT(Color Resolution Improvement Technology)”および“MSPT(Multi Screen Printing Technology)”を搭載した。これらの技術により、従来は1枚のドキュメントの中で写真や文字が混在していた場合に、写真優先にするか、文字優先にするか、印刷モードの設定が必要だったものが、1枚のドキュメントの中で、それぞれに最適なモードで印刷できるようになったという。

C-PGIは、各ドット(600×600dpi)をさらに細分化して制御し、9600×600dpi相当の画質を実現するという技術。写真画像では印刷画像を作る網点画素1つに対して、多数のドットを割り当てることで、滑らかな階調を行なう。文字や表などでは、網点画素1つに対するドット数を減らし、画素をさらに分割した、解像度のより高い印刷を可能にするという。新たに加えられた、C-RITは、同社が持つスムージング技術である“RIT(Resolution Improvement Technology)”を、カラー印刷に応用したもの。従来黒色以外のカラー文字は、画像として処理されていたが、C-RITでは、黒文字同様のスムージング処理を行なう。MSPTは、1枚のドキュメント内での、写真や文字、グラフなどを自動的に認識し、写真部分は階調を優先した165lpi(Line per Inch)、文字やグラフは解像度を優先した268lpiという、異なった線数の“スクリーン”を混在させることができるというもの。

また、コントローラー部分には、R5000-200MHzと、従来比2倍の処理能力を持つ画像処理専用ASIC“Color Composer”を採用、プリントにかかる処理時間を短縮したという。LP-8200Cは、カラー印刷時、A4横を毎分4枚、モノクロ印刷時は毎分16枚の印刷が可能。インターフェースは、パラレルとEthernet(100BASE-TX/10BASE-T)を標準で備える。解像度は600×600dpi。用紙サイズはハガキから、A3ノビにまで対応する。27日発売予定。

デモンストレーションでは、LP-8200Cと各社のレーザープリンターとの速度比較が行なわれ、LP-8200Cの高速性をアピールした
デモンストレーションでは、LP-8200Cと各社のレーザープリンターとの速度比較が行なわれ、LP-8200Cの高速性をアピールした



『エプソン インターカラー LP-8200C』
『エプソン インターカラー LP-8200C』



ES-6000は、A3サイズ原稿の読み取りにも対応した、読み取り解像度600×1200dpi、出力解像度50~4800dpi、読み取り階調各色12bitのスキャナー。インターフェースはSCSI-2を搭載している。カラー読み取り時で1ラインあたり4m秒、モノクロ読み取り時は1ラインあたり1.4m秒と、他社のA3サイズ対応スキャナーに比べ、3倍から8倍の高速読み取りが可能という。また、ES-6000Nが接続されたパソコンに付属のネットワーク共有ソフト『EPSON ScanServer』をインストールすることで、ネットワーク上のほかのパソコンからネットワーク対応TWAINドライバーを利用して、スキャンすることが可能。オプションのオートドキュメントフィーダーを装着することで、連続50枚までの連続スキャニングができる。16日発売予定。

『LP-8200CCS』 『LP-8200CCS』



CS-6000Nは、LP-8200CとES-6000を組み合わせて、カラーコピー機のような使い方を可能にする製品。従来機CS-5500Nに比べ、最初の出力までの時間を30パーセント短縮したという。また、原稿の内容に合わせて、写真/文字/印刷物/地図/高精細の5つのモードを用意し、それぞれに適したモードを選択することで、モアレを防いだり、細い線でも鮮明にコピーすることができる。CS-600Nには、プリンターケーブル、SCSIケーブル、LP-8200C用128MB増設RAMが添付されている。また、LP-8000C、ES-6000、CS-6000Nをセットにした『LP-8200CCS』を99万8000円で発売する。発売はCS-6000N、LP-8200CCS共に8月中旬となっている。

このほか、LP-8200CをPostScript環境で使用するためのPostScriptサーバー『エプソン PSサーバ PS-6000』を59万8000円で発売する。PS-6000はアドビ純正PostScript3搭載のプリントサーバーで、CPUにR5000-200MHz、64MBRAMと3GBのHDDを搭載する。従来機LP-8000CとPS-5500の組合せと比較し、平均30パーセント高速化した。発売は8月中旬を予定。

最初に挨拶に立った、セイコーエプソンの木村専務取締役は、「当社はこれまで、“カラーイメージング&ネットワーク”というキャッチフレーズで、カラーインクジェットプリンターとカラーレーザープリンターの技術開発と商品化に努力してきた」「これから、地球環境の保護が大きな課題となる21世紀に向け、紙資源の有効活用という観点から、必要なときに、必要な資料や書類を必要な部数だけ印刷する“オン・デマンド・プリンティング環境”の創造に努力したい」と、今回の製品群がそのオン・デマンド・プリンティング環境を実現するものであると述べた。また、環境問題について、現在「インクカートリッジやトナーの回収/リサイクルを行なっているが、プリンターそのものを、モーターなどの部品よりもさらに小さくばらばらにして処理し、産業廃棄物そのものを出さないようにする、という研究を行なっており、メーカーによる回収/リサイクルが法制化されても対応可能」であると述べた。

また、エプソン販売の降旗社長は、'99年度267万台(シリアル、レーザー、インクジェット合計。'98年度実績225万台)という目標を挙げ、“ビジネス系商品の強化・拡販”、“超高機能なインクジェットプリンター”、“トナー、インク、メディアなどの消耗品”という3つを柱にしていくこと、“商品の充実”、“営業の充実”、“サービスの充実”、“サポートの充実”という4つを挙げて、販売体制のいっそうの強化を図ることを明らかにした。なお、秋の新製品として“ユーザーに対し、非常に訴求力のある製品”を投入することも明らかにされたが、具体的な内容については現時点では未公開であるとのことだった。

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