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オムロンアルファテック、製造業向けのERPパッケージの販売へ参入

1999年07月08日 00時00分更新

文● 編集部 白神貴司

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オムロンアルファテック(株)は8日、グロービアインターナショナル(株)(以下グロービア)と提携し、製造業向けに特化したグロービアのERPパッケージ『glovia.com』を共同で販売すると発表した。グロービアはERPベンダー、米グロービアインターナショナル社(以下米グロービア)の100パーセント出資による日本法人。先月9日に設立され、社長には林暁氏が就任している。

オムロンアルファテックの遠山岬社長
オムロンアルファテックの遠山岬社長



米グロービアインターナショナルのBill Engel社長
米グロービアインターナショナルのBill Engel社長



グロービアインターナショナルの林暁社長
グロービアインターナショナルの林暁社長



『glovia.com』では、先月30日に最新版の『glovia.com/5』(英語版)がリリースされている。同システムのベースは、もともと米ゼロックス社が自社の製造プロセスを管理するために'70年代に開発した業務管理システム『GLOVIA』。'97年に同システムを開発、販売する部門がゼロックスから独立し、米グロービアインターナショナル社として発足した。

『glovia.com』は自動車、電機、電子産業などの製造業に特化したERPパッケージである。海外では、すでに100社以上、800サイトに納入しており、日本国内では30社に導入されているという。米デルコンピュータ社や米エリクソン社などがワールドワイドで採用しているほか、国内では富士通(株)やアドバンテスト(株)などが導入している。

今回、インターネットへの対応を強化したglovia.com/5のリリースを機に、シリーズ名をGLOVIAからglovia.comに改めた。日本語版のリリースは正式には未定だが、「2000年1月ごろにリリースできると考えている」(グロービアの林社長)--。

glovia.com/5は、クライアント/サーバー型のアプリケーションをパッケージしたもの。販売見積り、マーケティング、生産日程管理、在庫管理、売掛/買掛管理などの各種ソフトウェアを用意している。各ソフトウェアはモジュール化されており、モジュール単位での導入が可能。

オムロンアルファテックの遠山岬社長は、「現在国内では、ERPパッケージの導入において、必ずしも成功しているとは言えない企業が多い。これは逆にビジネスチャンスだと考えている。米グロービアおよび日本のグロービアとの協力関係を生かし、運用、保守サポートを含めた総合的なサービスを顧客に提供したい」とコメントした。

米グロービアのBill Engel(ビル・エンゲル)社長は、「オムロンアルファテックとの提携は、米グロービアのワールドワイド戦略において非常に重要なポインドだ。グロービアは日本市場を重視しており、製造業であるオムロングループであるオムロンアルファテックの販売力に期待している」と語った。

米グロービアはこれまで富士通(株)と提携し、国内代理販売を委託し、日本語版の開発などで協力してきた。この点について、林社長は「今回のオムロンアルファテックとの提携は販売に関するものがメーンだ。富士通とは製品の開発面でも協力関係にある。提携のタイプが異なるということ」とコメントしている。

オムロンアルファテックはジェイ・ディー・エドワーズ(株)と提携し、同社の会計管理システムを販売しているが、こちらの提携も継続していくという。同社ではglovia.com専任の技術スタッフを5人程度設置し、ビジネスを展開する。米グロービアなどと協力し、2001年にはglovia.comで20億円の売り上げを目指すとしている。

glovia.com/5の対応プラットフォームは、サーバーがUNIX、Windows NT。クライアントとしてWindows 95/98/NT4.0をサポートするほか、Java対応のウェブブラウザーからのアクセスもサポートする。価格は構成やカスタマイズによるが、50ユーザー規模で、平均的なカスタマイズを施して導入した場合、約5000万円となるという。

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