インターネット関連のデザイナーとデベロッパー向けのイベント“WEB'99”が、6月27日から7月1日までサンフランシスコのモスコーン・コンベンションセンターで開催されている。今回は28日から開場している展示会場について紹介する。
“WEB'99”の展示会場はコンベンションセンターの北半分、ノースホールの約3分の2のスペースに設置された。入口近くには、IBM、インテル、アドビ、マクロメディア社などのブースが並び、ウェブホスティングやデータベースサービス、プロバイダー、Eコマースといった、インターネットに関わるさまざまなジャンルから100近いブースが出展された。
デザインといえばビジュアル系のものを連想するが、このイベントではそれ以外のプログラムデザインや運営・管理デザインもジャンルに含まれている。そういう意味では、デザインという枠がどんどん広がっている。それぞれにスペシャリストが元気がよかったのは、Eコマース系のブースで、オンラインショッピングのサポートやサーバーホスティングサービスを提供する会社ブースには、参加者が質問する姿が目立っていた。
展示会場入口 |
ホールの通路にあったのぼりには、スポンサーのロゴが2枚分にわたってずらりと並んでいる |
ウェブホスティング会社“Interland”のブース。スタッフ全員がファーマー(お百姓さん)姿で会場をあちこち歩き回っていた |
地元サンフランシスコに本社を持つマクロメディア社のブースは、いずれのソフトデモも満員御礼状態。FlashやFireWorksといったホームページデザイナーにはおなじみのツールでは、会場からの質問も多かった |
入口真正面にあるアドビのブースは、Tシャツやおもちゃの大盤振る舞いでいつもにぎわっていた。最近リリースされたPhotoshop5.5とFlash4のデモが特に注目を集めていた。買収されたGoLiveもすっかりアドビの顔になっている |
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インテルのサードパーティーを集めたインテルパビリオンでは、ミュージックサンプラー(写真左)やインタラクティブキャラクター(写真右)などのソフトが展示されていた |
IPIXのブースでは、VR(バーチャルリアリティー)用のデジタル画像を360度撮影できるカメラ(ニコン製)とビューワーソフトを展示。サンプルCD-ROMが配られていたが、現在はWindows版のみ対応 |
法人向けのインターネットビジネスサービスを提案していたdigex社。今回の“WEB'99”では、IBMやアドビ、マクロメディア社と並んでパーティーイベントなどのスポンサードを行なっていた |
地図情報サービスツール(geographic information systems/GIS)で注目を集めているESRIのブース。同社製品の“GIS Arc View”はjavaベースにオンライン上でインタラクティブな総合情報サービスを提供するツール。ブラウズにはフリーのビューワー“Arc Exploret Froe GIS data Viewer”を使う。VISAカードのATMマップ検索は同社が制作している |
コンベンションセンター中央のスペースではコンピューター書籍の会社“デジタルグル”がショップを出していた |
29日のランチイベントではIBMのCTO(Chief Technology Officer)のJeffry Eppinger(ジェフリー・エピンジャー)氏がIBMが展開しているeビジネスを紹介。「技術が発達すればビデオストアやコンピューター音声をそのまま電話マーケティングに応用するといった可能性があるだろう」と語った |
“WEB'99”3日目の午後6時半からのキーノートは、インターネットグルと呼ばれる、Jacob
Nielsen(ヤコブ・ニールセン)氏とDonald Norman(ドナルド・ノーマン)氏の2名をコメンテーターに迎えて行なわれた。掛け合い漫才調の進行で場内は爆笑の連続だった。
「本来、製品テストというのはバグ取りではなくユーザビリティー(使用感)を調べるために行なわれるものだ。だが、現状はそうではないし、ユーザビリティーそのものをどこに基準を置くのかがむずかしい」とニールセン氏。ノーマン氏は「ウェブ上ではいかにもユーザーが求めるものが提供されているように見えるが、まだまだ情報提供側にコントロールされている。本当にそうなっていくのはこれからだろう」と語った。