日本電気(株)は30日、PBX機能をフルサポートするボードを内蔵したモデルなど、『Express5800』シリーズの新製品を発表した。また、中規模までのコールセンターの構築をサポートする基盤ソフトウェア『CTIPRO』と、インターネットサーバー『SURFNAVI』シリーズにも、新製品を追加した。
左から、NECの小林一彦取締役、インテルの傳田信行社長、マイクロソフトの成毛真社長 |
PBXボード内蔵サーバー『Express5800/APEX Server』
『Express5800/APEX Server』 |
Express5800/APEX Serverに内蔵されるAPEXボード。当面、ボードのみの販売は行なわないという |
本製品は、従来同社が提供してきたPBX『APEX1000VSII』の機能を1枚のボードにしたもの。個別にサーバーとPBXを購入する場合に比べて、約40パーセントのコスト削減が可能だという。電子メールやファクス、音声など異なる情報の管理をサポートするUMS(ユニファイドメッセージシステム)構築用ソフトウェアをあらかじめ搭載した“UMSモデル”や、企業の一部門などでグループウェアを運用する際のサーバーとしての利用を想定した“グループウェアモデル”などを用意している。
価格は、PBXモデルの最小構成の場合、CPUにPentium II-350MHz、メモリー64MB(SDRAM)、4GB
HDD、最大32倍速CD-ROMドライブ、APEXボードを搭載し、Windows NT Server 4.0をインストールしたモデルで、114万円となる。出荷開始は7月1日を予定しており、同社ではExpress5800/APEX
Serverの販売台数を、今後1年間で2000台と見込んでいる。
また、同社では従来機種『Express5800』シリーズをクラスター構成にしたセットモデルも設定し、同時に発表した。価格は、エントリーモデル『Express5800/110La』を2台接続し、HDDをミラーリングした『110Laミラーリングクラスタセット』が198万円などとなっている。
コールセンター構築基盤ソフトウェア『CTIPRO』
CTIPROは、回線数が4~100回線までのコールセンターシステムの構築をサポートするソフトウェア。同社の現行製品『CCWORKS-EX』と『CallNavigator』を統合し、ACD(自動着信呼分配機能)やIVR(音声応答機能)、運用管理機能などを統合的に提供する。今回同時に発表したExpress5800/APEX
Serverと組み合わせて、最大50人までのコールセンターシステムを構築できる。価格は、PBXを使用する中規模のコールセンター向けの『CTIPRO
フレックスモデル』で250万円からとなる。出荷は7月1日の予定。
インターネットサーバー『SURFNAVI』シリーズ
『SURFNAVI インターネットモデル-E』 |
このシリーズには、中小規模オフィスをターゲットとしたハードウェアとソフトウェアをセットにしたオールインワンモデル『SURFNAVI
インターネットモデル-E』が追加された。OSにWindows NT Server 4.0を採用し、ウェブサーバーやメールサーバーとしての運用をサポートする各種ソフトウェアがインストールされており、インターネットサーバーのエントリーモデルと位置付けられている。
システム構成は、CPUにPentium II-350MHz、メモリー64MB、HDD8GBという構成に、Windows
NT Server 4.0および各種ソフトをプレインストールした最小構成で59万8000円となっている。本製品の販売台数は今後1年で1000台としている。出荷開始は8月16日の予定。
NECの小林一彦取締役は、製品概要を説明した後、「年内にIA-64アーキテクチャーを採用した“Merced”を16基搭載した最上位サーバーの製品化も計画している」と、新製品への意気込みも明らかにした。
来賓として出席したマイクロソフト(株)の成毛真社長は、「本日、マイクロソフトも新製品『Windows
2000』を発表する。NECの新製品にも当然搭載する。他社に怒られるかな、と思いながらこの場にいる」とコメントした。
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