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QuickTime 4日本語版は7月上旬公開。QuickTime 4 Proは後払い購入も可能に

1999年06月24日 00時00分更新

文● 千葉英寿

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アップルコンピュータ(株)は、23日、製品説明会を行ない、同社のマルチメディアテクノロジー『QuickTime 4 日本語版』のWindows版、Macintosh版ともに7月上旬にリリースすることを明らかにした。QuickTime 4はすでに英語版がリリースされ、アップルによれば、全世界で500万ダウンロードを記録しているという。

QuickTimeストリーミング機能を活用したライブストリーミングチャンネルを日本でも準備

QuickTime 4 日本語版は、新しいインターフェースを備え、気に入ったコンテンツを保存する“お気に入りの引き出し”や、著作権、作者名の表示が可能になっている。また、マクロメディアのFlashをはじめ、MP3、Flash Pixといった最新のフォーマットをサポートしている。Flashと組み合わせれば、Flashでビデオコントロールが可能なインタラクティブムービーを作成できる。QuickTime 4より、米国においてQuickTimeストリーミング機能を活用したライブストリーミングチャンネルをBloomberg、HBO、BBC、Fox Newsといった大手各社が提供しているが、現在、日本においてもそうしたストリーミングチャンネルを準備しているということだ。

なお、何かと話題のデジタル配信に関わる課金技術について、同社でQuickTimeのマーケティングを担当している古村秀幸氏に伺ったところ、「米国本社も含め、そうした話は出ていません」とのことだ。

QuickTime PlayerのインタフェースQuickTime Playerのインタフェース



QuickTime 4には気に入ったコンテンツを登録することができる“お気に入りの引き出し”が用意されている
QuickTime 4には気に入ったコンテンツを登録することができる“お気に入りの引き出し”が用意されている



昨今、話題の著作権や作者名の明示ができるような配慮もなされている
昨今、話題の著作権や作者名の明示ができるような配慮もなされている



ストリーミングムービーを作成できる『QuickTime 4 Pro』もウェブで販売

QuickTime 4 日本語版は、英語版と同様に同社のウェブサイトからダウンロードして入手できる。手順は、まず、QuickTimeのインストーラー(395KB)をダウンロードし、その後に“基本的なインストール”(2.9MB)、“すべてをインストール”(5.8MB)、“カスタム”のいずれかを選択して、ダウンロード、インストールする。なお、7月後半からは、アップルソフトアップグレードセンターへ申し込めば、CDインストーラーを実費(価格未定)で入手できる。この中から“基本的なインストール”のみをインストールしても、必要なコンポーネントがない場合には、自動的にサーバーを検索してインストールされる。“基本的なインストール”の2.9MBというサイズは、Real Player G2の4.2MB、InternetExplorer4.5の6.4MBと比較しても、ダウンロードしやすいサイズと言えるだろう。

QuickTime 4には、主に再生を行なう“ベーシック・バージョン”以外にストリーミングムービーを作成できるオーサリングソフト『QuickTime 4 Pro』がある。QuickTime 4 Proは、ストリーミング機能のほかにQuickTimeムービーの作成や編集、各種フォーマットへの保存が可能だ。ベーシックバージョンは無償で提供されるが、QuickTime 4 Proは、米国アップルコンピュータ社のウェブサイトにおいて29.99ドルで購入することになる。なお、今回からは購入ページには日本語のものも用意されるということだ。
 
また、国内では4200円で通信販売が予定されており、後払いの郵便局、銀行、コンビニエンスストアからの振り込みやクレジットが可能となっている。領収書を発行することで、企業や教育関係者の購入の利便を図るということだ。なお、QuickTime3 Proを持っている場合は、そのままQuickTime 4 Proとして利用できる。

低コストでハイパフォーマンスなストリーミング配信を実現できる『Quick Time Streaming Server』

作成されたQuickTimeストリーミングムービーは、同社のサーバーOS『Mac OS XServer』に標準でバンドルされている『Quick Time Streaming Server』を使ったストリーミングやライブストリーミングで提供できる。プロトコルには、IETFで標準化されたRTP/RTSPが採用されており、汎用性が高い。
 
なお、Quick Time Streaming Serverの特筆すべき点は、ストリーム数に関係なく課金がされず、最大1000の同時コネクションをサポートしている点。これにより低コストでハイパフォーマンスなストリーミング配信を実現できる。また、オープンソースとなっており、すでにIBM、SGI、サン・マイクロシステムズ、シスコが開発を表明している。

実際にストリーミングを行なうには、『Adobe Premier』や『Edit DV』、または「夏の泳げるころまでにはリリースされる」(アップル担当者)という同社のビデオ編集ソフト『Final Cut Pro』の日本語版などでムービーを取り込み、編集する。これをQuickTime 4 Proやメディアビジョンの『Media Cleaner Pro』などでムービー圧縮を行ない、さらにQuickTime 4 ProでHintトラックの追加処理を行なったものをQuickTime Streaming Serverを使って配信するという、いたってシンプルな作業で行なうことができるというわけだ。

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