このページの本文へ

NECと日立がDRAM分野で提携--開発設計を行なう合弁会社を年内設立へ

1999年06月23日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

日本電気(株)と(株)日立製作所は23日、都内のホテルで記者会見を開き、DRAM分野における広範な提携に合意したことを発表した。年末をめどにDRAMの設計と開発を行なう合弁会社を設立し、来年末には販売ブランドも統一する計画であるという。

日本電気の西垣浩司社長(左から2番目)と日立製作所の庄山悦彦社長(左から3番目)
日本電気の西垣浩司社長(左から2番目)と日立製作所の庄山悦彦社長(左から3番目)



今回のDRAM分野における提携発表の背景には、半導体業界において大型提携や買収が進み、新規開発費用や製品コストをめぐっての競争が世界的に激化していることがある。両社の合弁会社設立は、「世界トップレベルの技術を持ち寄ることで、世界市場におけるリーディング・ポジションを維持」(日立の庄山社長)することを目指してのもの。具体的には、1年で世代交代するうえに世代を追うごとに開発コストが増大するDRAM製品開発の分担と、開発サイクルのスピード化がポイントとなるという。

合弁会社における、両社の出資比率や、出資額などについてはこれから詰めていく段階。当初は開発についての一元化を急ぎ、次いで販売ブランドの統一を目指す。将来的には、製造についても共同で行なうという可能性もあることが明らかにされた。

この提携で、両社は価格競争力が低下しているDRAM事業の強化を図り、現在NECが11パーセント、日立が6パーセントというDRAM世界市場でのシェアを、あわせて20パーセント以上とし、「世界DRAMメーカーの4強の1つとなる」(NECの西垣社長)ことを目指す。

合弁会社による新規のDRAM設計/開発製品は、0.15μmルールによる256MbitDRAMからとなる。それ以前の製品においても、可能なかぎり協業のメリットを生かしたいという。なお、今回の提携は、あくまでもDRAM分野に絞ったもので、プロセッサーやSRAM、ASICなどの分野については含まれていない。提携の期限も特に設けていないという。

価格競争力という点については、「従来のように市況を見て価格を決めるのではなく、世界トップレベルの製品を作り、その製品の付加価値に対して価格をつける戦略に転換した」(NECの西垣社長)という。

この提携自身は、4月ころから持ち上がったもので、「以前の両社の経営体質ならば、このような短期間ではとても無理だった」(日立の庄山社長)といい、トップ同士による短期間での決断であることを強調していた。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン