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イメージモールジャパン、フランス国立美術館連合の日本法人エールエムエヌジャポンと事業協力を発表

1999年06月17日 00時00分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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フランス国立美術館連合(RMN:Reunion des Musees Nationaux)*の日本法人であるエールエムエヌジャポン(株)と(株)イメージモールジャパンは、美術作品をモチーフとした商品開発の事業協力に合意したと発表した。これは、RMNが管理運用する美術写真をイメージモールジャパンが商品開発用に高画質のデジタルデータに変換し、デジタルデータの配信サービスや画像をプリントしたグッズなどの企画、販売を行なうというもの。これらサービスの基礎となる高画質のデジタルデータ(6400×6400ピクセル)の作成は、イメージモールジャパンの出資企業の1つである凸版印刷(株)が担当し、イメージモールジャパンが責任編集を担当する。

エールエムエヌジャポン代表取締役社長のジャン=ジャック・ルグブル(Jean=Jacques Lugbull)氏(左)、イメージモールジャパン代表取締役社長の小森小森雅夫氏(右)
エールエムエヌジャポン代表取締役社長のジャン=ジャック・ルグブル(Jean=Jacques Lugbull)氏(左)、イメージモールジャパン代表取締役社長の小森小森雅夫氏(右)



フランス国立美術館連合(RMN):ルーブル美術館やオルセー美術館などフランス国立美術館33館が所蔵する美術作品の管理運営を行なう、フランス文化省管轄の団体。対象となる美術作品は50万点以上。所有する美術作品の写真のデジタルデータ化も手がけるが、保存や普及の目的で品質よりも数を優先、現在12万作品のデジタル化が完了している

今回のパートナーシップで行なわれる、具体的な事業内容は以下の4つ。

・プリマグラフィー

“プリマグラフィー(PRIMAGRAHIE)”は、デジタル技術を駆使した高画質の複製画の意で、出版物や家庭用のインテリアといった用途や紙質に合わせ、凸版印刷が美術作品のデジタルイメージを印刷するというサービス。第1段階として、イベントやカタログによる販売を行ない、今年度中にはオンライン販売の開始も予定している。オンライン販売時の課金方法や具体的な価格等は未定。

・デジタル画像配信用ソフト

これは、企業や公共施設をターゲットに、CATVなどのネットワークを利用し、文字情報と画像データを組み合わせたデータ配信サービス。ディスプレーは、(株)日立製作所の14.1インチのTFTカラー液晶を4面並べたマルチ液晶ディスプレー『SelecTop Multi』を推奨する。配信する美術作品は、RMNの所有する写真データから主題や作者といったテーマで分かれたソフト(1タイトルにつき10作品収録)数タイトルが用意される。現在、長野CATVを利用したテスト放送を開始しているが、本サービスの開始時期や価格は未定。

・電子美術映像ソフト

文字情報と美術作品の画像データを組み合わせたソフトを、企業や公共施設をターゲットとして販売する。これはネットワーク配信には対応していないスタンドアロンのシステム。第1弾の専用ディスプレーとして(株)日立情報ネットワークが、デジタル絵画システム『KaleidoArt』を9月1日に販売する。これはXGA対応の41インチディスプレー(1024×768ドット、26万色)と、専用映像制御装置が組み込まれたイーゼルとキャンパスを模したデザインの受像機。価格はオープンプライスで、予想実売価格は370万円。この『KaleidoArt』用のソフトは、美術作品の主題や作者といったテーマ別のソフト(1タイトルにつき作品数本を収録)を数タイトル用意し、価格は7万円から。

・ミュージアムグッズ

美術作品のデジタルデータをプリントしたスカーフなどイベントや美術館の製作と販売を行なう。また、企業のギフトとして受注形式の製作も予定する。

RMN所有の美術写真のデジタルデータ化は、独占契約を交わさない

エールエムエヌジャポン代表取締役社長でRMN編集技術局長を兼任するジャン=ジャック・ルグブル(Jean=Jacques Lugbull)氏は、「RMNの使命は、傘下の美術館の所蔵作品を出来るだけ広く知らしめるものである。直接美術館に足を運べない人に対する作品紹介、国際的な作品の紹介と運用、作品保護と運用のためのデジタルイメージ化など最新技術の採用の3つが活動の核となっている。イメージモールジャパンのデジタルイメージ化など販売と流通の技術力に期待している」とし、イメージモールジャパンとのパートナーシップは長期的な継続を視野にいれているという。

イメージモールジャパン代表取締役社長の小森小森雅夫氏は、「RMNは、イメージモールジャパンにとって美術資産を考える上で、最もよきパートナー。これをベースに、高級品から普及品、企業や公共の団体から家庭や個人まで、サービス・流通・商品を提供したい」という。

RMNが所有権を持つ美術作品の写真のデジタルデータ化は、作品の広い普及を第1とするため、特定の企業とデジタルデータ化に関する独占契約を交わさない方針となっている。同団体は昨年、大日本印刷(株)と“RMNイメージアーカイブ”プロジェクトを開始している。このプロジェクトは、作品のデジタルデータ化や販売、グッズ作成を企画し、一部の事業はスタートしている。このことに対してイメージモールジャパンは「なるべく大日本印刷の事業と重ならない形で進める」と、共存の姿勢を打ち出している。一方、大日本印刷は「相乗効果で、市場の拡大につながる」と歓迎の意を表している。

【関連記事】【INTERVIEW】イメージモールジャパン社長小森雅夫氏インタビュー~デジタル資産運営組織とは
http://www.ascii.co.jp/ascii24/call.cgi
?file=issue/981215/keyp02.html

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