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教材作成に際しての著作権確認代行はビジネスになるか――CEIN'99開催(後編)

1999年06月16日 00時00分更新

文● 野々下裕子

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11、12日の2日間、大阪市内の関西特許情報センターを会場に開催された『シビックアントレプレナー国際ネットワークフォーラム'99』(通称CEIN'99)。ここでは第2日目のリポートをお伝えする。

白熱する議論――ネットで公募したプランを具現化へ

2日目のプログラムは、ほとんどがワークショップで構成されている。その内容は、開催前にインターネットなどで公募したビジネスプランを、実現化に向けて討議していくというものだ。

まず、最初にグループ分けをするために、それぞれのビジネスプランについて、提案者が10分間のプレゼンテーションを行なう。その後、参加者は興味を持ったテーマごとに即席のグループを作り、徹底的に討議していく。討議に際しては、初日のパネルディスカッションが大きなヒントとなっただろう。新しいビジネスの支持を得るには、市場性、専門性、実現性など、それぞれのポイントをクリアーしなければならない。

昼食を終えてから午後4時までの時間内で、プランの再検討からプレゼンテーションのまとめまで行なう。うまくいけば現実のビジネスとなる可能性も高いだけに、討議は自然と白熱していった。

興味を持ったビジネスプランのグループにそれぞれ移動
興味を持ったビジネスプランのグループにそれぞれ移動



討議にもだんだん熱が込もってくる
討議にもだんだん熱が込もってくる



ワークショップでの討議結果をまとめて10分間のプレゼンテーションを行なう
ワークショップでの討議結果をまとめて10分間のプレゼンテーションを行なう



イベント終了後もプランの練り直しを期待

提案されたビジネスプランは全部で5つ。中でも、帝塚山大学情報経営学部の日置慎治助教授が企画する“インターネット教材らくらく開発” は、オンラインの教材を制作する際の著作権確認作業などを代行するといったもので、プレゼンテーション内容も含めてかなり実現性の高いものとなっていた。

(株)京都ソフトウェアリサーチより提案された“京都ショップガイドサービス”は、携帯電話の情報サービスを応用したもので、企画書の段階からかなり綿密な内容になっていた。結局、情報提供の観点から2つのグループに分かれ、それぞれの面からの実現性や市場性などがプレゼンテーションされることになった。

今回のこの時点では時間の関係もあって、発表だけで終わってしまったが、イベント終了後も実現に向けて、プランの練り直しなどが行なわれることが期待された。
 

公募から取り上げられたビジネスプランは全部で5つ
公募から取り上げられたビジネスプランは全部で5つ



起業家を目指す人たちが1人でも増えて欲しい。そんな願いをこめて

イベントの最終プログラムは、そんな願いを込めた、シリコンバレーの現役エグゼクティブ2名からのビデオレターである。CEIN'99のスタッフでシリコンバレー在住の、米国ホットラインインテグレーターの渡辺吉範氏が自らビデオに収めたものだ。

KTEC(Kansas Technology Enterprise Corp)のリチャード・ベンデス社長は、自らの起業体験を元にしたコメントが。小規模投資ファンドARMF(Applied Research Matching)の責任者であるキース・モーザー氏は、今後のベンチャー市場の可能性などについてコメントした。 

フィナーレでは、CEIN'99実行委員長の石谷操氏から来場者に向けて感謝と応援のメッセージが贈られた。今回のイベントは委員長の石谷氏をはじめ、スタッフのほとんどが昼間は仕事を持っている社会人である。そして、学生たちがそのバックアップを果たした。スポンサー探しから広報、設営まで、すべてが手作りで進められた。同じ起業家を目指す人たちが1人でも増えて欲しい。そんな願いを込めたスタッフたちによって、CEINは年に1度のイベントから、通常運営の事業として運営される予定である。アントレプレナーたちによってどんな新しいビジネスプランが生まれるのかに期待したいものである。

閉会の挨拶をする実行委員長の石谷操氏
閉会の挨拶をする実行委員長の石谷操氏



2日間を通じて総合司会を務めた関西学院大学・総合政策学部の吉屋智章氏
2日間を通じて総合司会を務めた関西学院大学・総合政策学部の吉屋智章氏

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