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ソフトバンク、日本版ナスダック、“ナスダック・ジャパン”の設立を発表----2000年末の取引開始を目指す

1999年06月15日 00時00分更新

文● 編集部 白神貴司

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ソフトバンク(株)は15日、記者会見を開催し、米証券業協会(NASD:The National Association of Securities Dealers)と提携し、NASDが米国で運営する米国ナスダック証券市場(ナスダック)の日本版、“ナスダック・ジャパン”を2000年末までに設立すると発表した。

NASD会長兼CEO、フランク G.ザーブ氏(左)と、ソフトバンク社長、孫正義氏
NASD会長兼CEO、フランク G.ザーブ氏(左)と、ソフトバンク社長、孫正義氏



ソフトバンクとNASDは、ナスダック・ジャパンの設立のため共同出資で、“ナスダック・ジャパン・プランニング株式会社”を6月中に設置するという。資本金は6億円で、2社が50パーセントずつ出資する。代表者には孫正義ソフトバンク社長が就任する。ナスダック・ジャパン・プランニングは、ナスダック・ジャパン設立への準備が主業務となり、取引開始と同時に“ナスダック・ジャパン株式会社”に名称を改め、市場の運営にあたる。

ナスダックは、NASDが'71年に開設したオンラインによる電子証券取引市場で、IT、ハイテク関連企業を中心に、約5000社の企業が株式を公開している。物理的な取引の場を持たずに、コンピューターネットワークを用いて株式の売買を行なう。現在、売買高、売買株数、登録企業数すべてにおいて、米ニューヨーク株式市場を上回り、世界最大の株式市場となっている。おもな登録企業として、米マイクロソフト社、米インテル社、米シスコシステムズ社、米デルコンピュータ社などがある。

ナスダック・ジャパンは、米ナスダックにならって物理的な取引所は設置しない。インターネットなどを利用して国内外の証券取引所や証券会社各社と直接接続するという。当面は米ナスダック市場に公開されている株式を扱うことになるが、孫氏は、「日本の成長企業の公開がナスダック・ジャパンの活性化につながるので、国内企業の公開を促していく」と語る。

同氏によると、ナスダック・ジャパンでは、円ベースおよび日本語での投資が行なえるようにする方針だという。また、2000年末に予定されている取引開始の時点で、米ナスダックに公開されているすべての株式を取り扱えるようにする予定であることも明らかにした。

孫氏は、「今日はソフトバンクとNASDにとって非常に有意義な日となった。さきほど14時30分に、2社間での契約に合意したばかりだ。世界最大の証券取引市場であるナスダックと協業できることに大きな意義を感じている。“Free”、“Fair”、“Global”を企業理念として掲げて、新たな金融市場を作りたい」とコメントした。

NASDの会長兼CEO、Frank G.Zarb(フランク G.ザーブ)氏は、「NASDが海外に市場を運営する企業を起こすのは今回が初めてとなる。日本での取り組みが成功すれば、欧州などワールドワイドへの展開もみえてくる。ソフトバンクならびに孫氏は、ナスダック・ジャパンにとって最適なリーダーだ。2000年末の取引開始に向けて、リーダーシップを発揮してくれると期待している」と語った。

なお、複数のソフトバンクのグループ企業が米ナスダックに株式を公開しているが、それらの企業およびソフトバンク自身がナスダック・ジャパンに株式を公開するかについては、現在のところ未定だという。また、ソフトバンクのビジネス戦略にも変更などはないという。

ただ、ナスダック・ジャパンに登録することで、米ナスダックへの登録が行ないやすくなることは確実だ。「ナスダック・ジャパンの企業審査は米ナスダックのルールにのっとって」(孫氏)おり、日本での審査をクリアした企業にとっては、米国に進出するときにアドバンテージを得るということになる。

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