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S3、ビデオメモリー16MBを搭載可能なノート用3Dグラフィックアクセラレーターを発表

1999年06月07日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之

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「ノート向けながらデスクトップ同様の性能」

米S3社は7日、都内で記者発表を行ない、16MBまでのビデオメモリーを搭載可能な、ノートパソコン用3Dグラフィックアクセラレーター『モバイルSavage』ファミリーを発表した。この製品は、デスクトップパソコン用の3Dグラフィックアクセラレーター並みの性能を持ち、低消費電力を実現したという。第3四半期から出荷する。1000個ロット時の価格は42ドルからとなっている。

S3社のモバイル部門副社長兼ジェネラル・マネージャー、リック・バーグマン(Rick Bergman)氏「『モバイルSavage』は、妥協しないグラフィックス性能と、妥協しないモバイル性能で作り上げられた製品」
S3社のモバイル部門副社長兼ジェネラル・マネージャー、リック・バーグマン(Rick Bergman)氏「『モバイルSavage』は、妥協しないグラフィックス性能と、妥協しないモバイル性能で作り上げられた製品」



米GT Interactive Software社の3Dゲーム『Unreal』を使ったデモンストレーション画面。ノートパソコンとは思えない精緻な画像が高速に動いていた
米GT Interactive Software社の3Dゲーム『Unreal』を使ったデモンストレーション画面。ノートパソコンとは思えない精緻な画像が高速に動いていた



モバイルSavageファミリーは、『Savage/MX』と『Savage/IX』の2つの製品ラインからなる。両製品は385ピンのPBGAパッケージで提供され、270MHzのRAMDAC、LCDコントローラーを内蔵する。Savage/MXが外部にビデオメモリーを持つのに対して、Savage/IXでは、パッケージ内に4、8ないし16MBのビデオメモリーを内蔵する点が異なる。メモリー以外については共通で、ドライバーソフトも同じものが利用できる。

グラフィックにおいては、32bitカラーによるレンダリング、トライリニア・フィルタリングにおいて毎秒1億ピクセルのフィルレート、毎秒500万トライアングルのセットアップエンジンといった性能を備える。AGP2×、3Sテクスチャー圧縮(S3TC)もサポートする。3Dのパフォーマンスについては、『3D WinBench99』によるベンチマークにおいて、カナダのATI社の『Mobility』、米NeoMagic社の『NMG6+』に比べ、およそ3倍の性能を持つという。

Windows 2000のマルチモニター機能に対応

Windows 98、Windows 2000でのマルチモニター機能にも対応し、LCD/CRT/TVを自由に組み合わせてのディスプレー出力が可能。それぞれのディスプレーごとに、カラー深度やリフレッシュレートの設定ができる。DVD再生のための動き保証エンジンを搭載し、DVDをフルレートで再生可能。DVDのコピープロテクションにも対応している。

また、モバイルSavageファミリーは、0.18μmルールで製造され、コア電圧は1.8V、消費電力は、サスペンド状態で10mW、2Dアプリケーションの表示で750mW、3Dアプリケーションの表示でも1.4Wとなっている。

製品の価格(1000個ロット時)は、Savage/MXが42ドル(約5170円)、Savage/IX(4MB)が49ドル(約6030円)、Savage/IX(8MB)が56ドル(約6890円)、Savage/IX(16MB)が68ドル(約8360円)となっている。

ノート製品でもNorthBridgeとの統合製品を提供

記者発表では、今後の製品ロードマップについても触れた。2000年にはAGP4×をサポートする、モバイルSavageファミリーの後継製品が投入される予定であること、NorthBridgeとの統合製品についても提供の予定があることを明らかにした。また、デスクトップパソコン用製品についても、現行の『Savage4』の高速版を近々投入すると明らかにした。

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