パソコン関連の業界5団体から構成されるPCコンシューマ・サポート協議会(PC-SOS)は、平成11年度の事業計画を発表した。同協議会では今年度の重点的課題として、小企業やSOHOにおけるパソコン・ネットワーク導入状況の実態を調査する“パソコンユーザ底辺層の実態調査”の実施、および、パソコンサポートサービスを行なう企業やボランティアを公募・審査する“パソコン
ユーザ サポート大賞1999”の実施を挙げた。
*PC-SOSに参加する5団体は以下のとおり。
(社)パーソナルコンピュータユーザ利用技術協会(PCUA)
(社)日本コンピュータシステム販売店協会(JCSSA)
(社)日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会(JPSA)
(社)日本電子工業振興協会(JEIDA)
日本ユースウェア協会(JUA)
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| PC-SOSユーザー及びプロバイダー実態調査推進体制委員長を務める(株)ジャストシステムCS推進部部長の西尾延氏(左)と、PC-SOS代表で徳島文理大学教授の中西俊男氏 |
PC-SOSは、パソコンユーザーサポートの質的向上やサポート環境の拡大を目指し、通産省の指導のもと'97年に設立された。主な活動は、パソコンユーザーサポート業者のデータベースを作成することと、“パソコン
ユーザ サポート大賞”運営の2点。今回発表されたSOHOや小規模事業者に対する実態調査は、今後の活動における3つ目の大きな核となる。
現在、同団体のデータベースに登録されている事業者は全国で約800。PC-SOSはホームページを通じて事業者の所在地、サービス内容などを一般に公開している。登録されている事業者は、パソコン教室から、パソコンショップ、メーカーと幅広い。パソコンやネットワークのユーザーサポートに関する業務を行なっている事業者であれば、登録に際して制限は設けていないという。また登録に際して費用は一切徴収していない。今後は登録事業者数を1500まで引き上げ、さらに将来的にはサービス内容に対する“格付け”を実施していきたいとしている。
“パソコンユーザ底辺層の実態調査”
“パソコンユーザ底辺層の実態調査”は、小規模事業者やSOHOを対象にアンケート調査を行なうことで、経営者の情報化意識など情報化推進の実態と問題点を明らかにすることを目的として実施される。今夏には、該当する事業者にアンケートを実施(アンケート項目は未定)、秋に分析結果が発表される予定となっている。こうした調査を実施する背景として、ユーザーサポートメニューが拡大傾向にあるのにも関わらず、サービス全体の質の向上が遅れているという現状がある。PC-SOSはこれを“業界の横断的課題”と認識し、サービスの受手であるユーザー側の問題点を調査するに至った。対象に選んだ小規模事業者やSOHOの現場では、情報の管理責任者が不明確であったり技術的専門者が不在であったりするため、パソコンやネットワーク導入後の問題が少なくないと考えられる。
調査結果は、PC-SOSやその構成団体の活動やデータベースに登録され、サービス事業者をはじめ一般に公開される予定。PC-SOSのような横断的団体が、SOHOや小規模事業者を対象に調査を行なうのは今回が初めてという。
“パソコン ユーザ サポート大賞1999”
昨年から実施されている“パソコン ユーザ
サポート大賞”が、を今年度も実施される。これはサポートサービスを実施している団体を一般から公募し、審査、表彰するもの。7月12日から公募を開始し、11月に開催されるCOM
JAPANの会場において表彰を行なう。昨年度は、仙台シニアネットクラブ、東京・世田谷区のコンピューターおばあちゃんの会など、ボランティア団体が多く入賞した。今年度は、“ビジネス部門”と“草の根部門”の2部門に分けて募集を行なう。PC-SOSの西尾氏は、「バグの修正やトラブルシューティング、ソフトのインストールやマシンのセットアップといったサポートは、従来から企業がビジネスとして行なっている。それに対し、具体的な操作や作業環境の整備といったビジネスについては、ボランティアレベルから発生するといった構造ができたほうがよいのでは」と、今後のボランティア活動に期待を寄せた。
