このページの本文へ

NTTドコモ、英シンビアン製OSを採用した電子メール端末を来春発売

1999年05月28日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷



英シンビアン社は27日、エヌ・ティ・ティ移動通信網(株)(NTTドコモ)の要求に基づいて、電子メール用端末に関する仕様を策定したと発表した。これは、両社が3月15日に交わした、携帯端末向けOSに関する協力についての覚え書きによるもの。NTTドコモではこの仕様に基づいた電子メール用端末を1年以内に発売する予定。

英シンビアンのマーケティング&セールス担当上席副社長ユハ・クリステンセン氏(Juha Christensen)(左)とNTTドコモのモバイルコンピューティングビジネス部新ビジネス担当部長前田正明氏(右)
英シンビアンのマーケティング&セールス担当上席副社長ユハ・クリステンセン氏(Juha Christensen)(左)とNTTドコモのモバイルコンピューティングビジネス部新ビジネス担当部長前田正明氏(右)





今回の記者発表で公開された、コンセプトモデルのモックアップ。厚さは1cmほどで、ジャケットの内ポケットに楽に入る大きさ。
今回の記者発表で公開された、コンセプトモデルのモックアップ。厚さは1cmほどで、ジャケットの内ポケットに楽に入る大きさ。



今回の電子メール端末の仕様の詳細については明らかにされていないが、NTTドコモの前田部長によれば、

・電子メールユーザーのための端末

・入力はキーボードによる

・メールはテキストに限定されない(画像ファイルなどマ
 ルチメディア対応)

・シンプルでわかりやすいこと

といった点に留意して決定されたという。OSには英シンビアンが無線携帯情報端末用に開発した『EPOC OS』が使用される。

記者発表で公開されたコンセプトモデルのモックアップは、NTTドコモが現在発売している『ポケットボード』と同様に、携帯電話に接続して使用するという想定のもので、まずはこのタイプの製品が発売されるという。「これは、NTTドコモが先の覚え書きに基づいて発表していく製品の最初のもの」「PHSに接続するタイプのものや、電話機能も備えた一体型の製品も考慮はしている」(前田部長)と、さまざまな製品が投入される見込みであることを示唆した。

また、製品自体の発売はNTTドコモであるが、開発に当たってはソニー(株)、日本電気(株)、松下電器産業(株)、三菱電機(株)といった「ベンダーから今回の仕様に沿った製品を提案してもらう」(前田部長)という。また、この製品以降、NTTドコモの製品すべてがEPOCをベースにしたものになるわけではないことも明らかにされた。

EPOC OSを採用するメリットについて、英シンビアンのクリステンセン上席副社長は、「EPOC OSは堅牢なOSであり、さまざまなミドルウェアやアプリケーションが用意されている」、「(フィンランドの)ノキア社、(スウェーデンの)エリクソン社、米モトローラ社などによって、(無線携帯情報端末分野において)もっともテストされた技術」であることなどをあげた。また、現在のパソコン、インターネットユーザー、無線携帯情報端末(携帯電話などを含む)のそれぞれの伸び率を比較し、「現在インターネットにアクセスするためにはパソコンが主流となっているが、将来はモバイル端末でのアクセスが主流となる」との予想を披露した。

EPOC OSの日本語対応については、「EPOC OS自体はUnicodeに基づいて設計されており、2バイトコードについても問題ない」と述べた(クリステンセン上席副社長)。実際の日本語化作業は、(株)管理工学研究所があたっており、「EPOC OS自体の日本語化作業は終了している」(管理工学研究所の吉村鐵太郎代表取締役社長)という。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン