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レゴジャパンがMINDSTORMSシリーズの新製品をこの秋に発売

1999年05月17日 00時00分更新

文● 浅野純也

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これまでASCII24でも何度か紹介してきたインテリジェント・トイ『LEGO MINDSTORMS』の新製品がこの秋に登場する。LEGO社の日本法人・レゴジャパン(株)がこのほど明らかにした。LEGO MINDSTORMSは、レゴブロックにモーターやセンサーを内蔵したブロックを組み合わせ、パソコンで動きや機能をプログラミングできる知的トイ。昨年欧米で発売されるや爆発的に売れており、日本でもアスキー(http://www.arcs.ne.jp/lego/)が販売するなどファンが多い。

新しく発売されるのは、『Robotics Discovery Set』(RDS)。ブロックを組み立てて動かすところは現在発売されている『Robotics Inventio Set』(RIS)と同じだが、最大の特徴は、組み立てたメカのプログラミングにパソコンが不要な点。RISでメカを動かすためには、パソコン上でプログラミングを行なったあと、シリアルポートに接続した赤外線デバイスを経由して、マイコンとメモリを内蔵したコントロールボックス(RCX)へプログラムを転送する必要があったが、RDSではRCXの代わりに『スカウト』と呼ばれる単体で簡易プログラミングが可能なコントロールボックスを使用する。

 RDSの作例のひとつ『バグ』。文字どおり虫のようなロボットで、コミカルな動きを見せる。タッチセンサーに触れると後ずさりする。中央の青い大きなパーツが『青いRCX・スカウト』
RDSの作例のひとつ『バグ』。文字どおり虫のようなロボットで、コミカルな動きを見せる。タッチセンサーに触れると後ずさりする。中央の青い大きなパーツが『青いRCX・スカウト』



左右に並行移動しながら、ボールを投げ返す『フーパーロボット』。1人でキャッチボールができる 左右に並行移動しながら、ボールを投げ返す『フーパーロボット』。1人でキャッチボールができる



 3つ目の作例『アラームロボット』。スカウト内蔵の光センサーに当たる光が遮られると右端に装備したロケットが飛び出し、アラームが鳴る“簡易警報機”
3つ目の作例『アラームロボット』。スカウト内蔵の光センサーに当たる光が遮られると右端に装備したロケットが飛び出し、アラームが鳴る“簡易警報機”



 アラームロボットのロケット発射部分のアップ。モーターがカムを回転させてスイッチを押す仕組み
アラームロボットのロケット発射部分のアップ。モーターがカムを回転させてスイッチを押す仕組み


スカウト本体には従来よりも大きめの液晶パネルが搭載されており、モーターとタッチセンサー、光センサーそれぞれに対して、あらかじめ用意されたコマンドを選択することでメカの動きや機能を与えるようになっている。具体的には、モーターに対してはFORWARD、ZIGZAG、CIRCLE(左右)、LOOP A/B、タッチセンサーにはREVERSE、AVOID、WAIT FOR、OFF WHEN、光センサーにはSEEK(明暗)、AVOID、WAIT FOR、OFF WHENとそれぞれのコマンドがあらかじめプリセットされている。たとえばモーターのZIGZAGは左右のモーターを交互に反転させる動きであり、タッチセンサーのAVOIDはタッチしたら避けるようコマンドを出し、WAIT FORはセンスされるまで何もしないなどの意味が与えられている。この中から各カテゴリー別にコマンドを1つ選択して、モーターとセンサーの機能を決定することになる。このほか、モーター駆動時間の長さを決定したり、エフェクトとして音を出すか出さないかの設定や、虫のような動きを再現できるコマンドもある。また、このスカウトは赤外線ポートも搭載しており、将来的にはパソコンやスカウト同士の交信も可能な仕様だ。

スカウトのアップ。コネクタはモーターが2つ、タッチセンサーが2つ。光センサーは前方に内蔵される。中央上が赤外線ポート。液晶パネルの左からモーター、タッチセンサー、光センサーに対するコマンド。下段左がモーター駆動時間、中央がスカウトの動作モード、右が特殊エフェクトの設定ウィンドウ。“Change”ボタンで切り換え、“Select”ボタンで決定する。なお、左上、中央上、中央下の透明な部分はデバイスの動きにあわせて点灯するライト
スカウトのアップ。コネクタはモーターが2つ、タッチセンサーが2つ。光センサーは前方に内蔵される。中央上が赤外線ポート。液晶パネルの左からモーター、タッチセンサー、光センサーに対するコマンド。下段左がモーター駆動時間、中央がスカウトの動作モード、右が特殊エフェクトの設定ウィンドウ。“Change”ボタンで切り換え、“Select”ボタンで決定する。なお、左上、中央上、中央下の透明な部分はデバイスの動きにあわせて点灯するライト



これらはすべてスカウト上のボタンで選択、設定ができるようになっており、その操作は非常に簡単。これまでMINDSTORMSに興味があってもパソコンという敷居の高さを感じて手を出せないでいたユーザー、特に従来のレゴファンの年少の子供にも扱えるよう配慮されている(RISの対象年齢は12歳以上、RDSは9歳以上)。RDSでは虫を模した『バグ』と横移動しながらボールをキャッチし投げ返す『フーパーロボット』、光センサーでセンスするとアラートを知らせる『アラームロボット』の3つのメカが作成できるよう、マニュアルが整備される模様(もちろんさまざまなメカへの応用も可能)。バグは従来のレゴブロックシリーズの『INSECTOIDS』に近いし、『フーパーロボット』はRISオプションの『ROBO SPORTS』に雰囲気が似ており、プログラミング方法だけでなく、同梱されるパーツのバリエーションも分かりやすいものになっているといえる。ちなみにこのスカウト、電源が入っている間は「グッ、グッ、グッ」とサウンドが鳴る仕組みで、心臓音を模したものだという(時間がたつと弱くなる)。

スカウトの前面。光センサーは従来タイプの構造を分離したもので、奥側のLEDが光を発し、手前側で光を検知する仕組み
スカウトの前面。光センサーは従来タイプの構造を分離したもので、奥側のLEDが光を発し、手前側で光を検知する仕組み



RDSにはスカウト(光センサー内蔵)、2つのモーターのほか、400あまりのパーツが同梱される。発売は11月半ば、価格はおよそ2万2000円程度が予定されている。これまで同社はRISをアスキーなどへ卸すのみで自社展開はしてこなかったが、このRDSは同社の販路を通じて、一般玩具店などでも販売する予定。もちろん日本語版だ。同社ではRDSに続いて映画“STARWARS”に登場するR2-D2などのロボットを製作できる『Droid Kit』の発売も予定している。なお、RISの3番目のオプションキットとして予定されていた『Exploration Mars』は来年3月まで発売が延期されている。

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