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'98年下半期のパソコン需用は2ケタ成長--電子協が平成10年度のパソコン出荷実績を発表

1999年05月12日 00時00分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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(社)日本電子工業振興協会(JEIDA)は、平成10年度('98年4月~'99年3月)および平成10年度第4四半期における国内メーカーのパソコン出荷実績を発表した。

JEIDAのパーソナル業務委員会委員長に就任した、松尾好洋氏(富士通(株)パーソナル販売推進統括部 統括部長)
JEIDAのパーソナル業務委員会委員長に就任した、松尾好洋氏(富士通(株)パーソナル販売推進統括部 統括部長)



'98年下半期の国内市場は2ケタ成長を記録

平成10年度のパソコン本体出荷台数は、821万2000台(前年度比同)、総出荷金額は2兆6363億円(前年度比4%減)となった。このうち、国内向けの出荷台数は753万8000台(前年度比10%増)、出荷金額は2兆345億円(前年度比1%減)となった。

昨年度の国内パソコン市場は、出荷台数が第1四半期に前年割れするなど厳しい状況にあった。だが、夏以降にはコンシューマー市場が好調に推移し、下半期は2ケタ成長を記録、最終的には見込みの720万台を大きく上回る結果となった。

特に、第4四半期の国内出荷台数241万6000台、国内総出荷金額6502億円という数字は、消費税率の引き上げ時の駆け込み需要があった平成9年度同期を上回る実績となっている。

JEIDAではこれらの結果を受け、平成11年度の国内出荷予想台数を、従来の728万台から800万台に上方修正している。

なお、平成10年度における金額ベースでの実績が総出荷/国内出荷とも前年を下回ったことに対し、同協会はパソコン本体の低価格化路線が要因と分析。来年もこの傾向は続くとしている。

しかしながら、販売経路の改善やコストの削減といったメーカーの企業努力により、単価の下落が企業の及ぼすインパクトは小さく、市場全体としてはマイナス成長にはならないと分析している。また、液晶ディスプレーの需要が供給を大きく上回っていることから、パソコンの単価は昨年ほどには下がらないという見方を示している。

●総出荷



平成10年度


平成10年度第4四半期


本体台数


821万2000台(0%)


261万9000台(16%増)


金額


2兆6363億円(4%減)


7744億円(8%増)


カッコ内は前年度比/前年同期比

国内出荷



平成10年度


平成10年度第4四半期


本体台数


753万8000台(10%増)


241万6000台(28%増)


金額


2兆345億円(1%減)


6502億円(17%増)


カッコ内は前年度比/前年同期比

WindowsCE搭載機の需用は、JEIDAの統計には計上されていない

ビジネス向けとコンシューマー向けの需用比

ビジネス向けとコンシューマー向けの台数ベースにおける需用比は、同協会が実施したアンケートによると、一昨年度が74:24、昨年度が65:35であった。また今年度は、64:36と、コンシューマー向けが微増することを見込んでいる(金額ベースの比率は未算出)。コンシューマーの伸長は、特に若年層と女性を中心として続いているという。ただし、コンシューマー市場が市場全体の5割に達する時期については、向こう2~3年は実現しないと同協会は見ている。

平成10年度におけるデスクトップ機とポータブル機の比率は53:47であった。同協会は、今年度は54:48と予想する。

--4月から導入されたパソコン減税の影響は出るか

「具体的なことはまだわからないが、パソコン減税の影響は年度後半に現われるとみており、大きく期待している」

--2000年問題が過ぎてからビジネス向けパソコン市場が縮小する危惧はないか

「現在すでに、企業が景気の影響から情報化投資を抑える傾向にあることから、急速に市場が収縮する事態にはならないと考える」

平成10年度において、パーソナルコンピューター出荷実績の自主統計に参加した会社は以下の通り。

アップルコンピュータ(株)、日本電気(株)、沖電気工業(株)、カシオ計算機(株)、キヤノン(株)、三洋電機(株)、シャープ(株)、セイコーエプソン(株)、ソニー(株)、(株)東芝、東芝パソコンシステム(株)、日本アイ・ビー・エム(株)、ゲートウェイ(株)、日本ヒューレットパッカード(株)、パッカードベルNECジャパン(株)、(株)日立製作所、(株)PFU、富士通(株)、松下電器産業(株)、三菱電機(株)

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