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第2回“日本オンラインショッピング大賞”が決定

1998年09月30日 00時00分更新

文● 報道局 横田雅美

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 東京・芝公園の(株)大広東京本社で、25日、第2回“日本オンラインショッピング大賞”が発表された。大賞を受賞したのは、(株)ガリバーインターナショナルの“ドルフィネット”。全国の中古車販売のフランチャイズ加盟店“車買取専門店ガリバー”に、通信衛星を利用した専用ネットワークで接続された“タッチパネル”端末を設置し、消費者が気軽に中古車購入のための情報にアクセスできるようにした点が評価されたもの。同時に、ベストECショップ賞(大規模店、小規模店)各1作、電網ビジネス賞、奨励賞、敢闘賞の計9賞が発表された。

EC研究会の土屋憲太郎代表幹事 EC研究会の土屋憲太郎代表幹事



 “日本オンラインショッピング(OLS)大賞”とは、日本のエレクトロニックコマースやオンラインショッピングの分野で、その発展に貢献していると思われるサービスやWebサイトを表彰するもの。主催は、“日本オンラインショッピング大賞”実行委員会、任意団体のEC研究会、(株)大広。実行委員会は、慶応大学大学院教授の千本倖生実行委員長をはじめとする36名で構成される。

 募集対象は、“インターネットと限らず、デジタルコミュニケーション上での有形、無形のものやサ-ビスを有料で販売・提供している企業や個人など”。あるいは“電子ネットワ-クビジネスで、個人が商品やサ-ビスの選択ができ、さらに購買意思をネット上のメニュ-で選択可能なサイトを含む”ものとなっている。現在は、まだ、オンラインショッピングは草創期にあるという認識のうえで、ユニークさ、有益さ、便利さなどを優先して、成功事例を選考するという。

 発表会の会場では、はじめに大広の小田康二常務取締役が挨拶。EC研究会の土屋憲太郎代表幹事が司会をつとめた。

 まず、土屋氏が今回の“日本オンラインショッピング大賞”について応募状況などを述べた。応募総数は、昨年比の2倍強の321件。日本のオンラインショッピングが徐々に広がりを見せつつある点を強調。昨年の“日本オンラインショッピング大賞”を「ネット上での商い(ECショップ)の原点確立の年」と位置付け、オンラインショッピングを、需要と供給、商売をする側と消費をする側とがマッチする“マッチングビジネス”として、今年を「3けた(100億円)を超す、マッチングビジネスの成功事例、輩出の年」と表現した。

 続いて、第2回“日本オンラインショッピング大賞”が発表された。受賞したのは、(株)ガリバーインターナショナルの“ドルフィネット”。受賞理由は、全国の中古車販売のフランチャイズ加盟店“衛生CARショップドルフィネット”に、通信衛星を利用した“タッチパネル”端末を置き、消費者が気軽に中古車購入情報にアクセスできるということ。当日、実際のサービスのデモは予定に入っていなかったが、会場にいた同社の土屋希介氏が急遽、実演。通信衛星を利用して、中古車の入荷をすぐに消費者に“知らせる”というスピーディーさをアピールした。

(株)ガリバーインターナショナルの土屋希介氏 (株)ガリバーインターナショナルの土屋希介氏



 次に、最終選考委員のひとり、(株)野村総合研究所のコンサルタントである藤元健太郎氏が、「大賞、部門賞の選考はかなり難しかった」と感想を述べ、「今後の展開としては、自動車、不動産、旅行などの分野がエレクトロニックコマースによって変化するのではないか」と続けた。

 最後に総括として土屋氏が、マイクを握った。“日本オンラインショッピング大賞”はもともと、日本のエレクトロニックコマースやオンラインショッピングの分野で、今後の発展に貢献していくと思われるサービスやWebサイトを見つけ出し、表彰することによってその分野を啓発していく「草分け的な活動」であると述べた。“電子ネットワークビジネス大賞”については、今回はじめて電子メールのメーリングリスト(実行委員108名)による人気投票で、全体広告収入が50億円に達したという(株)リクルートのホームページ“Mix Juice”が選ばれたことを発表。また多くのオンラインショッピングのWebサイトを支える懸賞Webサイトの“とくとくページ”や、コンビニ決済のウェルネット(株)を評価したいため、審査員特別賞を設置したと述べた。そして今後、このようなプラットフォームビジネスが増加するのではないかとの見通しを述べた。

 今回の発表を通して“日本オンラインショッピング大賞”は、いかに見かけが整ったWebサイトやサービスであるかということよりも、むしろ、消費者が使いやすいか、そして入り込みやすいかを評価する、ユニークな審査方法である印象を受けた。選考対象を、大手企業のWebサイトだけでなく、努力の感じられる中小企業のWebサイトまで広げたという意味で、土屋氏が総括の中で強調した「草分け的な活動」という言葉が、まさにふさわしい“大賞”と言っていいだろう。

 なお、授賞式は、10月16日に行なわれる。

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