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【Contents Survey】自治体からの情報も「使える」時代に!

1998年08月21日 00時00分更新

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自治体のホームページも案外仕事に使える

 昨今のインターネットブームや国の地域情報化の掛け声に乗って、またぞろ“自治体からの情報発信”熱が盛んになってきている。特にホームページによる情報提供は、専用のシステムによるものに比べて一見手頃に開設できることもあって急速にその数が増え、すでに800を越すホームページが提供されている。しかし、これらのなかには簡単な観光案内や自治体の“お国自慢”など、お粗末なコンテンツにとどまっているものも少なくない。

 そうしたなか、都道府県や大都市が提供するホームページのなかにはようやく現在のインターネット利用者のニーズを踏まえた“使える”ホームページが現われてきた。

東京都のホームページ

 代表的なものは東京都のホームページだ。派手な画像がほとんどなく画面構成が簡潔でわかりやすくため、必要な情報に到達する時間が最小に抑えられている。発表されたすべての報道資料がそのまま提供されていたり、各種審議会議事録などが加工されていない形で提供されているので、研究や調査などの仕事に大いに役立つ。これまでに蓄積された情報を検索できる機能もありがたい。

 また、数は少ないものの統計情報がテキスト形式やエクセル形式のファイルで提供されているので、多くのパソコンで利用できる。都立図書館の蔵書検索ができることも仕事の助けになる。特筆すべきは、今年はじめまでに提供された数年分の全データをCD-ROMでも提供している点だ。都庁の都民情報ルームで1,120円で購入できる。

 東京都以外にも山梨県、愛知県、大阪府、沖縄県など、統計情報が充実したホームページもある。岩手県のように統計情報が数表も含めすべてグラフィック扱いで全く再利用ができない恐るべきものもあるが、一度自治体のホームページを改めて見て回ると良い。仕事に使えるものに出会うかも知れない。

CD-ROM『ふくおか風土記97」

メインのメニュー。多岐にわたるテーマで構成されている。
メインのメニュー。多岐にわたるテーマで構成されている。



 また、さきごろ発行された『ふくおか風土記97』というCD-ROMも仕事に使えるCD-ROMだ。自治体が発行するこの種のものにはとかく幼稚なものが多いが、同ROMはしっかりとした編纂体制を組み、大学の研究者などの専門家の手による内容になっている。

 コンテンツは福岡県の概要、歴史、鉱工業、農業、自然、文化芸術、成長する福岡、市町村といったテーマに分かれ、それぞれは書き下ろしの文章、図表、写真などを元にさまざまな切り口で福岡の姿を描き出している。

 特筆すべきは、収録されたデータの多くがパソコンで利用できること。県内97市町村別の人口、事業所数、就業者数などの主要統計、福岡県関係の歴史年表、文化財リストなどのデータを表計算ソフトなどに取り込むことができ、教育現場での教材づくり、学習活動、調査研究などに活用できる。

データ

・東京都のホームページのURL
 http://www.metro.tokyo.jp/

・東京都のCD-ROMの問い合わせ先
 東京都政策報道室都民情報ルーム TEL.03-5388-2276

・「ふくおか風土記97」の問い合わせ先
 財団法人福岡県市町村ふるさと交流センター TEL.092-632-1323

中村広幸(なかむらひろゆき)氏のプロフィール

(株)情報環境研究所代表取締役。コンピュータやサイエンス分野のフリージャーナリスト、通信分野のコンサルタントを経て現職。

この記事は、「Focussed Series」からもアクセスできます。多彩な筆者の寄稿を収録中です。

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