カナダのコーレル社は、『Corel WordPerfect Suite 8J』を発売した。同製品は、主要なアプリケーション『Corel
WordPerfect 8J』、『Corel Quattro Pro 8J』、『CorelCENTRAL 8J』を統合したスイート製品。Windows95/NT4.0に対応。標準価格は4万4800円。ほかに、写真加工・ビットマップ作成ツール『Corel
Photo House 1.1J』が同梱される。
同バージョンで新しく追加された機能は、アプリケーション間で共通のインタラクティブヘルプウィザード『PerfectExpert』。改善点は、各アプリケーションのメニューやツールの統一、HTMLへ書き出し、Webへのリンク付けが可能になったところだという。
・ワープロソフト『Corel WordPerfect 8J』
新たな機能として、リアルタイム文法チェック(欧文対応)スペルチェック機能が追加された。また、欧文フォントと日本語フォントをそれぞれ別に指定できるデュアルフォント機能も加わった。
・表計算ソフト『Corel Quattro Pro 8J』
印刷時と同じページ表示が可能なWYSIWYGページ表示機能。セルの数式・関係がチェックできるセル参照チェッカー。アプリケーションバーのクイックセルボックスにセルをドラッグし、関連するセルの値を変えたとき、更新された値を常時表示することができるクイックセル機能などが追加された。
・プレゼンテーションソフト『Corel Presentations 8J』
さまざまな聴衆に合わせて複数のバージョンのスライドショーを作成、ひとつのファイルに保存できるカスタム聴衆機能。プレゼンテーションをWebで表示できるShowIt!機能などが加わった。
・新規搭載の個人情報管理ツール『CorelCENTRAL 8J』
同ツールは、米ネットスケープ・コミュニケーションズ社の『Netscape
Communicator』を完全に統合することで、カレンダー・スケジュール機能、アドレス帳、カードファイル機能に加え、インターネットのブラウジング、電子メール、ディスカッショングループ、会議機能などを提供するという個人情報管理(PIM)ソフト。『Netscape
Communicator』が提供するWeb機能により、アドレス帳やカードファイルからWebサイトにリンクしたり、会議や行事のスケジュールやワークグループのタスクの管理などが、イントラネットやインターネット上で可能だという。
----本日、同製品の発売に伴い、コーレル社上級副社長ドン・シルベスター(Don
Sylvester)氏が同社の戦略について、語った。
「マイクロソフトは、われわれの競合ではない。マイクロソフトは“環境”だと思っている。よって彼らと戦うのではなく、彼らの存在を前提として、会社の戦略を立てていくつもりだ。キーワードは互換性。信頼性、実在性、互換性で、市場を狙う。『Corel
WordPerfect Suite 8J』に関して言えば、広く普及しているマイクロソフトの『Office
97』から生成されるファイルフォーマットをサポートしている。将来的には、コーレルで生成されたファイルが容易に、マイクロソフト製品に読み込まれ、再びコーレル製品に読み込むことが可能になるようにしたい」
「米国で、先日コンパックと業務提携を結んだ。同製品を3機種のプレサリオシリーズにバンドルし、北米7000の販売店で販売する契約だ。日本市場においても同種の契約を結び、同製品を広めていきたいと考えている。マイクロソフト『Office97』には、ジャストシステムの日本語ワープロソフト『一太郎』でさえ苦しんでいる。われわれは日本市場におけるメーカーの流通網を活用し、コーレルの製品を広めていきたいと考えている」
「また、引き続き“Java”にコミットすることを約束する。“Open・J”(XMLスタンダードとJavaBeansに基づく、簡易なJava言語の開発環境を提供する)、および“jBridge”(ブラウザーからアプリケーションへの橋渡し的役割を提供する)技術に重点をおいて、製品を展開していく予定だ。“jBridge”を導入した製品としては、『Corel
WordPerfect Suite 8 with jBridge(仮称)』を、’98年の晩夏、もしくは初秋に米国で発売する予定。ユーザーは、Web-Top-Based
Alternativeを探している。“Java”はこれを可能にする」と、同氏は語った。(報道局
西川ゆずこ)
http://www.corel.com/