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【INTERVIEW】コンパック、キヤノン販売との提携で「手応えを感じています」

1998年04月13日 00時00分更新

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 コンパックコンピュータ(株)が、同社の『PRESARIO』シリーズに関する商品企画、マーケティング、販売において、キヤノン販売(株)と提携を発表したのは1月下旬のこと。提携後、最初のPRESARIOシリーズが発売されてから、わずか1ヵ月が経過したところだが、早くも結果が現われているようだ。同社コンシューマ・コンピュータ製品部の樋口泰行氏にお話を伺った。



----キヤノン販売との提携後の製品が発売されて1ヵ月が経過しましたが、今までと何か変わりましたか?

 「実際の発売は3月7日で、まだ助走期間という感じですが、手応えは感じていますし、出足は好調ですね。特に、価格・スペックの両面での競争力がアップしていると思っています。従来よりも店頭での販売スペースも上がってきていますからね。本格的な宣伝・広告は次回製品からの展開になります」

----具体的に、今までのコンパックコンピュータに足りなかった点とは何でしょうか?

 「海外のメーカーにとって、日本市場というのは非常に難しいものがあります。そういった意味で、市場のニーズに近いところまで降りていけませんでした。従来は“プロダクトアウト”、すなわち(メーカー主導のマーケティングで)ユーザーのニーズを吸い上げることができませんでした。現在は(キヤノン販売との提携で)ニーズの吸い上げが大きくなっています。おかげで、時期に応じて、正しい量を正しい価格で提供できるようになりました。PCは売り始めたころには製造が終わっていますからね」

----AMD製のCPUの採用や筐体の色など、『PRESARIO 2240』が、最も今回の提携による影響の強い商品だと思いますが?

 「『PRESARIO 2240』シリーズは確かに戦略は当たっていますね。アイボリーという色も好評なようです。『Word/Excel』搭載モデルがないという不満の声はありますが、基本的にエントリー機ですからね。現在はAMD-K6プロセッサーを採用していますが、今後ということになると、1社のCPUを使い続けようという確固たるポリシーみたいなものは持っていません。十分な(CPUの)量を供給してもらえるかということに注目していますね。コンパックとしてのコンパチビリティーが取れればいいと思っています」

----今後の『PRESARIO』シリーズについても、やはり最先端技術を投入していのでしょうか?

 「最近、PCの平均価格帯が下がってますよね。ちょっと前まで25万円前後だったのが、20万円前後になってきています。しかも、10万円台でもそこそこにいいスペックのPCが買えますからね。ユーザーにも「そんなにいいものはいらない」という傾向が見え始めてきました。ですから、“PRESARIOシリーズにもすぐに最先端技術を”ということはあまり考えていないんです。あと、傾向として、ノートPC指向はますます強まってくるでしょうね。液晶ディスプレー一体型の『PRESARIO 3000』シリーズについては『PRESARIO 3070』で区切りをつけます。液晶ディスプレーと本体は分離させたほうがいいと思っているんですよ」

----'99年中には日本でのシェアを10パーセントにまで向上させると発言されていますが?

 「10パーセントへの足がかりはできたと思っています。あとは、知名度アップなどのブレイクスルーが必要ですね。また、店頭での販売スペースを拡げること。これはデスクトップ製品からやっていこうと思っています」

 最後に樋口氏は「PRESARIOシリーズのプライスパフォーマンスには、絶対の自信があります」と、力強く語ってくれた。また、最近のPC市場については、「冬の商戦あたりは、若干上向きなると思います。一時的な状況でしょう」と分析している。(報道局 井上哲郎)

http://www.compaq.co.jp/

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