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マイクロソフト、Windows Terminal Serverを今夏出荷

1998年04月06日 00時00分更新

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 マイクロソフト(株)は、マルチユーザー対応のWindows NT Serverである『Microsoft Windows NT Server, Terminal Server Edition Version 4.0』日本語版(以下:Windows Terminal Server)、およびWindows Terminal Serverの専用端末『Microsoft Windows-based Terminal』日本語版(以下:WBT)のプレス向け技術説明会を行なった。

“Hydra”日本語版お目見え

 Windows Terminal Serverは、開発コード名“Hydra”と呼ばれていたもので、Windows NT Serverにマルチユーザー機能を追加した製品。米国では現在beta2がリリースされている。同時に複数ユーザーによる会話型セッションをサポート、ユーザーごとに仮想のWindows NT Workstationが割り当てられ、Windows NT Workstation上でWindowsアプリケーションを実行できる。

 アプリケーションは、サーバー上で集中管理、実行し、画面イメージをクライアントに送信する。また、クライアントからのキーボードおよびマウス入力を受信する。フォント処理に関しては、クライアントのフォントを利用する。クライアントにフォントが存在しない場合は、サーバー側でビットマップに変換、クライアントに送信するほか、外字もビットマップとして転送する。また、日本語入力(IME)はサーバー側で処理される。そのほか、日本語版はMS IMEのWindows Terminal Server(マルチユーザー)に対応し、日本語キーボード(106など)をサポートしている。同社は、アプリケーションやデータの管理をサーバー上に集中することで、クライアントの管理コストを軽減できるとしている。

 



Windows Terminal Server動作概要

 Windows Terminal Serverの動作概要は、アプリケーションをサーバー上で実行し、ユーザーインターフェースを転送、そしてそれを表示するという3ステップを踏んでおり、それぞれの工程で新技術が利用されている。

 先述のWindows Terminal Serverがアプリケーションをサーバーで実行し、Remote Desktop Protocol(RDP)と呼ばれる技術によって、ユーザーインターフェースがクライアントに送信される。RDPは、TCP/IP上で動作し、Windows Terminal ServerとWBTの間で画像の転送を行なうプロトコルで、約20Kbpsで動作し、電子会議システムITU-T.120に準拠している。

 送信されたユーザーインターフェースを表示するには、WBTまたはWindows-based Terminal Emulatorが利用される。Windows-based Terminal Emulatorは、PCをWindows Terminal Serverのクライアントとするためのソフトで、クライアント側にサーバーから転送されたデータの出力を行ない、キーボード、マウスなどのローカルデバイスの入力を収集する。

 なお、RDPとWindows-based Terminal Emulatorは、Windows Terminal ServerとともにCD-ROMで提供される。

 WBTは、Windows Terminal Serverの専用端末で、Windows CE2.0をROMに搭載。ハードディスクを持たず、4MB程度のRAMとWindowsCEデバイスでサポートされたCPUで動作する軽量(Thin)クライアント。ハードウェアメーカーの沖電気工業(株)、(株)高岳製作所、(株)東芝、日本電気(株)、日本電算機(株)、ネクストネット(株)、(株)日立製作所、富士通(株)、三菱電機(株)、米Network Computing Devices社、米Wyse Technology社の11社がWBTの出荷を予定している。

 



NCおよびNet PCとの比較

 同社は、WBTとNCを比較し、NCがJavaアプリケーションに依存し、Windowsアプリケーションが動作しないのに対し、WBTはWindowsアプリケーションとJavaアプリケーションの両方が利用可能と説明。また、NCは、NCとWindowsマシンの二重のシステム投資が必要なのに対し、WBTは、他のWindowsアプリケーションと共通のユーザーインターフェースを持ち、既存のシステム投資を保護できるとしている。

 Net PCとWBTとのすみわけだが、WBTはサーバー上でアプリケーションを実行するためパワーが限定され、軽い小さなアプリケーションを実行するには適しているが、重い大きなアプリケーションを使用するとサーバーに負荷がかかる。そのためサーバーへの投資がかなりのものとなるので、かえってコストがかかってしまう。重いアプリケーションを実行するにはNet PCのほうが向いており、同社では、Net PCが多目的に利用できる標準的なクライアントであることに対し、WBTは特定業務用端末に適しているとしている。発表会場では、Excelなどを起動してデモを行なっていた。

 また、Windows Terminal Serverが利用できるクライアント数は、使用するアプリケーションによって異なるが、同社は目安として、Pentium-200MHzの場合、1CPUで25クライアント程度としている。

出荷時期

 Windows Terminal Serverの出荷時期は、英語版が今年半ば、日本語版が、英語版出荷60日後の今年夏ごろになる予定。またWBTは、Windows Terminal Serverと同時に、各メーカーより出荷される見込み。

COMDEXにて参考出展

 Windows Terminal ServerおよびWBTの試作機は、幕張メッセで4月6日から9日まで開催される“COMDEX/Japan '98”の同社ブースに参考出展されている。なお、WBT試作機については、ハードウェアメーカー11社のうち、NEC、高岳製作所、NCD、日立製作所、ネクストネット、Wyseの6社が展示を行なっている。(報道局 桑本美鈴)

http://www.microsoft.com/japan/

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