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【INTERVIEW】「HTDLが、マルチメディアの新しい世界標準」神足孝裕スマート・アンド・スウィート社長

1998年04月02日 00時00分更新

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 欧米の新聞社、通信社、出版社など100社が採用するマルチメディア・アーカイブシステム“DC3”を開発した独Digital Collections社(DC社)は、Web上で高速検索可能な新しいマルチメディア・アーカイブ・システム“DC4”を実現するために、新しい言語“HTDL(Hyper Text Dynamic Language)”を開発した。

 HTDL製品の日本の総代理店である(株)スマート・アンド・スウィートの神足孝裕社長に、HTDLの可能性などについて伺った。



----“DC4”、そして“HTDL”とは何か?

 「ドイツのDC社が、'92年に“DC3”というデジタル・アーカイブ・システムを開発し、ヨーロッパの新聞社、通信社、出版社など100社が採用している。新聞社、出版社では、日々蓄積される記事や写真の管理に“DC3”を用いている。しかし、“DC3”は、DC社が作ったUNIXベースのデータベースに画像管理ソフトを組み合わせて作ったシステムで、WindowsNTとの互換性を持たせて欲しい、データベースもオリジナルのものではなくオラクルの製品やマイクロソフトの『SQL Server』に対応したものにして欲しい、インターネットやイントラネット対応にして欲しい、といった要望が強かった。この要望に応えるために、インターネットやイントラネット対応のデジタル・アーカイブ・システムとしてDC社が、新たに開発したのが“DC4”であり、それを実現するために開発した言語が“HTDL”である」

----HTDLの特徴は?

 「HTDLとは、Webページを作成するための標準言語であるHTMLにインタラクティブに動作させるための特別なタグを追加拡張した言語。HTMLでは、データ処理に制限があることや、データベースにアクセスしブラウザー上の表示を変更させるCGIも記述が難しいことなどから、DC社は、直接データベースにアクセスするための言語としてHTDLを開発、また、HTDLのインタープリターとして、HTDLのサーバー用ソフトも開発した。HTDLのインタープリターを搭載したサーバーでは、Web上から、検索の指示を出すと直接データベースにアクセスするため、CGIを経由した場合よりも高速に、マルチメディアデータを検索できる。また、ユーザーがブラウザーを使ってURLを指定して“.htd”または、“.htdl”の拡張子を持つドキュメントを呼び出した場合には、HTDLデーモンがHTDLスクリプトに従い、必要な処理を行ないHTMLのドキュメントを生成する。ユーザーからみると、HTMLもHTDLも同じように見ることができる」

----日本で販売する製品は?

 「HTDLのサーバー用ソフトを、日本向けにローカライズした製品が、『SweetSiteサーバー』と『SweetSiteマネージャー』の2製品。『SweetSiteサーバー』は、『SweetSiteマネージャー』の機能を内包したもので、『Netscapeサーバー』や『IIS』などのHTTPサーバーの機能とHTDLインタープリターの機能が合体したもの。また、『SweetSiteマネージャー』は、HTTPサーバーの裏でデーモンとして働く製品で、サーバー、マネージャーともに8万5000円。パッケージとしては、10万円の『SweetSite Standardパッケージ』、100万円の『SweetSite Professionalパッケージ』などがあり、(詳細はhttp://www.s-s.co.jp/products/prodwww.htd)、これらのパッケージ製品で初年度8億円の売上を見込んでいる。また、SweetSiteサーバーとSweetSiteマネージャーを利用して『DCマルチメデイア・アーカイブ・システム』、『DCワークフロー・マネジメント・システム』の構築するサービスも提供していく」

----“DC4”の普及の見通しは?

 「“DC4”は、4月1日にたちあがったオランダの主要な新聞5紙が共同で設立したマルチメディア・アーカイブ・システムで採用されている。日本では、新聞社は大手のメーカーと組んでシステムを組んでいるので、簡単には食い込めない。現在、レコード店、CDレンタル店など、音楽関係でいくつか契約を進めている段階だ。DC4は、音楽データの検索にも適しており、お客さんに試聴用データを提供するために使用する」

----スマート・アンド・スウィートとDC社の関係は?

 「DC社と初めて接触したのは昨年の3月。スマート・アンド・スウィートは、DC4およびHTDLの日本、アジアの総代理店という立場だ。アジアでのローカライズやマーケティングに関しては、全面的に任されており、DC社はノータッチだ。DC社は、すでにヨーロッパで成功を収めており、アジアでの販売にはあまり興味を示していない。日本での普及に成功したら、アジアへの進出も考えている」

 神足孝裕社長は、'83年同志社大学文学部卒業後、丸紅(株)に入社し、同社情報産業部の営業企画担当となる。'90年にビジネス・コンサルティングを行なう(株)エム・ピー・エスを設立、代表取締役に就任。新たに'95年スマート・アンド・スウィート社も設立し、代表取締役を務めている。

 神足社長は、「DC4およびHTDLはマルチメディア・データベースの新しい世界標準」と、大きな期待を寄せている。(報道局 佐藤和彦)

・スマート・アンド・スウィート社
 http://www.s-s.co.jp/

・独Digital Collections社
 http://www.digicol.de/

・2月19日のASCII24の記事
 http://www.ascii.co.jp/ascii24/issue/980219/topic08.html

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