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米インフォミックス、欧米の放送局向けマルチメディアデータベースで攻勢

1998年04月01日 00時00分更新

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 米インフォミックス社が、欧米の放送局向けマルチメディアデータベースの市場で好調な受注を続けている。米AP通信社、英BBC、国営放送の伊Radio Televisione Italiana(RAI)のシステムを相次いで手掛けた。いずれも『Informix Dynamic Server(IDS)』に『Universal Data Option(UDO)』と呼ぶオプションを付加したシステム(製品名『Informix Dynamic Server with Universal Data Option』、以下IDS with UDOと略す)により構築した。

 米AP通信社のシステムは、The WIREと呼ぶワールドワイドウェブ(WWW)ベースのニュースサービスである。全米で200以上におよぶ、AP関連の新聞や放送局のサイトからリンクが張られている。WWWの視聴者はそれらの地方新聞、地方放送局がWWWサイトに載せているローカルニュースと、WIREDのグローバルなニュースとの間で、切れ目を意識することなく、行き来できる。

 AP通信は、このシステムをIDS with UDOで構築した。テキストで記述された本文に、グラフィックス、写真、音声、ビデオが組み合わされたマルチメディアフォーマットを採用している。ニュース原稿が書きあがるごとに、新しいページがWWWに追加されていく。

 伊RAIも同じIDS with UDOを採用した。同社のシステムは、テレビおよびラジオ放送番組を収録した社内向けのデジタルライブラリーとして構築したもの。番組名、ジャンル、出演者、キーワード、放送月日などの条件で、番組を検索し、再生する。あらすじや著作権情報なども番組情報に追加できる。

 英BBSのシステムも同じく社内向けで、IDS with UDOを採用している。番組の内容そのもののほか、脚本、契約書、その他のさまざまな番組情報を一元管理する。

 米インフォミックス社は、'95年にオブジェクト指向のマルチメディアデータベースシステムの開発元、イラストラ社を買収し、それまで同社が持っていたリレーショナルデータベースをマルチメディア対応に変えてきた。'97年12月に戦略商品として出荷を開始したIDSとそのオプションであるUDOは、その流れで登場したものだが、ここへきて放送業界に続々採用され始めた。

 日本のインフォミックスは、欧米の実績を引っさげて、日本市場に攻勢を掛ける。大きな商談の引き合いがいくつか来ているという。(報道局 中野潔)

http://www.informix.com/

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