このページの本文へ

日本HP、“エレクトロニック・ワールド”を発表

1998年03月30日 00時00分更新

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷


 日本ヒューレット・パッカード(株)は3月30日、インターネットを利用した、境界のない地球規模のデジタル世界を構築するコンセプト“エレクトロニック・ワールド”を発表した。これにより、企業、個人およびSOHO環境を統合したコンピューター環境となる。

 “エレクトロニック・ワールド”は、インターネットを通じて分散環境を提供する“エクステンデッド・エンタープライズ・インフラ”、電子商取引を行なう“エレクトロニック・コマース”、ビジネス環境に対して提供する“エレクトロニック・ビジネス”、個人およびSOHO環境に対して提供する“エレクトロニック・コンシューマ”の4つの分野からなる。

 日本HPでは、近い将来にはWindowsNTとUNIXが統合するだろうと考えており、そうなった場合のシステムをはじめ、分散プリント技術、管理やセキュリティー、通信プラットフォームといったインフラを提供することで、信頼性のある分散コンピューティング環境が、低コストで構築できるとしている。

 “エクステンデッド・エンタープライズ・インフラ”は全体の土台。パソコンやサーバーなどのコンピューターシステム、その上で動くアプリケーション、端末となるクライアント・デバイス、そしてそれらを結ぶ地球規模のネットワークからなる。

 ビジネス環境に対して提供する“エレクトロニック・ビジネス”は、ネットワーク管理アプリケーションの『HP OpenView』やビジネス・プロセスを短縮する『HP Changengine』といったソフトウェアや、画像処理技術“HP OpenPix”などからなる。“エレクトロニック・ビジネス”を活用することで、企業が顧客とネットワークを使ってやりとりしたり、企業間での情報の共有が可能になるという。

 個人およびSOHO環境に提供する“エレクトロニック・コンシューマ”は、“PhotoSmart画像技術”を利用した家庭での写真印刷、FAX、プリンター、スキャナー、コピー機をひとつにまとめた機器など低価格で高性能な製品からなる。将来的には、携帯情報端末上で電子現金を扱ったり、家庭でホームATMを利用して、お金のやりとりができるよう計画している。

 電子現金やホームATMを利用するのに使われるのが、“エレクトロニック・ビジネス”と“エレクトロニック・コンシューマ”の間に位置する“エレクトロニック・コマース”。『VeriFone』を使った電子決済システム、ホームページを利用した電子店頭、『VirtualVault』といったセキュリティー技術などからなる。同社の寺澤正雄代表取締役専務は「来年あたりから、かなり本格的になってくるだろう」と述べ、この分野での成功に意欲を見せた。同社は、“First Global Commerce”と題してクレジット会社などと共同で電子銀行の基盤整備を行なっており、その成果が期待される。



 同社では、“エレクトロニック・ワールド”を構築することで、仕事、教育、生活などあらゆる要素を統合したコンピューター環境が提供できるとしている。(報道局 中山実)

http://www.jpn.hp.com/

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン