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“日本CG文化フェスティバル'98”が全国11会場で開幕

1998年03月26日 00時00分更新

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 東京・千代田区のアーバンネット大手町ビルなど全国11会場で本日、“日本CG文化フェスティバル'98”が開幕した。CGアーティストの発掘、育成を目的としたイベントで、CG作品コンテスト、講演、CGコンテンツ制作講座などが行なわれる。

 



 11会場は衛星通信および光通信でネットワーク化されており、メイン会場となるアーバンネット大手町ビルの模様がリアルタイムで各会場に配信されるほか、会場間でのCG共同制作も予定されている。26日、27日の両日開催で、入場料は各会場とも無料。主催は、日本電信電話(株)と、日本シリコングラフィックス・クレイ(株)(SGI)の運営するSGI 2000 Club。SGIの代表取締役社長の荒川康久氏は、「21世紀はソフトの時代。SGI 2000 Clubでは、コンテンツクリエイターを全面的にバックアップしていきたい」などと挨拶した。



 CG作品コンテストには、アニメーションや静止画など計326点の作品が寄せられ、入選作品は22点。この中から、“SGI 2000 Club賞”1名、“NTT賞”3名が選出される。入選作品の上映、展示も行なわれており、アニメーションに工夫を凝らしたいい作品が多かったように見受けられたが、結果はいかに。受賞作品の発表は27日の15:00。本欄でもいち早くお伝えしたい。

 CG作品コンテストの審査員でもある、(株)ナムコのCGアーティスト高橋信雄氏による講演も行なわれた。テーマは“CGと芸術”。



 高橋氏は、ナムコでゲームのCG制作などに従事しているが、個人制作も行なっており、米国で毎年開催されるSIGGRAPH主催のCGコンクールでも二度入選している。自らのCG作品については、「CG作成ソフトなどのGUIはなるべく利用しないようにしている」と話す。GUIは確かにCG制作を容易にするが、結局、作品自体に直接触れていないという思いがあるからだ。そのため高橋氏は、自らプログラミングを行ない、実際の数値や計算式などに触れることで、作品に“手の痕跡”を残そうとしているのだという。

 作品に直接触れられないというジレンマは、多くのCG作家が感じているとし、次代を担うCG作家の卵たちに対しては、「実空間と仮想空間を等価に扱うのはやめるべき。実空間における造形意識を捨てることで、CGにしかできない新しい作品を生みだせるだろう」とアドバイスした。

 高橋氏も開発に携わってきたという新作ゲームソフト『鉄拳3』のオープニングCGも上映された。キャラクターのリアルな動きやドラマチックなストーリー構成は、今回の入選作品をしのぐ出来。「エンディングにも自信あり」とのこと。(報道局 浅野広明)

・NTT
 http://www.gsquare.or.jp/CG/

・SGI 2000 Club
 http://www.sgi.co.jp/s2c/index.html

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