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【CeBIT'98】おなじみの2社のブースとドイツのパソコン事情

1998年03月23日 00時00分更新

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●もっとも客を集めていたマイクロソフト

 



 ソフト関係のブースが並ぶ第2号館の中では、やはりマイクロソフトが一番大きなスペースを占めていた。CeBIT'98の中でももっとも多くの人を集めていたようだ。今回新製品としてCeBITで発表したのは、『SQL Server6.5』などのビジネス用データベースソフトだけだったが、それでもマイクロソフトのブースは、多くの人でごった返していた。特に、Office98やWindowsCEマシンへの関心が高く、実際に自分で操作してみる人がかなりいた。ただ、ブースの中央には、円形の大型ワイドスクリーンで、Office98などのWindows製品を紹介するビデオを流していたが、軽快な音楽、アップテンポな編集の割には、内容が薄く、途中で席を立つ人も多かった。

●もの悲しかったアップルのブース

 



 コンピューターや周辺機器が展示されている第13号館では、アップルコンピュータが、“アップル・パーク”という特設の展示スペースを設けて『PowerMacintosh G3』などの展示を行なっていた。ブースの入り口には、例の“Think Different”のガンジーのポスターが貼られていたが、その前に募金箱がおかれ、結構な額のお金を集めていたのが、何やらもの悲しかった。また、展示されていた『PowerMacintosh G3』も、CeBIT開幕前に発表されたも300MHzの製品ではなく、266MHzのものだった。今回アップルは、『Microsoft Office'98 Macintosh Edition Deutsche Version』を発表したが、このデモだけが、アップルのブースで唯一多数の人を集めていた。

●デザイン賞では、20周年記念マックがトップテンに選ばれる

 すぐれたデザインの工業製品に与えられるiF賞の受賞製品は、CeBIT会場の真ん中にあるIndustrie Forum Design Hannoverに展示された。

 



 パソコン部門では、IBMの『Aptiva』などが、また、ノートパソコンではシーメンス・ニックスドルフの『SCENIC Mobile 300』やアップルの『Powerbook2400c/180』が受賞した。また、全ジャンルの中から選ばれる“トップテン”には、『Twentieth Anniversary Macintosh Desktop』が選ばれ、アップルのセンスの良さは、ドイツでも高く評価されている。

●ドイツのパソコン事情

 さて、今回のCeBIT'98の取材では、「日本よりも遅れている」と言われてきたドイツでも急速にパソコンが普及しつつあることを実感した。



 ドイツの飛行場やホテルなどには、クレジットカードでインターネットが見られる端末が設置されている。また、CeBITの会場でも、軽量ノートPCやPDAが注目を集めていたことから、ドイツでも、モバイルPCの普及がこれから一層進むことになるのだろう。

 しかし、今回の取材で少し困ったのは、日本とドイツでは、電話のモジュラージャックの形式が異なる点。日本を発つ前に、秋葉原のモバイル関連の専門店で、日本式のモジュラージャックをドイツ式に変換するプラグを購入していったのだが、それは、ドイツに存在する5つの形式のうち、ドイツでもっとも普及しているはずの“Fタイプ”のものだった。しかし、実際ドイツにきてみると、2ヵ所の宿泊先はいずれもFタイプとは違う形式だった。地域ごとに形式が違うということではなく、ドイツ国内に雑然と異なる形式のモジュラージャックが普及してしまったようだ。CeBIT'98のプレスルームでは、主要な3つの形式のいずれかを選択できるような差込口が用意されていたほどだ。



 パソコンやインターネット、あるいはPDAが普及していくには、ベースとして国際標準に則ったインフラが整備される必要がある。しかし、たかだか電話のモジュラージャックとはいえ、ドイツ国内での統一すらとれていない状況を見ると、携帯電話やビデオ、あるいはBS放送の国際規格の統一に向けても、まだまだ克服すべき課題は多いと言わざるを得ない。(報道局 佐藤和彦)

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