富士通(株)は、児童向けのインターネットコミュニケーションシステム『ころんねっと』の販売を本日開始した。兵庫県インターネット教育利用委員会の協力を得て、(株)富士通研究所が開発したシステムで、NNTP(Network
News Transfer Protocol)サーバーを利用して、絵や写真、音声といったマルチメディアデータを含むメッセージを、掲示板形式でやりとりする。なお、メッセージデータはMIME(Multipurpose
Internet Mail Extensions)に準拠している。
同システムは、小学校低学年でも使いやすい操作性、コミュニケーションの動機づけとなる機能を実現するため、京都工芸繊維大学の吉田敦也助教授と富士通研究所とが共同で検討した“子ども向けメディアのデザインガイドライン”と“一分モデル”をベースとしている。
“子ども向けメディアのデザインガイドライン”とは、子どもがメディアを利用する際の、子どもとメディアの関係の取り方をメディアのデザインに反映させるためのガイドラインで、発達心理学や語用論の知見に基づいたもの。また、“一分モデル”とは、ゲームソフトの分析による「道具との出会い頭の1分間で、“使いたいと思うか否か”という利用者の意識が決まる」という仮設に基づいて考えられた導入部分のデザイン技法のこと。
ほかにも、コミュニケーション支援として、音付きのスタンプをメッセージに貼り付けたり、郵便屋さんや風船といった、メッセージを届けるキャラクターを選んだりできる。また、メッセージの感想を“面白かった”、“感動した”といった選択肢の中から選ぶことで、受け取った人がどう思ったのかを集計することができる。
価格は、NNTPサーバー用の『ころんねっと』がUNIXまたはWindowsNT
Server 4.0対応で9万8000円。端末用の『ころんねっと 1クライアントライセンス』が9500円。『同
20クライアントライセンス』が15万2000円。Windows95/NT Workstation 4.0に対応している。クライアント数は、ユーザー数ではなく端末の数で、利用者は、ユーザー情報や既読および未読情報の入ったフロッピーディスクをパソコンに入れて使用する。なお、NNTPサーバーソフトは別途準備する必要がある。
『ころんねっと』は、インターネットコミュニケーションシステムということだが、富士通では、世界中の学校をインターネットで接続してメッセージをやりとりするのではなく、まずは学校内イントラネットや、市内の学校を専用線で接続して利用するといった方法を考えている。同社では、学校や教育機関を中心に、サーバー用と端末用を合計して、年間1000本の販売を目指すとしている。(報道局
中山実)
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