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“ネットワーク・コラボレーション'98”が開幕

1998年03月05日 00時00分更新

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 企業間、企業内のネットワーク化を推進する技術や製品などに関する展示会“ネットワーク・コラボレーション(Networked Collaboration)'98”が本日、千葉県の幕張メッセにて開幕した。関連企業37社が、“ショーケース会場”に自社の最新製品などを展示したほか、講演、パネルディスカッション、ワークショップなどが催された。同展示会は、過去4年間開催されてきた“イントラネット&グループウエア ソリューション”を拡充、名称変更したもの。会期は3月6日まで。

 オープニングでは、“ネゴシエーションからコラボレーションへ”と題するパネルディスカッションが行なわれた。パネラーは、慶応義塾大学環境情報学部長・斎藤信男氏、同学部教授・村井純氏、インテル(株)代表取締役会長・西岡郁夫氏の3氏。



 村井氏は、ネットワークの新たな活用法を模索し続けている。たとえば、同氏のホームページ(http://www.sfc.wide.ad.jp/~jun/index-j.html/)。ここではオンライン授業が実験的にスタートしており、村井氏の慶応義塾大学での講義も映像、音声を通して聴講できる。数多くのOHPを用いた授業では、聴講者が画面上で任意に指定したOHPの解説を映像および音声で配信する、という検索システムも導入されている。

 そしてたとえば、インターネットカー。村井氏は、「現在は5台で実験を行なっているが、世界中のクルマをネットワーク化することで、実に大量の情報を得ることができる。なおかつ応用範囲も広い」という。応用例としては、まず世界中の降雨量を把握できることが挙げられた。現在の測定器とは比較にならない数のクルマが世界中を走っているのだから、クルマに測定器を設置しネットワーク化することで、広範な地域の正確な降雨量が集計できるというわけだ。また、クルマの混雑状況に応じて、信号機を最適に調節したり、どの道を通れば早く目的地に着けるかを計算したりもできる。

 西岡氏は、日本企業の上層部はEメールの使い方が下手だと指摘し、インテルの事例を紹介。「重要な会議がある場合、Eメールで事前に十分なやり取りを行ない、実際の会議では1時間以内で結論を出すようにしている」などと述べた。

 ネットワークは社会のさまざまな局面で効率化を促進するが、その効率化が社会の本質を浮き彫りにする、という議論もしきりになされた。ここでは、ネットワークにより変化する中間業者のあり方、著作権問題、リーダーシップなどの問題を、時代に即した新たな考え方で捉え直すことが必要と提議された。

 また基調講演は、慶応義塾大学大学院経営管理研究科助教授・國領二郎氏が行ない、サイバーな空間では知恵や知識を融合させ、さまざまなアイデアに派生させることが重要で、ビジネスモデルとしても開発段階で顧客を取り込むものが盛んになるのではないか、などと語った。



 “ショーケース会場”の展示製品は、企業向けグループウェアが中心で、ノベル(株)の『GroupWise5.2J』、ロータス(株)の『ロータス ノーツ/ノーツドミノ』、日本電気(株)の『StarOffice Ver.4.1』などが大規模なプレゼンテーションを行ない、人気を集めていた。企業側としても安い買い物ではないだけに、慎重かつ真剣な様子が伺えた。(報道局 浅野広明)

http://www.nikkei.co.jp/events/collaboration/

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