このページの本文へ

『ポリゴンで発見!!たまごっち』発売、バンダイのねらいが当たり出足好調

1998年02月13日 00時00分更新

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷


 (株)バンダイの『新種発見!!たまごっち』を3DポリゴンにしたWindows95対応のパソコン用ソフト『ポリゴンで発見!!たまごっち』が本日発売され、発売元の(株)バンダイ・デジタル・エンタテインメントと販売元(株)メディアカイトが都内数カ所の販売店店頭でキャンペーンを行なった。7体のキャラクターのうち1体“みみっち”のぬいぐるみが登場、道行く人たちの注目を集めていた。

 同ソフトは、たまごっちをデスクトップ上で育てたり、デスクトップアクセサリーとして楽しめるほか、たまごっちに伝言を預け、メールソフトに添付し、メッセージを届けてくれるという機能がある。ビラ配りをしていた女性によると「女のコが喜んで写真を撮っていったり、おじさんとかも頭をなでたりしていきましたよ。みなさん“かわいいー”って。ぬいぐるみを見てなんだろう、ってビラ見てくれるんですけど、なかには“パソコンないからダメだ”って言う女のコや、“もうたまごっちもね……”って言ってく人もいました」とのこと。

ポストペットの対抗馬になるか



 池袋ビックパソコン館5階ゲーム売場担当の田中氏は「ポストペットの人気の波もあり、それにも乗れそうなのでイケる商品だと思います。こういうキャラクターを使ったメール機能のあるものってないし、ポストペットの対抗馬となるんじゃないですか。着眼点がいいですよね。キャラクターがいいし、『たまごっちCD-ROM』はうちでも定番でよく売れているし、『スタンプdeおたすけっち』なんかもヒット商品です。米国版の『TAMAGOTCHI CD-ROM』はあまり出てないですけどね」

 同店では標準価格3800円のところ、3380円(税別)で販売されていた。ほかのお店に比べ、若干安いそうだ。

 同店でデモ販売を行なったメディアカイトの営業担当、解良(けら)崇氏は、「デモを見てくれるとこれ便利だね、って言ってもらえます。今日だけでこのお店ではもう20本ぐらい売れましたよ」

 実際、私の目の前でデモを見ていた男性も買っていった。

 「初回出荷は1万2000本ぐらいでしたけど、3ヵ月で10万本出荷するのが目標です。メールを受け取った人(このソフトを持っていなくても受け取った人はたまごっちからのメールを見ることができる。メールを出すにはソフトが必要)が“これなんだろう”って関心を持ち、輪が広がってくんじゃないかな、と思います。今週末買っていただいた方がメールを出して、ネズミ算式にこのソフトを買う人が増えてくれれば」と期待を寄せている。

発売前の不安も解消、通信機能が吉と出た



 この日、自ら“みみっち”のぬいぐるみの中にも入り、キャンペーンを行なっていたバンダイ・デジタル・エンタテインメントの高橋豊志氏は、実はこのソフトの総合プロデューサー。

 「ぬいぐるみの中に入ってたとき、人がどんどん寄ってきて、たまごっちはまだまだ人気があるんだな、って手応えがありました。たまごっちは全世界で4000万個売れてるんですよ。やっとブームが落ち着いてきたんで、初めてテレビCMを流したんです。海外、とくにヨーロッパは半年前の日本の状態。すごい売れ行きです。それに『たまごっちCD-ROM』はブームに乗って30万枚売れたんですよ。でもそのあとの米国版『TAMAGOTCHI CD-ROM』は不調だったし、たまごっち自体の売上も一時に比べ落ちてきたので社内でも大丈夫かな、って心配してたんです。ところがさっきまで、秋葉原の吉葉無線電機に3時間半ぐらいいた間にもう50本ぐらい売れたかなぁ。専用ホームページが今日13時にオープンしたんだけど、16時に確認した時点で5万ヒットあったって言うし。“通信”ていうキーワードが入ると、こうも違うのか、って実感しましたね。スタンドアローンのCD-ROMはもう厳しいですね。うちでも売れるのはガンダムものぐらいですよ。何か新しいキーワードを取り入れないとダメですね」と話してくれた。

 バンダイ・デジタル・エンタテインメントといえば、『Pippin ATMARK』(以下ピピン)を覚えている人も少なくないと思う。テレビにつなげ、手軽にインターネットができるパソコンゲーム機として大々的に売り出したが、販売は不調。現在はプリクラマシンとしてや、企業向けに出荷されているという。高橋氏はこのピピンプロジェクトに参画していた。

 「ピピンをやって、どのくらいの人がネットワーク通信をしているのかが見えました。“みんな通信をやっている”という錯覚に陥りがちなんですが、やっぱり限られた人たちなんですよ。それと自宅にはないけれど、会社では使っている、というOLの方とかが結構多いんですよね。このソフトのターゲットは、ズバリこの人たち。OLが上司の目を盗んでパソコンで息抜きする、って感じで使ってもらおうと思っています。だから普通のメーラーではできないことを盛り込みました。たまごっちが伝言を忘れちゃったり、口調が“たまごっち語”になったり、いつの間にかいなくなっちゃりと。メールって用事がないと出さないものだけど、これだと用事がなくても遊び感覚で出せる。ネットワークのコア層ではなく、そういう方たちをねらい、新しい層を開拓できればと思います」

 ピピンでの経験、ポストペットの成功を踏まえてソフトを研究、開発していることがうかがえた。

ネットワークがバンダイのマルチメディア戦略のキーワード

 “みみっち”のぬいぐるみは3月18日から始まるおもちゃショーでデビュー予定だったのを、前借りしたのだという。

 「やっぱりバンダイはおもちゃの会社ですが、マルチメディアにも力を入れています。そのキーワードがネットワーク。おもちゃとネットワークを絡めたものをどんどん作っていきたいですね。いま『ハイパーヨーヨー』の売れ行きも好調で、毎週日本のどこかでヨーヨーの大会があるんですけど、その大会のランキングを紹介するホームページも立ち上げたいと思っています。親子のコミュニケーションを広げられるもの、それができるのは日本ではバンダイとソニーしかないですからね」(高橋氏)と、熱い思いを語ってくれた。(報道局 酒寄公子)

・ポリゴンで発見!!たまごっちオフィシャルホームページ
 http://polytama.channel.or.jp/

・バンダイ・デジタル・エンタテインメント
 http://www.bdec.co.jp/

・バンダイ
 http://www.bandai.co.jp/

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン