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「モバイルコンピューティングはくせになる」神足裕司氏らトークライブ

1998年02月12日 00時00分更新

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 (株)東芝は本日、同社が'97年11月より毎月開催している講演会“マルチメディア・トークシリーズ”の1セッションとして、コラムニストの神足裕司氏、(株)小学館の情報誌『DIME』編集者の奈良巧氏を迎え、トークライブを行なった。タイトルは“アウトドア&モバイル・コンピューティング―コータリが斬るモバイルPC”。両者が自分の体験を踏まえ、モバイルコンピューティングの楽しみ方やそれにまつわるエピソードなどを紹介した。



 神足氏は5、6年前まで、紙と鉛筆があれば事足りるのだから、キーボードには触ることもないだろうと思っていたそうだ。ところが海外で原稿を書くとなると、FAX料金もバカにならない。そこで、パリのホテルでFAX1枚あたり3000円を要求されたのをきっかけに、モバイラーとしての1歩を踏み出した。1年半もすると、どこにいても即時的に情報を伝えられ、反応が返ってくるという快感がくせになったのだという。

 しかし、いざ海外でノートパソコンやワープロを使うとなると、とにかく問題が起こる。モジュラージャックの規格が違う、アクセスポイントへの通信の仕方がわからない、などなど。

 ここで、モバイルPCがくせになってしまったひとり、奈良氏からさまざまなアドバイスがある。たとえば、“音響カップラー”を使った原始的な通信法。モバイルPCと接続した音響カップラーを電話の受話器に押し当てて、部屋に雑音が入らないようにしながらダイヤルアップすると、低速ながらデータ通信ができるのだという。「文字を送る程度なら十分に利用できる。海外旅行の必需品です」と奈良氏。そして極めつけが、“足立隼夫のホームページ”(http://www.adachi.net/hayao/index.htm)。国際協力事業団(JICA)の一員として活躍する足立さんは、モバイルの旅と称して世界各国でデータ通信を試みており、その悪戦苦闘ぶりが切々と記述される。実に楽しく、海外でモバイルコンピューティングしたい人にとっては必見だという。

 そのほか、奈良氏が「クルマの中でモバイルPCを使うときには、80km以上出さないように。酔います」といえば、神足氏が「新幹線も“ひかり”はよくても、“のぞみ”の横揺れはモバイラーには向かない」と応戦するなど、ヘビーなモバイラーならではの掛け合いも。モバイルコンピューティングの楽しみ方としては、「実用的なだけでなく、違った遊び方もすすめたい。Eメールにしても見合い写真を送ったり、合コンのメンバー紹介に使うのもいいね」(神足氏)、「長野五輪で試用されている腕時計型のPHSはおもしろいよ。女の子が腕時計に“タクシー”と叫んだら、タクシー代わりに使われている男が『はい』と返事するとかね」(奈良氏)。会場も爆笑。

 それでも、今のモバイルPCは初心者にはまだまだ使いづらい。これについて奈良氏は、デジタル機器に関して成熟した若い世代が育ってきているので、それほど簡単にはならないのかも、と感想を述べた。神足氏も、使いづらさはまんざらでもなさそうで、「われわれも苦労してきたから、こうしてトークライブやってるんだしね」。(報道局 浅野広明)

http://www2.toshiba.co.jp/spm/T-BRAIN/index2.htm

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