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KDD、『Quality Motion ver.5.0』と『JaMaPS』を発表

1998年02月06日 00時00分更新

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 国際電信電話(株)(KDD)は、専用線やISDN回線で利用しなくても、スムーズに映像を伝送するための『Quality Motion』の新バージョン(ver.5.0)と、まったく新しいインターネット用分散型電子地図プラットフォーム『JaMaPS』を発表した。同社では今後、企業向けとしてだけでなく、個人のホームページのコンテンツとしても利用されるよう、普及に力を入れていくという。

●『Quality Motion ver.5.0』



 『Quality Motion』は、映像の編集や映像・音声を圧縮したQMファイルへのエンコードを行なう“QMエンコーダ”、インターネット・イントラネットに接続してQMファイルを伝送する、HTTP対応の“QMサーバ”、クライアント側でQMファイルを再生する“QMプレーヤ”で構成されており、人間の視覚特性上目立たない情報を効率的に削除することで、専用線やISDN回線を利用しなくても、スムーズな映像データの伝送を可能としたもの。

 今回発表の『Quality Motion ver.5.0』では、独自のバッファリング機能を採用した“ストーミング再生機能”により、これまで再生が始まるまでにしばらく待たされていたのが、2~3秒で開始されるようになった。

 画質も向上し、マップジャパン(株)から個人向けに発売される『Quality Motion Video Builder Light』では、画面サイズが320×240ドットおよび160×120ドット、ビットレートは13~256kbps、最大で毎秒15フレームでの表示が可能となっている。また、映画予告や製品のCMといった映像には、再生できる期限を設定できる“ファイル有効期限設定機能”を使うことで、著作権の保護が可能となっている。

 企業向けの通信ネットワークへの組み込み販売という形で、(株)リコーおよび(株)マックザウルスより2月中旬に販売が開始される。また、個人向けの『Quality Motion Video Builder Light』はWindows95用で2月中旬に9800円で発売される。ほかにも、コンテンツプロバイダー向けに、サーバースペースのレンタルサービスなども行なう予定。

 なお、“QMプレーヤ”は、無料でダウンロードすることができるが、利用するには別途マイクロソフト社の“Active Movie Player”が必要。

http://w3-mcgav.lab.kdd.co.jp/qm/index.html

●『JaMaPS』



 『JaMaPS』は、地形や街区図などのデータの入った“ベースマップ”と、駐車場や銀行の場所などのデータをそれぞれ別のWWWサーバーから取得し、重ね合わせて表示するシステム。個人レベルでの電子地図の配信や、情報の分散によるトラフィックの低減に役立てることができるという。

 たとえば、個人のホームページでお気に入りの店の地図を載せようとした場合、ベースマップは別のサーバーにあるものを使い、自分のWebサーバー上には店の場所のデータを入れておけばよいことになる。『JaMaPS』では、緯度と経度を利用して場所を決めているので、他の人が提供している別の店も同じ地図上に表示できる。また、地図上からハイパーリンクで別の地図に飛ぶこともできる。

 『JaMaPS』はJavaアプレットで作られているので、クライアントを選ばず、将来的にはカーナビなどでの利用も考えられている。また、データ自体はPostScriptデータなので、PostScriptに対応したプリンターで印刷できる。なお、“ベースマップ”を自分で作ることも可能だが、建設省国土地理院からデータが提供される予定。

 KDDでは、今年中には商品化のめどを立てたいとしている。(報道局 中山実)

http://www.lab.kdd.co.jp/kdd/lab/marine/JaMaPS/JaMaPSindex.html

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