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ジャストシステムとオラクルのパートナーシップは対マイクロソフト戦略?

1998年01月20日 00時00分更新

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 (株)ジャストシステムと日本オラクル(株)は、データーベースソリューションで共同マーケティング活動すると発表したが、これはマイクロソフト(株)への対抗、という意味が濃厚である。記者発表では、『五郎8』と『Oracle8』の組み合わせが以下に優れているか、というのを『Access97』と『SQL server6.5』の組み合わせと徹底比較、こちらができて、あちらはできないという点を挙げていった。

 また、質疑応答で「マイクロソフトへの公正取引委員会の立ち入り調査を行なった件をどう思うか」との質問に両社長が以下のように答えた。

 浮川和宣・ジャストシステム代表取締役社長「実際に捜査に入っている状態なので、ちょっとコメントは……。わが社とは利害関係が近すぎてしまうので、ジャストシステムからのコメントは、ホントに申し訳ないんですけど控えさせていただきたい」

 佐野力・日本オラクル代表取締役社長「ウチのほうはまだ利害関係が近くないですからね。(マイクロソフトの)『SQL Server』とたたかい、サーバーシェアでわれわれは60パーセントを持っている。だから、ウチには公正取引委員会は来ないし、オラクルのおかげで(マイクロソフトが独占シェア状態じゃなくなっていてサーバーに関しては)変なことを言われなくてすんでるんだから笹塚さん(マイクロソフト)には感謝してもらいたいくらい。まあ、自由な競争を阻害する“抱き合わせ販売”などは許せない。だから公正取引委員会はしっかりと調べて欲しいですね、というのが私の“個人的な”見解です」

 さらに、「実際のところすでに企業はマイクロソフト社製品を導入しているし、すでに導入してしまったものを変える可能性はあると思うか。またOSとより互換性の高いアプリケーションを使いたいと思うのがユーザー心理ではないか」との質問に以下のように回答があった。 

 佐野氏「すでに導入しているからと言って負けではない。新しいバージョンを出すと、前のものはもう忘れろなんて言うところの製品はダメ。新バージョンを出すときに秋葉原にサクラを集めて、真夜中に花火鳴らして住民の迷惑も顧みないような、そんなところの製品はダメ、と“個人的には”思いますね。そういうところと、手を組まないでよりよいものを提供するのがオラクルの使命だと思っています」

 浮川氏「OSを作っているところが必ずしもそのOSに一番いいアプリケーションを作るとは言えない。たとえば私たちの製品も、開発したわれわれより、ユーザーさんのほうが良く使い込んでらして、いろいろ勉強させてもらうこともしばしば。それと同じように、われわれはOSを作っていないけど、よく研究し、それに合うアプリケーションを作っている。今回オラクルさんと共同でマーケティングをすることになったけど、より多くの方々にわれわれの製品の優れていることを知ってもらいたい」

 上記のように、記者会見を通じて、“対マイクロソフト”という気配が濃厚であった。以前、マイクロソフトの『Word』の記者向け説明会の内容に、ジャストシステムの『一太郎』の機能に対して誤った説明がなされたと、マスコミ向けに訂正FAXが流れてきたことなどもあった。競合製品を作っている2社なので、対立するのは仕方がないが、対立し合ってより使いやすく、より安く、よりよい製品を作ってもらいたいというのが“いちユーザーとして”の希望である。(報道局 酒寄公子)

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