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米ネットスケープ社の'97年第4四半期は大幅赤字に転落

1998年01月06日 00時00分更新

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 米ネットスケープ社は、'97年第4四半期(10~12月)の純損益が大幅赤字になる、との決算見通しを発表した。

 同社の第4四半期の売上高は、1億2500万ドル~1億3000万ドル(約165億円~170億円)と対前年同期比で約9~13パーセント増加するものの、純損益は8500万ドル~8900万ドル(約115億円~119億円)の大幅赤字に転落する('96年第4四半期は870万ドルの黒字)。

 この赤字額には、米Actra社、米Kiva Software社などの買収に伴なう損失5200万ドル(約69億円)、また、同社のリストラに伴なう損失3500万ドル(約47億円)などが含まれているが、これらを除いた純粋な事業損失は、それでも1500万ドル~1800万ドル(約20億円~24億円)にのぼり、同社の苦境を示していることに変わりはない。

 また、'97年暦年の売上高は5億3400万ドル~5億3900万ドル(約713億円~720億円)、対前年同期比で54~56パーセントの伸びを示しているものの、通年の純損益は1億1300万ドル~1億1700万ドル(約150億円~156億円)の大幅赤字となる('96年は2100万ドルの黒字)。この赤字のうち合併・買収などに伴なう損失が1億500万ドル(140億円)、同社のリストラに伴なう損失が3500万ドル(約47億円)含まれており、同社の'97年の純粋な事業利益は、800万ドル~1000万ドル(約11億円~13億円)にとどまった。

 同社のライバルである、米マイクロソフト社が、インターネットブラウザー『IE4.0』を無料で配布するなど、シェア争いが激化、価格競争も激しくなったために、利益率が低下したものと見られている。同社では、電子商取引用のソフト開発を行なう米Actra社や、エクストラネット・サーバー用ソフトの開発を行なう米Kiva Software社を買収するなど、ブラウザー主体の会社から、企業向けネットワークソフト会社への脱皮を図りつつある。同社では、「'98年も、企業用ネットワーク市場に重点を置くとともに、不要となった部門のリストラを継続する」とのコメントを発表している。(報道局 佐藤和彦)

http://home.netscape.com/

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