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[続報]アスキー、CSK、セガが業務提携に関し記者会見を実施

1997年12月25日 00時00分更新

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 '98年1月に第三者割当増資を行なうと発表した(株)アスキーと、割当先の(株)シーエスケイ、(株)セガ・エンタープライゼスの代表者が揃って、本日、東京証券取引所において、記者会見を行なった。

 出席者はアスキーが西和彦社長、廣瀬禎彦専務、CSKグループは、大川功CSK、セガ会長、福島吉治CSK社長、中村俊一セガ専務の5人。

 大川功CSK、セガ会長は、「かねてからマルチメディアを中心にした新しい時代の事業を展開する上で、豊富な情報コンテンツを持った企業と手を組んでシナジー効果を生み出す必要があると思っていたが、今回、その面では国内随一ともいえるアスキーさんと提携を結ぶことにより、CSKとセガが持つ経営資源と相互作用をもたらし、21世紀をにらんで新しいマーケットに乗り出していく体制が構築できるのではないか、と確信している。これを機会に、CSK、セガ、アスキーの総合力を活かした新しいマーケットへの挑戦ができるのではないかと思っている」と述べた。

 また、西和彦アスキー社長も、「CSK、セガ、アスキーの3社はこれまで、別々の市場を相手にビジネスを進めてきましたが、今回は、その3社が一体となるというところに大きな意義がある、と思います。CSKは情報システムを中心に、企業を顧客として情報産業ナンバーワンに登り詰めました。セガは、ゲームを中心にホームマーケットでナンバーワンの地位を築いてきた。また、アスキーは、個人を相手に情報コンテンツを提供してナンバーワンになったと自負している。企業、家庭、個人とそれぞれの市場でナンバーワンの地位を築いてきた企業が、21世紀に向けて、3社の総合力を活かして新たな市場開拓、市場創造に挑戦しようというのが、今回の提携の持つ意味だと思う」というコメントを発表した。

記者会見での主な質疑応答は以下のとおり。

Q(日経サテライトニュース)アスキーとセガが直接ぶつかるゲーム分野の棲み分けはどうするのか?
A(廣瀬アスキー専務)アスキーとしては、これまでどおり、ソニー、任天堂、セガと複数のプラットフォームにゲームを提供していく。ただ、セガとより近い関係になったので、そのノウハウをゲーム開発に活かしていきたい。

Q(日本工業新聞)大川会長は、西社長をどのように評価しているか?
A(大川CSK、セガ会長)私にない物を持っている。5年先、10年先の話は、西社長に相談していきたい。情報化社会の事業は誰もやったことのない分野。西社長のアイデアを、実験しながらやっていくのが良いと思っている。

Q(朝日新聞)バンダイのときのように提携解消という事態に陥る心配はないか?
A(大川CSK、セガ会長)バンダイとの合併破談は、非常に残念なことだった。ただ、バンダイの場合は、経営内容でわからない部分もあったが、アスキーに関しては、西社長、廣瀬専務を通じて良く知っているから大丈夫だ。11月25日ごろから、周到に準備を重ねてきており、提携解消といったことはありえない。

Q(時事通信社)アスキーが採用しているカンパニー制の見直しはあるのか?
A(西アスキー社長)現在5つあるカンパニーのうち、出版事業を行なうインフォメーション・カンパニーは、CSKとのコラボレーションを軸に考えて、組織を最適化していきたい。また、ゲーム開発などを行なうエンターテイメントカンパニーは、セガとのコラボレーションを軸に、組織を最適化していきたい。

Q(日本経済新聞)西社長は、以前「アスキーの経営は私の人生そのもの」と述べていたが、今回の増資によって、筆頭株主ではなく第3位の株主となるが、そのことについて何か感慨はあるか?
A(西アスキー社長)このような厳しい経済の状況下で、アスキーに100億円も投資してもらえる。アスキーのような幸せな会社は、日本にも、世界にもない。また、アスキーに投資してくれるのは、日本でも、世界でも、CSKの大川さんしかいない。最終的に合意したのは、昨日(24日)のことだが、100億円の資金は、私の人生最大のクリスマスプレゼントだと思っている。

Q(日本経済新聞)アスキーは、同時に特別損失を計上しているが、これを処理するために第三者増資を行なったのか?
A(西アスキー社長)山一証券の破綻に見られるように、企業決算において、含み損がある、という噂が流れただけで、株価が大幅に変動する。こうした厳しい経済環境のなかでは、徹底的な情報開示と財務の健全化に向けてのアクションを起こす必要があると判断し、特別損失を計上した。増資と財務の健全化を同時に進めただけで、特別損失の処理のために増資をしたわけではない。

(報道局 佐藤和彦)

※この件に関するリリース全文はこちらです。

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