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[続報]前哨戦がエスカレートする米司法省VS米マイクロソフト

1997年12月22日 00時00分更新

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 米マイクロソフトと米司法省との訴訟の口頭弁論が、米ワシントン連邦地方裁判所にて現地時間の12月19日に開かれた。

 マイクロソフトは現在、今月11日に米ワシントン連邦地裁のThomas Jackson判事が下した抱き合わせ販売禁止の仮決定に従うため、パソコンメーカーに対して2種類のWindows95を用意している。ひとつは現在出荷されているWindows95 OSR2.x、もうひとつは'95年8月に発売したバージョンからInternet Explorer1.0のファイルを取り去ったWindows95だ。このような措置を取ったのは、現在出荷しているWindows95 OSR2からInternet Explorer部分のみの切り離しが不可能なためとしている。

 これに対し米司法省は17日、パソコンメーカーがInternet ExplorerなしのWindows95を選ぼうとした場合、機能的に劣った古いバージョンのWindows95を選ばざるを得ないことから、仮決定は守られておらず、米マイクロソフト社は法廷を侮辱しているとして召還を要求。さらに罰金1日100万ドルの支払いを求める要求書を地裁に送った。

 米ワシントンポスト紙によると、12月19日の口頭弁論でJackson判事は、米マイクロソフトが12月15日に発表した“Windows95 OSR2からはInternet Explorer部分のみの切り離しが不可能”とする内容に関して、裁判所技術者の助けを借りてみずから実験を行なったが「90秒もかからずInternet Explorerを削除でき、Windows95も完璧に動作した」と述べ、発表内容の信憑性に疑問を投げかけた。

 Jackson判事は'98年1月13日に再び聴聞会を行なうことを決定。米司法省と米マイクロソフト社双方に、Windows95からInternet Explorer部分の切り離し方法を論じることができる専門技術者を連れてくるよう命じた。

 米マイクロソフト社のMark Murray報道官は閉廷後の記者会見で、Jackson判事が行なった実験はInternet Explorerの3パーセントをハードディスクから削除しただけにすぎないと語り、聴聞会では「逆転する」と力強く断言した。一方、米司法省側は会見こそなかったものの、340人もの弁護士団に加え、新たにニューヨークで腕利きと評判の法廷弁護人、David Boies氏を雇用していたことを公表した。同氏は過去に反トラスト法違反に関する政府と米IBM社の訴訟も担当、政府側に立ち、同社の告訴を却下させた経験があり、両者の戦いは一層エスカレートしていくものと見られている。(報道局 市川美穂)

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